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リーダーシップとアウトプット志向

Twitterでも紹介した佐々木俊尚(@sasakitoshinao
)さんのnote、最初タイトルだけを見たときは「日本にはデジタルがわかる年配層がいないよね」という(すみませんがありがちな)話かと思ったんですが、ちょっと違いました。

それほど長くない記事なので宜しければ是非ご覧頂きたいのですが、米国の特殊部隊の話が非常に興味深く感じました。要点をまとめると:

・アメリカの特殊部隊の一人一の能力は期待ほど高くなかった
・アメリカは個人の能力に依存させない仕組みづくりが得意。(記事から言葉を借りると、”そこらにいるゴロツキ連中をかき集めてきて、短期間に少しだけ教育し、簡易な業務を確実に実施させて組織として力を発揮する”)
・日本はボトム層のレベルが非常に高い。一人一人の勤勉さが組織・システムとしの成熟を阻害しているのでは?
・日本におけるDX人材不足の問題は、現場の能力というよりは、適材適所で機能させるマネジメントサイドの問題が根深い

DX人材不足に関して言えば、量よりむしろ質の議論という見方もあります。本来ITエンジニア職は医薬や法曹と同じ専門技能職であり、専門の高等課程を修了した人のみが就くべき職業という考え方もなくはありません。そもそも日本では成り手の裾野が広がり過ぎていることも問題なのかもしれません。

ただ現実的にDX人材需要が高まっている中で、どうやって若手現場層を即戦力化し活躍できる人材を最大化していくかという課題は、現場でも重要性を増してきています。

こうした中、佐々木さんが記事中に書かれているように現場力の底堅さは僭越ながら自分も感じます。ましてや今後デジタルネイティブ世代として幼少からスマホやプログラミングに携わってきた層が社会に出てくればなおさらでしょう。

一方そうした若手層に対して「結局全ては自分の努力次第」という成長自己責任論を持ち、部下の戦力化に対して本人に対応をゆだねるマネージャーもまだ一定量いると感じます。実際そうやって成りあがった人が多いからかもしれません。類に漏れず自分自身もどこかでその思いがあると改めて反省しました。ただそれでは個人に依存した戦い方からは脱却できません。

背景にあるのは、2つのマネジメントのアプローチです。

1つは社員に対し性悪説とまではいかずともそこまで期待せずマネジメントやシステムという仕組みでなんとかしようとするもの。
もう1つは従業員に期待を高く持ち、現場のやる気を尊重しようというものです。

どの組織のマネジメントもこの2つの理念が違う割合で配合されています。リーダーの価値観や、組織人材の基本構成(価値観や精神的成熟度など)によっても変わってくるでしょう。例えば軍隊とソフトウェア開発のチーム運営の最適解が同じであるはずはありません。

こうした前提の中、分業を前提とした方法論と相対する形で、製造業で言えばセル生産方式や一人屋台方式における万能工、ITの世界で言えば技術がわかるPMやフルスタックエンジニアを目指すという考え方もあります。

一方でティール組織やアジャイル開発のような両者のアンチテーゼのような新しい概念も登場し、個と全体の最適バランスの運用形態に関しては進化の真っ最中だと理解しています。

今リーダーに求められているのは、どの方法論がいいのかというウィンドウショッピングに興じるのではなく、最適なマネジメントのかたちを探しそれをメンバーと共に創っていこうとする姿勢なのでしょう。情報収集と実践的トライを踏まえた組織的な学習とナレッジ共有というサイクルを高速で運用していくことに他なりません。

IT/デジタルの領域について言えば、技術や方法論の選択肢がますます幅広く、移り変わりも激しくなっていきます。リーダーはこれまで以上に明確な方針提示、業務指示、作業範囲の限定、手順やノウハウ含め、あらゆることを言語化をしていかねばならないと改めて感じました。

世間ではアウトプット志向がうたわれています。どちらかというと自己学習と成長の目的で語れていることが多いですが、今自身の考えや方針をアウトプットすべきなのはむしろリーダーの立場にある人ではないかと思います。書くことは考えること、発信することは覚悟することです。筆不精のリーダーはDXの時代では役不足と呼ばれるようになるかもしれません。

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