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システム開発をしていてつい忘れがちなこと

以下のコンテンツをQiitaに書いた。最初のJ-WALKのくだりはご愛嬌だが、情報システム構築を考える時に、どうしても後回しになってしまいがちな布教、定着化、活用促進の大切さと具体的な施策例を書いてみたので、是非ご覧いただきたい。

考えるきっかけになったのはある案件だった。PoCとして3ヶ月システム構築に取り組んだ後、次のステップに向けたご提案が求められている。そんな折に社内で関係メンバと打ち合わせをしたが、その時ふと気づいた。ひょっとするとシステムのリリースがゴールになってしまっているかもしれないと。

自分も若い頃は開発の最前線にいて何とか無事リリースをという気持ちが強かったが、よく先輩たちに諌められたものだ。人間は気づかぬうちに自身の責任の範囲を限定する方向に思考が傾くことがある。ゴールはシステムを使って成果を出すことで、そのゴールに対してユーザーと我々パートナーは役割こそ違えど同じ目線で向き合う必要がある。

「私作る人、あなた使う人」という発想でいいシステムなどできるはずがない。

ユーザー企業とベンダーは必ず同じ船にに乗る必要がある。ユーザー企業側もプロダクト開発にコミットすべきだし、パートナー企業もリリース後のそのシステムの利活用に対して全力で支援するべきなのだ。

こうした機運の分断を避ける施策として、「内製化」であり「継続的開発スタイル」が普及しつつあると認識している。ただ仮に内製化が実現したとしても、システムに関わる全メンバーが同じ目標を追い続けない限り、チームの中でこの「作る人・使う人の分断」は再現してしまうだろう。

こういうとITシステムの実装は、目的達成のための手段だから極論何でも良いという安易な見方になりがちだが、それは決してそうは思わない。近代戦争においては1つの武器や技術の存在が戦局を左右するのと同じように、もはや効果的なITシステムを持つことこそが一つの目的となりうるほどの重要性を持ちえる。目的を達成するための手段であるITの出来不出来が、その目標達成を左右しかねないほど大きなインパクトを与えてしまうのだ。そうした背景を関係者全員で理解しなければ、真のプロジェクト成功は遠くなる。

テクノロジーや方法論が変わっても、この本質は恐らく変わらないはずだ。ビジネス成果にITという武器をどう生かすべきかという課題に引き続き向き合っていきたい。


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