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ものづくりが好きなSEがITコンサルになって1年経った感想を素直に書く

お久しぶりです。

 久しく投稿してませんでしたが、今回は年末ということで今年1年の振り返りを兼ねて、こんなタイトルで。


今年は主にSREの推進などの運用改善のコンサルをやってきた私ですが、元々はアーキテクトで、コンサルタントという肩書きで仕事をし始めたのは今年の頭からになります。

いわゆる SEからITコンサルへ というありがちなキャリアなのですが、世の中ではSEからITコンサルの転職はポジティブなイメージで語られることが多いです。
(参考:【徹底解説!】SEからITコンサルタントへの転職。転職理由や必要なスキル・経験も紹介(FORTNA))


しかし、私の経験として、ものづくりやテクノロジーが好きな人からすると必ずしもポジティブな事だけでは無いなぁ…というのも事実。

ということで今回は、ものづくりが好きで、テクノロジーやプロダクトに興味が強い筆者が、ITコンサルという役割で1年仕事をしてみた後の素直な感想を書いてみます。
これからITコンサルをやってみようと考えているSEの方々の参考になれば幸いです。


なお、最初に一言でまとめてしまうと、

「とりあえずものづくりができる場所を確保しておくと吉」

というのがシンプルな結論だったりしますが、細かい話はおいおい。
今回の記事は以下の流れで進めます。

  • そもそも何故ITコンサルをやろうと思ったのか

  • なってみてどう感じたか

  • ITコンサルを経験する意義とはなにか


今までの経歴とITコンサルになった理由

私の経歴を簡単に書くと、

  1. インフラ運用と構築を平行して約6年間業務

  2. そこからちょっと手を広げてアーキテクト、PM、マネージャもやり始めて約11年間業務(去年まで)

  3. ITコンサルにシフトして1年間業務(今年)

という流れでした。


では、17年目に何かが起こってITコンサルになったのかというと、それまでのいろいろな想いの積み重ねの結果、というのが正しいです。

IT業界7年目以降、アーキテクト的な「やりたい方向性は決まっているのでそれをシステムに落としこむ」という仕事が増えたのですが、その頃に、

「そもそも最初の方向性がおかしいのでは(依頼されたものを作っても問題は解決しないのでは)?」

という経験が何度かあり、アーキテクトより上流…となるとコンサルかなという流れに。


つまり、コンサルをやりたくてコンサルになったわけでは無く、物作りをすると言うことを広げていった結果コンサルまでたどり着いた訳です。


どうやってITコンサルになった?

こんな感じです。

ITコンサル業をやっている会社にアーキテクトとして転職

転職後1年半後にコンサルチームのマネージャに相談

「是非うちに」

コンサルチームへ異動してITコンサルロールに

何事も自分で動かないと変わらないということですね。
さて、希望していたITコンサル業を始めたわけですが、実際なってみてどうだったのか? というと…

ITコンサルになった感想

ものづくりができないことがストレス


正直、これが一番大きいです。
(ある程度覚悟はしていましたが)

ITコンサルになるとシステム的な意味でのものづくりの機会はかなり減ります。(ドキュメントは死ぬほど作りますが)
ITコンサルを進めていった過程でPoCをやるなど、何か作る事になった場合はSEのメンバーを呼んできて作ることになります。

この、「ものづくりができない」ということは凄くストレスになりました。

今まではシステムやプロダクトを作ったり、作った物を触ったりすることがある種のストレス解消になっていましたが、これができないわけです。


ものづくりができる場所を確保しておくことが大事

ということで、ものづくりが好きな人はものづくりができる環境をコンサル業務とは別に確保しておくと心の平穏が保てます。

環境確保の方法は人それぞれですが、私の場合は社内向けのクラウド検証環境貸し出しプラットフォームの運営に関わるという形で確保しています。


SEとは違うステージの業務は楽しい

上記のようにストレスもありますが、ITコンサルになったことを後悔してはいません。
全く方向性が何も決まっていない状態から指針を決めて方向を決めていくという業務には新鮮さがあります。

SEの立場だと前工程で色々と決まっている事が多く、「誰が決めたんだこの仕様」という憤りを感じることもありますが、それが無いのはとても快適です。

コンサルティングをする中で新しいテクニックも学べますし、それらを即実践できる環境があるというのも面白いです。

コンサルティングでは上位文書である中期経営計画などからIT施策につなげていくようなことをやることもあるので、SEとは見るドキュメントや視点も変わってきます。

さて、実際にITコンサルとして業務する中で、SEとITコンサルの違いも実感として分かるようになってきました。


経験して感じる、SEとITコンサルの一番の違い

一番の違いは、ITコンサルのカバー範囲はITだけにとどまらない、ということだと考えています。

そもそもどういうゴールにたどり着きたいのか、という部分がふわっとした感じで始まることも多く、案件開始前に案件の概要を聞いた時に想定していた方向に進まない事もあります。

単純にツール導入やシステム開発で解決するような話じゃないよなこれ、という結論に至るのも良くある話。

自分が会社組織の中で仕事をしていく上で経験した、IT以外の部分でどれだけ引き出しがあるかがコンサルの能力につながっているなと感じています。


ITコンサルって楽しい?経験した方がいい?

これについては正直人によると思いますが、ITコンサルを実施する目的が明確なら、一度経験してもよいと感じました。

上述の通り、新しい視点やテクニックを学べるため、ITで課題を解決するジェネラリストになりたいという人には、経験することによるメリットはとても大きいと考えています。


ただし、IT以外の知識や要素を求められるため、純粋にIT技術やプロダクトを触っていたい、ITを突き詰めたいという人には回り道と感じるだろうなぁというのが正直な印象です。

なので、やった方がいいかどうかはその人がどういうキャリアを歩みたいかというところ次第かな、と考えています。

最後に

ちょっと長くなりましたが、SEからITコンサルになって一年間経った感想を素直に書き綴ってみました。

ITコンサルはSEの上級職のように捉えられることも多いですが、私の意見としては同じITの領域の仕事ではあるものの、SEとITコンサルは別物であると理解しています。

これを見てITコンサルをやってみようと思う人、やめておこうと思う人双方いるとは思いますが、何かの参考になれば幸いです。

それでは、また。

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