J1-2021の雑観③

どうもJリーグ雑観シリーズ続編です。



8位の福岡です。1桁順位で15勝11分12敗という成績は開幕前に降格候補だったことから辺りを踏まえると相当な評価です。5年ごとにj1に昇格するというジンクスで昨年守備力をベースに昇格してきましたが増山や松本泰、セランテス、上島、遠藤大、菊池らが移籍し、流石にまた落ちるのでは?と思っていました。しかし志知、奈良、渡、金森、ブルーノ、サロモンソン、宮といったj1経験のある選手とマリ、クルークス、カウエ、杉本、吉岡、中村駿らの発掘補強でうまくそのピンチを脱した印象です。神戸の引き抜き説もある長谷部監督の続投が決まっていますから22年度もまずは残留をというシーズンでいいと思います。課題としては得点力です。成績を維持するには勝ち切る試合を増やさなければなりませんから。





9位はFC東京です。15勝8分15敗でここから下のクラブは勝ちより負けの方が多くなりますからギリギリ合格のラインでしょう。ただ首都のクラブにも関わらずいまだリーグ戦を一度もとっていないあたり。元セレソンのブルーノウヴィニ、浦和からは青木拓、シーズン途中には長友の凱旋もありましたが、SB陣に相次いでケガ人が出てきてしまい。内田や蓮川ら本職ではない選手を起用する羽目に。長友以外も秋田から鈴木準、来季加入の大学生の岡庭と3名を獲得し凌ぐような状況。二人の中村やバングナらが成長するならまだしも、唯一のレギュラー小川諒がいるにも関わらず、ポジションの重なるOBのベテラン長友をとるという強化は疑問とならざるを得ません。経営がmixiに移り、新潟でモダンなサッカーをみせたオルトネダ監督が就任しますので川崎や浦和のようなピッチ内外で健全なクラブとなる事が望まれます。

*強力な3トップの外国人頼みというのは相変わらずで長谷川監督の手腕に疑問がでてもおかしくはない内容です。清水では経験がなく若手を使うしかなかったと思いますが、ガンバでも自ら選手や戦術を仕込んだという監督ではなかったのでその辺りは代表監督にならなくてよかったと思ったりもします。









10位は札幌でした。14勝9分15敗という成績でした。資金が潤沢ではないので他クラブで燻ぶる選手と下部組織や新卒の選手での補強となるのは仕方のない所ですが、それでもミシャ監督と野々村社長中心とした一貫性のある強化策で残留をしっかりと果たしたという印象です。進藤や中野嘉、白井の移籍も岡村大や柳、青木亮など新たな選手の発掘と金子拓や小柏らのブレイクで埋めてきた辺りは流石といったところでしょう。オフの動きは堅実であると思いますが、高みを目指してというよりは先ずは残留、それも早めに決めるというスタンスで臨むだろうと思います。アンデルソンの穴も埋まっておらず、ジェイも引退。ドウグラスやガブリエル、トゥチッチら確固たる得点源となっていない状況が改善されないなら22年度も苦戦するかもしれません。







11位は広島です。12勝13分13敗という内容です。17年から続く城福体制ですが343を主とする伝統スタイルを打ち破れず。Jサントスを中心とした攻撃陣が(同選手の7点が最多得点)に不発に終わり。DF陣の世代交代も狙ってか今津や住吉Jを補強するも主力の刺激とはなりきらずの印象に終わりました。藤井は活躍するも、長沼や松本泰、塩谷ら復帰組が骨組みとなれなかったのが更に痛手となり中位に終わってしまいました。各ポジションに既に戦力がある程度いるのも事実ですから新監督のスキッベ氏が上手くチーム作りをできればこの順位は簡単に超える事はできるはずです。オフの補強は欧州の選手を中心に動いているようですが広島は元来欧州路線で北欧、東欧などから監督、コーチ、選手を補強していますから的外れな動きではなさそうです。









12位はセレッソでした。13勝9分16敗という成績でした。ロティーナ体制からクルピ体制になりましたが、前監督の時代にDF組織を築き、守備力はあったので得失点でも通年で-4とそこまで悪くない内容でした。ただ攻撃力の向上を狙った4度目のクルピの招聘も前任時代に培ったポジショナルプレー的な攻守に主体性のある要素を食いつぶしたようにも見えバランスも悪くなってしまいました。ACLに出場した為日程的にもハードになったこと、瀬古以外のCB(チアゴ、進藤、鳥海)が軒並みケガなどで離脱し、ダンクレーの緊急補強と西尾を抜擢せざる得ない状況で凌ぐも、そのせいか大久保、ダガート、加藤陸らCFまで得点が少なく、途中から凱旋加入した乾が入っても状況が改善したとは言えないものとなりました。コーチから昇格し、途中から指揮をとった叩き上げキャリアの小菊監督の下、ロティーナ体制のよかった面を取り戻しルヴァンは準優勝できました。ボール奪取から即座に奪い返されるのがその頃から課題として残ってますので改善は必要ですが戦力的に各ポジションいい選手はいますので1桁順位を先ずは再度目指すのが現実的でしょう。



ここまで感想を述べたクラブはそれでも残留争いの危機からは逃れていますから悲観的になる必要はなさそうですが、中位のクラブのサッカーのレベルアップは優勝クラブの更なるレベルアップになりますから質の向上は追及して欲しいですね。

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