見出し画像

ヨーロッパの街並みを歩く旅#6 <2日目> フランス革命記念日 ④

 公園を抜け、道路に出ました。歩道の広い短い橋があってその下に高速道路が通っていました。その橋を渡ると「carrefour」というとても大きなスーパーマーケットがあったので、そこで夕食を買うことにしました。中はとても広く、いろんな種類の商品が置いてありました。オランダにはあまりなかったサイズの大型スーパーでした。パンのコーナーにはたくさんのパンがありました。フランスなのでフランスパンや固めのラスクのようなパンがたくさんありました。どれもおいしそうでしたが、他の商品も見てみることにしました。冷蔵庫にサンドイッチがあったので、大きめのサンドイッチを夕食にすることにしました。昨日食べたのがあまりおいしくなかったので、それとは違うものを選びました。ドリンクコーナーを見ているとジュースを飲みたくなってきました。せっかくフランスに来たのでここはオランジーナを買うことにしました。キンキンに冷えていました。暑かったのでアイスクリームとかも食べたかったのですが、まだまだ暑い中での旅は続くのでここでは我慢しました。
 レジはセルフレジでした。会計が終わって店を出てすぐにオランジーナを開けて一口喉に流し込みました。一日中歩き疲れていた体にビタミンCがしみわたりました。パリでオランジーナを飲みながら歩く私の頭の中では「オー・シャンゼリゼ」が流れていました。酸っぱさが癖になって、大事に飲もうとしてたのですが、気が付いたらほとんど飲み終わっていました。
 朝のインドネシア人Broと夕方落ち合ってエッフェル塔に行く予定になっていたのでとりあえずエッフェル塔の方向に進んだところに公園があったのでそこで、休憩してさっきのサンドイッチを食べることにしました。サントペリーヌ公園という公園でした。モリトール通りをまっすぐ進んで突き当たったところに病院がありその裏側に公園があったので回り込みました。疲れていたのでどうにか病院を突っ切りたかったのですが不可能でした。
 さっきまでの公園ほどの規模ではないですが、「ちょっと広めの近所の公園」といったような大きさの割に、意外にも入り口が建物と建物の間の狭い道しかありませんでした。
 きれいな公園で子どもたちがたくさん遊んでいました。公園の作りや遊具に高い芸術性を感じました。周りを囲う建物は集合住宅のようで、そこの子どもたちが遊びに来ているのだろうと想像しました。

 段になっている所に腰を掛けてぼーっとしていると、遊んでいる子どもたちの中から一度だけ日本語が聞こえました。何と言ったかは覚えていませんが聞き間違いではなかったと思います。観光地でもないこんな場所で聴くとは思っていなかったのでびっくりしました。しかし聞こえたのはその一回だけでした。
 子どもを見守る大人やお年寄りもベンチなどに座って休憩していました。のどかな空気が流れていました。私はさっき買ったサンドイッチを食べました。お腹が減っていたのですぐに食べ終わりました。今考えると、あれだけ歩いておいて一日に食べる食事の量がかなり少なかったと思います。
 お腹が満たされた私はしばらくそこで座っていました。

 日差しが少しだけ弱くなったころ、私は再び立ち上がり、エッフェル塔の近くへ向かい始めました。Googleマップによると、公園の向こう側を少し行ったところにセーヌ川があり、川に沿って進んだところの反対岸にエッフェル塔がありました。そこでできる限り川に沿って進んでみることにしました。川の方に出るとすぐにエッフェル塔が見えました。

 川の向こう側はこれまで見てきた古いヨーロッパの建物ではなく、現代風のビルが立ち並んでいました。当たり前ですが、外国人が思い描く東京のイメージと日本人の東京のイメージが違うように、私たちが持つパリのイメージは観光客が行くところのイメージで、ここに住んでいるフランス人たちのパリはフランスの首都でオフィスなどが立ち並ぶの大都市のイメージなんだろうなと思いました。パリで働いて生活する人が想像できました。
 川沿いの道をずっと進み、橋をくぐった向こう側に自由の女神像がありました。ニューヨークにあるものはフランスから贈られたものだという事は知っていましたが、パリにもあることは知りませんでした。セーヌ川のど真ん中にそれを設置するためだけにできたような島がありました。自由の女神とエッフェル塔が同時に見える映えスポットでした。

自由の女神とエッフェル塔

 自由の女神のある島に何人か人がいたので、自分も行ってみようと思いましたが、どうやら船に乗って川から行く以外の方法はなさそうなので諦めました。 
 エッフェル塔に近づくにつれ、立ち止まって写真を撮る人や、花火のための場所取りをしている人が増えてきました。すると、急にエッフェル塔がキラキラと光り始めました。まだまだ明るいのにもうライトアップが始まったのかと思いました。そうかと思えばいきなり消えて元の状態に戻りました。私が川のそばを歩いている間、5分から10分ごとにその現象が繰り返されました。

 橋の下まで歩いて、その橋からエッフェル塔がある向こう側へ渡るたかったのですが、通行止めになっており、そこから渡ることはできませんでした。そのため、エッフェル塔からちょうど真横の端の先にある、トロカデロ庭園に行き、そこから渡ろうとしました。いったん川のそばから離れ、内側に入りましたが、ラウンドアバウトがあるところへ出ましたが、その先は交通規制がかかっており、庭園にはたどり着けそうにありませんでした。私Hの他にも同じように予想外の交通規制に混乱している人がたくさんいました。中には警官と口論になっている人や、無理やりくぐり抜けようとする人も居ました。そこでインドネシア人Broに連絡しました。What'sAppで事情を伝えようとすると、電話がかかってきました。私は英語での電話は得意ではなく、周りにも人がたくさんいて騒がしかったので、あまり声が聞き取れませんでした。電話は諦め、メッセージでやり取りすることにしました。驚いたことに彼はもうすでにエッフェル塔のそばまでついていました。私もとりあえず川の方まで戻ろうとしました。正直ここまでくると、もう別に一緒に見なくてもいいかなとも思いました。川に戻る途中に建物と建物の間に細い階段があり、そこを降りてみました。普段だったらほとんどひと気がなさそうな階段でしたが、何人か同じように降りている人がいて、途中上ってくる人ともすれ違いました。こういう細いヨーロッパの路地裏の道はワクワクします。広い道に出て坂道を下り、通行止めを避けながら川のそばに戻ってきました。

通行止めの様子

 川のそばに戻ってくると、さっきよりさらに人が増えて座ってエッフェル塔の花火を待っている人がたくさんいました。塔のそばにたどり着くのはもとんど諦めていたので、私も座ってみることにしました。しかし、人が多すぎて座る場所を探すのも一苦労でした。何とかいい感じに両脇に人がいないスペースを見つけ、座りました。周りの人は友達や恋人同士で来ている人たちばかりで誰も一人では見に来ていませんでした。川にはクルーズ船があり、中でパーティーが行われそうな雰囲気でした。お祭りのようなみんなワクワクした雰囲気でした。一人で花火を見に来る悲しいアジア人だと思われているんだろうな、と想像すると居心地が悪くなりました。せめてインドネシアBroが来ないかなと思いましたが、向こうも人ごみになっていて、身動きが取れないようです。次第に私の両端にあったスペースにも人が座りました。みんなビールやスナックを飲み食いしながら見ていて、私には水しかなかったので、本当にうらやましかったです。
 次第に周りが暗くなってきて、ライトアップも本格的に始まりました。

                                  To be continued…

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?