”基本法則を安易に疑ってはいけない”読書note85「すごい宇宙講義」多田将
素粒子の専門家が分かりやすく宇宙を解説してくれる本です。本当に分かりやすい。こんな風に説明できるって、本当に頭がいいんだなと感心します。まさに、素粒子物理界の池上彰みたいです!
分かりやすい表現に加えて、イラストがまた秀逸ですごかった。
宇宙の深淵に触れることのできる素晴らしい本です。一度手に取ってみて欲しい。
ニュートリノが提唱された時のこと。中性子が単独でいると自然に壊れて、陽子と電子に変わるが、その際に、わずかにエネルギーが消滅する現象が起こった。「素粒子のような小さな世界ではエネルギー保存の法則は成り立たないのでは?」という議論が起こったが、かのパウリは、「エネルギー保存則のような基本法則を安易に疑ってはならない」と警告し、まだ見つかっていない粒子があるはずと予言した。その結果、26年後にニュートリノが見つかったらしい。
僕らも、この業界はこの領域は特別だから、と勝手に線を引いて、物事を歪めて解釈して安心してしまうことが多い。常に基本を信じて、取り組んでいくことが必要なのかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?