夏のおわり。
大切なのは自分がどう生きたいのか?それだけだ。
少し先にいる彼は、必死に拳を突き出していた。
まるで何か、未来でも獲りに行くように。
右頬に夏の西日が照りつける。だらだらと汗を流しているからだろうか、スポットライトが当たるようにやけに眩しい姿が見えた。
ボクサーだ。
ありとあらゆるものがデジタル化されていくこの時代。
情報が溢れ、”他人の時間が自分の時間”を支配しようと迫ってくる。
そんな時代でも、彼らは自分の時間を生きている。
昔と変わらないスタイルで前に進んでいき、世界を獲る。
シンプルだ。
「お前も”自分の時間”を生きろよ」
そう言われている気がした。
夏の終わり、溢れる情報に息が詰まりそうになっていた。
森で鳴くひぐらし、太陽は沈んでいき、ボクサーは遥か遠くに。
「自分の時間、か」
風が吹き、汗のにおいがふわりと香る。すがすがしさの中に少しだけ、未来の匂いがした。
あなたは今、自分の時間を生きることができていますか?
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