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意思決定の際に確認したい6つの質問

グループによる意思決定は必ずしも容易に得られるものではない。時にはわずらわしい討論というプロセスを経ずに自分で意思決定したがる指導的地位にある幹部も出がちである。
「『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』 第2部 経営管理(マネジメント)はチーム・ゲームである」より

ミドルマネジャーのための不朽の教科書と言える「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」を元に、マネジメント/リーダーシップを考えていく連続投稿シリーズ第8回目です。過去分は以下のマガジンをご覧ください。

組織における意思決定の難しさ

人間が二人以上に集まった組織で、全員に関わる重要なことを決める。組織を運営する上で一番難しい行為かもしれません。

なぜ難しいのかを考えてみると、色々と理由はあげられます。大きく意思決定のフェーズを3つに分類して、自分なりに課題を整理してみました。

1)意見収集の課題

・意思決定の際にそもそも現場に意見を収集されるプロセスがない。
・決めるべき人と必要な一番情報を持っている人が違う場合が多い。
・本音を言いづらい空気がある。(同調圧力が強い)

2)意見集約/意思決定の課題

・意見集約しやすいファシリテーション又は参加者がいない(同じレイヤーの人同士で話しても、議論は空転するのみ)
・複雑な問題ほど、表面的なスペックだけではなく、過去の複合的な経験値が必要になる。
・意思決定者に対する全員の同意・納得がない。

3)意思決定した結果の扱い方の課題

・意思決定した後に意見を言うことが許容されてしまっている。
・効果的な解を探すということにこだわりすぎて、決めたことを正解にするというメンタリティが足りない。
・問題が起こった時に意思決定者が責任を引き受けない、または誰か一人をスケープゴートにする文化がある(犯人捜し文化)

これらは組織運営の本質的課題そのものとリンクします。すべてに組織に効く特効薬/万能薬は正直見当たりませんが、より組織の意思決定力を高める上で、参考になるナレッジが本書にあったのでご紹介します。

「意思決定をするときに確認したい6つの質問」です。

意思決定の際に確認したい6つの質問

それは以下の6つの質問です。

■どのような意志決定をする必要があるのか?
■それはいつ決めなければならないのか?
■誰が決めるのか?
■意思決定をする前に相談する必要があるのは誰か?
■その意思決定を承認あるいは否認するのは誰か?
■その意思決定を知らせる必要がある人は誰か?

組織の中で意思決定する際、具体的な中身の議論をする前に、上記の6つの質問に回答できるか確認してみましょう。

一定規模の会社組織で、かつテーブルに挙げやすいテーマの課題(投資稟議など)であれば、決済稟議規定などが確立している場合が多いでしょう。

ただ組織における初めての取り組みやトラブルの対応、人に関する問題などは、個別対応が必要なことも多いはずです。

そんな時にこの6つの質問で意思決定のアウトラインを固め、それを合意してから具体的な検討に入るというのが、後戻りが少ないスマートな進め方です。

成熟さとの闘い

正直、こうやって関係者にコンセンサスをとりながら進めていくことに、まどろっこしさを感じる人も少なくないと思います。

もちろん多くの組織には形骸化かつ形式的なやり取りも多くあります。正直保身ばかりが目に付く人が目に付くこともあるでしょう。それは改善すべきなのは間違いありません。

ただ、そもそも組織で意思決定をとりながら物事を前に進めるというのは、本来面倒くさく手間がかかる、ということを理解できる成熟さを身に付けられるか。それがミドルマネジャーとして成功できるかの一つの鍵だと私は思います。

社内プロセスに翻弄される時間が長くなると、顧客や現場やプログラムコードなど、より本質的な問題に向き合いたいと思う瞬間もあることでしょう。自分が実務能力的な価値を手放していないかと不安になることもあるはずです。

ただ人が嫌がる仕事だからこそ、そこを愚直に丁寧に前に進められるミドルマネジャーに対して、組織は価値を認めるのです。こうした経験はいづれそうしたミドルマネジャーを束ねる立場になった時に、きっとあなたを支えてくれるはずです。

意思決定を取り付けることで困ったら、6つの質問でアウトラインを固め、まずはコトを前進させるということに集中してみてください。きっと何かが動き出すはずです。

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以上、書籍「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」から、意思決定の難しさと意思決定のアウトラインを整理するアプローチについて考えてみました。

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