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ソングライティング・ワークブック 第123週:ブルース形式の拡大(8)

『ブルース形式の拡大』という題で挙げてきた例をもとに、課題を作る。各課題に対して、取っ掛かりのアイデアを出してみる。

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課題92

歌詞も考える。メロディが先でも歌詞が先でもかまわない。練習なのでその時思いついた適当なものでかまわない。意味をなさなくてもいい。メロディもどこかで聞いたことがあるようなものでかまわない。

伴奏楽器を設定する。ひとつの楽器でもかまわないし、複数使ってもよい。コードが弾ける楽器でもいいし、単音しか出ない楽器でもかまわない。弾き語りを想定してもいいし、歌い手と伴奏者を想定してもいい。

伴奏の役割はふたつあって、ひとつは声を支えること。もうひとつはメロディに対してオブリガートを入れることだ。オブリガートはメロディックでもいいし、リズムだけでもいい。

以下、それぞれ取っ掛かりのアイデアの例を示す(歌詞から入る例ばかりになった)。次回それぞれ続きをやる。

1. aa+aa+ba+…のブルース(『Devil Got My Woman』型)

bの和声をどうするか?

(短い前奏)
a 暑い日に青いレモンをかじった(オブリガート)
a 暑い日に青いレモンをかじった(オブリガート)
(短い間奏)
a 組み上げた足場の上で立ってた(オブリガート)
a 組み上げた足場の上で立ってた(オブリガート)
(短い間奏)
b ふらふらふらふらしてんじゃねえよ
a 危ないんだからさあ、気を付けてよ

歌詞の例と構成

2. aab+aab+…型のブルース

(短い前奏)
a 炎天下に黒いスキレットを置いた(オブリガート)
a 炎天下に黒いスキレットを置いた(オブリガート)
b 火を使わないで卵を焼くんだ(オブリガート、あるいはターナラウンド)

歌詞の例と構成

3. 『Tight Like That』 型12小節ブルース(12小節の中でヴァースとリフレインに分かれる)

下の歌詞のアイデアでは、リフレインのリズムは『Tight Like That』に近い感じになるだろう。

(ヴァース)
事案報告
始末書書いて
切腹最中も用意した
(リフレイン)
しくじった
俺としたことが
しくじった
取り返せない
取り戻せない

4. 頭の長いブルース(IVからリフレイン)

3の構成からさらにヴァースを延長する構成。下の歌詞のスケッチでは6小節ないし12小節(オブリガートしだい)になるだろう。

(ヴァース)
頭でっかち
いつもせっかち
落とすハンカチ
沈むトンカチ
消えた付加価値
夢見がち
(リフレイン)
何か考える

5. aab+リフレイン

(ヴァース)
団地の公園にベンチがない
団地の公園にベンチがない
ブランコに座って煙草を吸う
(リフレイン)
ゆらゆら
プカプカ
ゆらゆら
プカプカ

6. 『Tain't Nobody's Biz-ness If I Do』型

雲の柱が立っている
稲妻が見える
雨に遭うだろうか(ここまで8小節)

このまま走って
県境の向こう
雨に遭うだろうか

7. 8小節ヴァース+8小節コーラス

ここからは、ヴォーカルグループを設定する。リードとバッキングに分け、男声4人、女声3人など。コーラスセクションは文字通りバッキング担当が歌うものとする。

(コーラス)
君はたぶん独り者(バッキング)
また映画の話をしているね(リード)
君はたぶん独り者(バッキング)
また映画の話をしているね(リード)

8. 12小節をAセクション(ヴァース)とし、8小節のブリッジを挟んでAABAとする

下の例ではたぶん12小節に収めるのは難しい。言葉をカットする必要があるだろう。

(ヴァース)
東十条の坂をロードバイクで駆け上る(リード)
ユッコさん(バッキング)
どら焼き頬張り演芸場の人混み抜ける(リード)
ユッコさん(バッキング)
出会い道は分かれ道(リード)
分かれ道は出会い道
お地蔵さんと
ユッコさん(バッキング)

9. 7の構成にブリッジを足す

7でできたものをそのまま使う。




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