そこまでする?北京大学に入るために逆に日本に留学する中国人。実は超お得(26倍)な早稲田・慶應のダブルディグリー プログラム
以前、noteで中国でバズっていた次の写真を紹介したことがある。
生まれたての赤ん坊の上には、中国におけるセンター試験(大学受験テスト)である「高考」まで、残り6574日と書いてある。
中国において「高考」(つまりどの大学に進学するか)は人生を左右する大イベントなのだ。
そして、その中でも最高の大学は、北京大学である。
(李克強国務院総理(首相)など多く政治家や経営者などが卒業している)
ここに進学できれば将来安泰だ。
(実際、そうでもないという熾烈な競争が繰り広げられている。しかし、まあ大学の時点では最高といえる)
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私の母校でもある早稲田大学には、在学中に1年北京大学に留学すれば、早稲田大学と北京大学の学士の学位を両方取得できるというプログラムがある。(慶應大学にも同様のプログラムがあるようだ)
これのすごいところは、「一年間北京大学に留学してた」ではなく、卒業学位をもらえるので「北京大学を卒業しました」と堂々と主張できることだ。
ただ、その分、留学中は北京大学の学生と同様の授業をよい成績でパスする要があるので難易度は高め。
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先日ある40代の中国人女性に聞いた話を紹介したい。
自分の子供(中国人)を日本の早稲田大学に留学させて、ダブルディグリーで北京大学に留学させようと計画しているという。
なぜそんなことをするのか。
それは、北京大学に入ることを考えると大変コスパがいいからだ。
そんなにコスパがいいのか?
考えてみよう。
あるサイトで、北京大学に入る難しさを、1学年の人数を同年齢の人口で割った数字で比較している。
東大が0.3%の狭き門となっているが、なんと、北京大学は、0.017%とそのさらに18分の1程度の極狭なのである。(同年齢2100万人て…)
東大:3,500÷1,171,800=0.30%
北京大学:3644÷21,069,060=0.017%
おそらく早稲田のダブルディグリープログラムに合格することのほうが、上記の0.017%に比べて圧倒的に簡単だ。
私も友人でこのプログラムを卒業している友人が何人かいる。たしかに中国語レベルも成績も優秀だが、0.017%の競争をくぐり抜けたレベルといえば、そこまでの突き抜けは必要ないように思える。
仮にざっくりと、東大に入るのが早稲田ダブルディグリーに合格することより1.5倍難しいと想定したら、早稲田に入るのは北京大学の競争の26分の1になる。
「名門早稲田大学へ留学をする」ではなく、それはただ「北京大学」の手段にすぎない、というのが卒業生としてはちょっと悲しいが、言っていることは理解できる。
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前にも述べた「内卷」状態にある中国。
子供がよい人生を送るには学歴が重視され、親たちはその目標達成のためには何でもやる。
個人的に、日本人にとってもこれはあまり知られていないことだと思う。
日本にいながら、早稲田に進学してダブルディグリーを目指すという道は、北京大学に直接行くよりも26倍楽にいける。
2021年アジアの大学ランキングで2位の北京大学(東大は6位で、早慶は、もはや記事に書かれていない)の学位を取れるダブルディグリー・プログラムは大変効率のよい自己投資だと思える。