【自己紹介】プロが習慣として身につけてしまった「作家の思考法・技術」を論理的に解説します
どうもこんにちは。春日康徳です。
僕は大学卒業後、とあるアニメーション制作会社で文芸進行として働き、そこからフリーの作家・脚本家となり、現在に至っております。
最近、作家志望の学生の方、あるいは社会人の方と多く接する機会があり、みなさんそれぞれの悩みを抱えていらっしゃる中で、専門学校やシナリオ教室では以下のように言われるそうです。
「とにかくたくさん本読んで!」
「とにかくたくさん映画観て!」
「お前らの本気をぶつけてこい!(作品書いてこい!)」
授業内容はと言えば、基本的に受講生が作品を書いてきて、その講評を受けるという形が多い。
確かに才能がある志望者は「たくさんエンタメに接し」「たくさんの執筆経験を積む」ことで、自己学習で「作家の技術」を会得することができるかもしれません。
また、呼吸の仕方をロジカルに説明しにくいように、プロが習慣として身につけてしまった「作家の思考法」「作家の技術」を改めて言語化することは確かに難しいのかもしれません。
とはいえ、専門学校やシナリオ教室は受講生からお金をもらっているので何とかして欲しいとは思いますが……。
だから、上記のように「自分で気づけ」「作家の技術を盗め」という感覚的な授業、あるいは「気づき」を促す機会を与える、という形態にならざるを得ないというのが現状のようです。
そこで!! この連載です。
この連載では、さまざま小説・マンガ作品から「論理的に作家の技術を説明」し、作家の技術を「知識」として身につけていただきます。
「知識として身につけた」「論理的な思考」があれば、再現性があります。
つまり、プロと同じようにある一定のクオリティを担保した作品作りが可能になるのです!!
※
──ここで僕が作家になった経緯をお話させてください。
僕は日本大学芸術学部という、医大の次にお金がかかる大学で脚本の勉強をしました。
4年目には特待生にも選ばれ、在学中は真面目に真面目に脚本をたくさん書き、古典や最新の小説を読み、研鑽を重ねました。
ところが……。
大学を卒業した僕は、ニートになっていました!!
就職活動をする、ということを知らなかったのです。(それもどうかと今では思いますが)
一生懸命、シナリオの勉強をして、特待生にも選ばれたのに、無職。
そうです。
シナリオライターになるためには実は作家の技術より以前にコミュニケーション能力(社会性)や人脈づくりが重要だったのです!
そこから僕はニート生活をしながら、自己学習で小説やシナリオの公募に挑戦するようになります。
毎月、何かしかの公募があります。
なので多い月で2作品、少なくとも毎月、応募しましたが……。
全滅でした……ッ!
自己学習ではいけない──。
そこで僕はとあるシナリオ学校に通う決意を固めました。
毎週の課題をこなし、アルバイトしながら作家の勉強をして……。
そうして僕は、第6回アニマックス大賞で小説部門の佳作を受賞。
逗子湘南ロケーション映画祭でも中編の部・大賞を勝ち取りました。
どうだ、オレの才能が認められたぞ! と、もう天狗状態です(笑)。
「おもしろそうな作家志望者がいる」
とあるアニメ制作会社の就職の紹介を受け、僕は文芸スタッフとして働くようになりました。
一度は挫折した、脚本家デビュー!!
……そのはずが、待っていたのは衝撃の展開でした。
「脚本家が100人いてもアニメは作れない。だからお前は辞めろ」
「ええーーーっ!?」
大学4年間。
自己学習のニート懸賞生活2年間。
この6年間の間に僕はアニメーションの作り方はおろか、業界のこともまったく勉強しておらず、使い物にならなかったのです。
6年間──必死にシナリオの勉強をしてきたはずなのに、それはただの自己満足で、本来、必要とされることを僕は学んでこなかった。
恐ろしいことに、大学でもシナリオ学校でも誰もそのことを教えてくれませんでした。
なので、この連載ではそんな僕がムダにしてしてしまった時間を短縮して、作家としてデビューできるような即戦力としての「作家の技術」をご紹介していきます。
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