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山師の仕事

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#林業

山師の仕事⑥

山師の仕事⑥

2004年に徳島の山奥、祖谷(いや)という村で山師の仕事をはじめた。ちょうどこの年に熊野古道がユネスコの世界遺産に登録された。

皆伐という山に生えている、全ての木を伐り倒した、後の工程を書こうと思う。

川を挟んで両側の山が丸裸の状態で、集材機を使う架線集材で、倒した木を集める。まずこのワイヤーロープを使った架線の構築から見ていきたい。

ロケット屋さんと呼ばれる2人組がやってきた。そして土場か

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山師の仕事④

山師の仕事④

2004年に徳島の山奥、祖谷(いや)という村で山師の仕事をはじめた。20年前の当時を思い出しながら少しずつ書こうと思う。

立木の伐採の話ばかりしてきたので、今日は弁当の話を書きたい。山小屋のような所で一人暮らしをしていた。

自炊の経験はそれほどなく、ラフティングの仲間とたまに会う程度で、近くにご飯を作ってくれる人はいなかった。

炊飯器でお米を4合、2日に1回炊いていたと思う。夜にタイマーでセ

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山師の仕事③

山師の仕事③

2004年に徳島の山奥、祖谷(いや)という村で山師の仕事をはじめた。前回は立木の伐倒方法とその格好について書いた。今回はさらにもう少し詳細を書きたい。

基本的に杉などの立木を谷側へ伐倒するのは簡単である。なぜなら、枝は斜面に沿って生えている事が多く、立木の荷重は谷側にかかっているからだ。

受け口を作るのも谷側の方がより根元で伐ることができる。切り株を低く抑えられるということだ。

立木の直径の

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山師の仕事②

山師の仕事②

2004年に徳島の山奥、祖谷(いや)という村で山師の仕事をはじめた。世間一般では、林業と言われ、森林組合や大きな資本のある会社がやっている事業とやり方は違うが木材の素材生産というゴールは同じである。

大人数でやるか、3人で全てを終わらせるかなどの違いは沢山あるように思う。自分は山師の方法しか知らないので、それを少しずつ紐解いていこうと思う。

前回、書いた伐採の方法についてもう少し説明したい。教

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山師の仕事①

山師の仕事①

徳島の山奥。大歩危(おおぼけ)、小歩危(こぼけ)という駅があり、その近くに住んでいた頃の話を書こうと思う。

ラフティングの仕事で山奥に住み始めたのだが、週末の2日間しか、お客さんが来ない日々が続いていた。

最初の頃は、仲間とゴムボートで川を下ったり、1人でカヤックの練習をしてスキルアップに努めていた。しかし、客を乗せ無ければお金にならないので、山菜を採ったり、畑で野菜を作って何とかしのいでた。

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