J1-2021の雑観⑤


ここからは22年度j2で戦う事となってしまった4クラブです。





17位の徳島です。10勝6分22敗。14年度初j1挑戦の時は3勝5分16敗で僅か勝ち点14点しかとれませんでしたので、同じ昇格でも結果・内容は劇的に改善。継続的にj1で勝ち点を取る為、ロドリゲス監督を招聘しJ2で魅力的でモダンなチームとなり再度J1挑戦をしましたが同監督が浦和に引き抜かれてしまったのが最大のマイナス。代わりになるだろうと招聘したポヤトス監督もコロナ禍で合流が遅れる事に。3連敗こそあったが合流までの10節までに前回昇格した時の14点という勝ち点はとっており、4連敗や6連敗もあったが連勝を繰り返すこともできていただけに決して昇格したチームの定石でもあるような引いてカウンターがメイン戦術というような形ではなく、ロドリゲス時代からの継続性もありました。夏に加入したバケンガや一美らは、垣田、宮代に負担のかかっていた得点力を延ばすキッカケになればという算段で途中加入も数字は残せず。ただ藤田ジョエルや宮代のような世代別の選手で争奪戦となるような格の選手がくるようになったのも魅力的なサッカーを行っているからでポヤトス監督の手綱と強化策の継続性があれば近々またj1に戻ってくるような予想ができます。1,2年でのj1復帰を期待したいです。

















18位は大分でした。9勝8分21敗で得失点差もマイナス24。最終節を待たずして降格してしまいました。5節から11節の7連敗が痛いところですが1点、2点での負けが多い為、それが引き分けになっているだけで残留ギリギリの清水、柏、ガンバなどとは並ぶこともできただけに最後まで得点力の確保が課題となった印象でした。j1に昇格してから毎年オフは引き抜きに合うのをどう埋めるかに苦心してきましたが、数名ではなく岩田、鈴木義、田中達、小塚、渡、知念(レンタルバック)と大勢が移籍してしまうと流石に埋められなかったかという状況でした。とはいえ片野坂監督が疑似カウンター、カタノサッカーなど言われるような自ら主体性、主導権を握ろうとするスタイルは資金力が潤沢でない大分にとっては生命線であり選手が入れ替わってもスタイルは維持されてました。川崎を天皇杯準決勝で破り決勝まで行ったことはシーズン通年で戦術の多様性を選手たちが身に着けたからで自信となるでしょう。監督こそ変わりますがモダンサッカーのトレンドに乗っ取ったやり方は維持するようで上手くそれがハマればJ1に戻ってくる日も遠くないでしょう。















19位の仙台は5勝13分20敗でした。得失点もマイナス31です。かつてクラブ史上最高での成績に導いたこともある手倉森監督が再就任しましたが、2節から6連敗し、勝って(引き分けも多い)は負けるを繰り返し、安定して勝ち点を稼いだのは5月のみという状況。戦い方がちぐはぐで残留すらできるわけありません。また開幕前の補強も資金力がないのは前提ですがj1及びj2・j3で通年、継続的に活躍したことのない選手がほとんどした。助っ人選手の発掘も実績に乏しい選手ばかりで、ジャーメイン、椎橋、柳などの移籍した若手のような伸びしろのある選手すら移籍してしまい、マルティノス、クエンカ、マテらも途中で移籍・退団。その穴埋めすら満足にない状況ではいくらモチベーター型の監督でも残留するに足りる勝ち点の確保はできなかったろうと思います。クラブを知っている原崎氏コーチの昇格でJ2へ再び挑みますがトップカテゴリー監督経験のない人物がいきなり魅力的なクラブにできるとは思えませんのでしばらくはj2が主戦場となるのではないでしょうか。








20位の横浜FCは6勝8分24敗で2試合残しての降格決定でした。07年の初j1の時は4勝4分26敗でしたから少し成績は良くなっていますが、降格となった要員をしっかり分析し、改善できていないのが目に見えて明らかでした。そもそも前年20年度の残留もコロナ禍で降格チームがいないという特例もあっての言わば他のシーズンよりプレッシャーが少ない状況。それでも積極的に若い選手を起用した下平氏の采配もあり、2度目のj1で34点の勝点を稼ぎました。評価すべきは監督の能力と選手の頑張りという要素にも関わらず、彼らをバックアップする体制がオフにできなかったのが大きいです。夏に行った助っ人大量補強がせめて半年早ければ成績は違ったかもしれません。前回昇格時には元代表選手の久保竜、奥、山田(彼らですら30歳前後)らや、カズや城、山口素、小村らベテラン勢(すでにこの頃30代後半の選手がほとんど)、既存の内田、菅野ら生え抜き組らがかみ合い切らず降格しました。平均年齢の高いメンバーで1部リーグを戦い抜くのは不可能に近いというのを肌で感じているはずなのです。それにも関わらず高橋秀、クレーベ、渡辺千、伊藤翔、六反(完全移籍)などの補強を行い予想はできましたが高橋以外の選手はシーズンの半分も試合にスタメンで出ていません。一美や斉藤光ら疲労のリカバリーが早い有望な若手が移籍したのを埋められずだったのも徳島などと比べてもマイナスの評価をせざるえない要因でした。監督も解任し、ユースからトップでの指揮を執ったことのない早川監督に交代。さらに夏に20代中盤の働ける5人の外国人を補強しました。特にサウロ、ブローダーゼン、ガブリエルは大きな戦力となりましたが、シーズンが半分終わって既に14敗の状況を経験のない人物が改善できるわけもない為、戦前の予想通り降格をしました。このオフはカズの移籍やそれに対する発言への抗議などスポーツ面以外で注目を集めており、経営陣も1年でのj1復帰を目指すと発言していますが主となる継続的な強化や20代選手を主とする健全な競争を生む編成などがないのならj1に残り続けるのは不可能でしょう。大粛清をしてでもベテラン勢を切っていかなければ万が一昇格しても2度ある事は3度あるになってしまうと思います。ビッグクラブでないなら身の丈にあった経営・運営をして数年かかってでもJ1に残れる計画を経てるべきです。

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