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マネジャーの時間を守る3+1つの勘所

マネジャーも、自分「自身」の仕事や自分個人の仕事をやり、これをよくやりこなすだろうが、これは当人のアウトプットとはならない。何人かの部下や、自分の影響下にあるグループがいれば、そのマネジャーのアウトプットは、部下、あるいは影響下にある仲間たちが創出するアウトプットで測定しなければならない。
「『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』 第2部 経営管理(マネジメント)はチーム・ゲームである」より

ミドルマネジャーのための不朽の教科書と言える「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」を元に、マネジメント/リーダーシップを考えていく連続投稿シリーズ第3回目です。過去分は以下のマガジンをご覧ください。

今回は「第2部 経営管理(マネジメント)はチーム・ゲームである /3章 経営管理者のテコ作用」です。

マネジャーの成果とはチームの成果そのもの

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本書の根底をなす考え方です。優秀なマネジャーとはチームのアウトプットを最大化させることができるマネジャーであり、優秀な「プレイヤー」とは一線を画します。自分がどれだけプレイングマネジャーとして「プレイヤー」を兼務していたとしても、あくまでもマネジャーの成果はチームの成果で測られるべきものだと著者は主張します。

また特に技術領域を中心にノウハウを集めたり与えたりする知識スペシャリストは、”マネジャー”としての肩書きをもっていなかったとしても、その影響力からマネジャーとして同じ基準で成果を測られるべきだと著者は語っています。

マネジャーのタスクなんて厳密には定義できない

上記の前提に立つと、マネジャーは自身と関連するチームのアウトプットを高めるための諸々は全て自分の仕事だと言えます。逆に約束した成果の障害となるような問題が起こったら、それが何であろうと何とかするのも自分の仕事だということですね。そう考えると、パフォーマンスが落ちてきた部下の身の上相談も、マネジャーの立派なタスクになり得るわけです。

自分の時間を安売りしない

チームを1つの生産工場だとみなした時、チームにおける一番貴重な生産資源は何かを考えてみます。チームで最も優秀なメンバーや、その人にしか任せられない技術をもったエンジニア、または指揮命令や品質管理を担うマネージャー自身かもしれません。実際多くのミドルマネジャーは、自らもプレイヤーだったり(しかも一番タフなコミットメントをもっている)、まだ発展途上のメンバーを抱えそのフォローに追われているのが実情でしょう。多くの場合、マネジャーの時間こそがチームの最重要資源になります。

この時のあるあるとして、プレイヤー時代にガッツ(つまり投下時間)で難局を乗り越えてきたマネジャーほど、マネジャーとしての問題もガッツ(つまり長時間労働)で乗り越えようとしてしまいます。#自戒

ただこれは恐らく、いや殆ど成功しません。もちろんマネジャーというタフな役割をこなすには一定の投下時間は必要にはなりますが、時間だけでは超えられない壁が必ずあります。マネジャーの仕事は意志エネルギーを大きく消費しますが、むしろこの意志エネルギーの枯渇に注意を払わなければならないからです。そういう意味でも、マネジャーは自分の時間を安売りしてはいけません。マネジャーが一番避けなければならいのは、自分がボトルネックになることです。

マネジャーの時間を守る3+1つのポイント

マネジャーとして自分の時間を守るために特に意識すべきだと思うのは以下の3点です。

①これまで以上にNoと言う(特に上司に対して)

思い付きで話を振ってくる上司も多いので、勇気を出してNoを言いましょう。自身も同じ道を通っている上司の場合は、大抵わかってくれます。ただし無駄に関係を悪くするのもよくないので、例えばこの記事のような”上手な断り方”を身に付けておきましょう。

②細切れ時間をうまく束ねる

マネジャーになると多岐に渡る細かいタスクが沢山同時並行的に発生します。マルチスレッドを上手にこなすコツは、一定期間のシングルスレッドを意図的に作ることです。可能な限り細かい時間は集めるようにして、まとまったタスクをこなせる余白時間を意図的に確保するようにしましょう。

③他者への依頼タスクを常に優先する

仕事を荒削りのまま雑にふるのはよくありませんが、ちゃんと整理してから依頼しようと抱え込んでしまい、納期ギリギリに依頼するのはもっと最悪です。結局納期制限から止む無く自分が引き取るということが起こりかねません。

他人にタスクを振るというタスクは常に最優先にしましょう。そして可能な限り余裕をもって依頼しましょう。それが自分のためにも部下のためにもなります。

そして・・・・何より重要なのが睡眠時間の確保です。個人差はありますが、マネジャーになったら(いやならなくても)最低でも6時間以上は確保しましょう。睡眠不足による弊害は判断力の低下など私が言うまでもありませんが、一番大切なポイントである気がします。個人的にこれに尽きます。

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以上、書籍「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」から、マネジャーのアウトプットの考え方と自らの時間を確保するポイントについて考えてみました。

このnoteが皆さまのリーダーシップ向上に貢献できれば幸いです。

(アイキャッチ画像:https://unsplash.com/)

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