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男性用サウナに“女性”がいた話


サ活が好きで、それは目の保養ではない話

僕はサウナが好きで、一時期は週に何度か“サ活”をしていた。

ゲイの人の中には、目の保養と称して、半分いかがわしい目的でスパ銭に行く人もいる。
が、それと混同してもらっては大変困る。
僕のサ活は純粋なサ活。
男性の裸を見るためではなく、よく言う“整う”という感覚が大好きなのだ。

ノンケ(ストレートの男性)の中には「ゲイが男風呂に入るのは、俺らがこっそり女風呂に入ることができるようなものだろう?うらやましい」と言ってくる輩がいるが、多分“目の保養”と話しているゲイの人にとってもそこまで刺激的なものではないと思う。
今まで散々男子トイレを使い、男子更衣室を使い、男の裸なんかさして珍しくも何ともないからだ。

たまにタイプの体型の男性を見ると、“目の保養”となるのではないだろうか?
僕はそこまで男性の体型にこだわりはないし、四六時中そんなスケベなことを考えているわけではない。
ゲイの友達から、何やら誤解をされ、冷やかされることもあるが、僕のサ活と“目の保養”を一緒にされては困る。

一時期はサウナハットの購入まで検討した(買ってないけど)なかなかのサウナ好きだ。

去年大阪市に舞い戻る形で引っ越してきた家の近所に全国でも有名な高温サウナがある。
なかなかの高温で、短時間でも十分整うことができる気がする。
一時期、どハマりして毎日のように通っていたが、最近ではめっきり足が遠のいている。
なぜならすごく混んでいて、コロナの影響もあり、人数制限が設けられ、入るのに数十分待つことも多かったからだ。
僕も忙しい現代人。
そんなに毎日待たされては、せっかくのサ活もゆっくりできない。
かといって、近所に有名なサウナがあるのに、わざわざ遠くまで出向いてサウナに入るのも、なんだか悔しくて、サウナ自体から足が遠のいている。

だいぶ本題から話が逸れたが、近所にある高温サウナとは別に、以前大阪市内のとある人気スパ銭のサウナを気に入って頻繁に通っていた。

ロウリュウが好きで、時間をチェックして最高のコンディションで熱風を浴びれるようタイミングを調整したりして入っていた。

サウナ(7分~10分以上)→水風呂(1分~2分)→外気浴(10分)
これを1セットとして、4~5セット、時間があるときはもう何セットか行ったりする。

するとどうだろう。
視力が良くなり、頭の中のごちゃごちゃした雑念が一層され、クリアになりいい感じで身体が軽くなる。
スッキリ整いリラックスできるのだ。
しかも肌ツヤまで良くなるという特典付き。

以前、ゲイのとある知人に「最近肌ツヤが良いけど、男でもできたの?」と茶化されたことがあったが、あいにく当時の僕はシングル。
恋人はサウナだった。

男性用サウナに女性がいた話

ある日、僕はいつものようにロウリュウの時間をチェックし、最高のタイミングで熱風を浴びることに成功。
「今日も整いました。熱波師さん、今日も良い熱風をありがとうございました。」
そう思い席を立とうとすると、どうも見慣れぬ光景が僕の左側の視界入ってきた。

胸からバスタオルを巻いた人物が隣に座っているではないか。
普通男性は、胸からタオルを巻いてサウナに入ったりしない。

ロウリュウに夢中すぎて気が付かなかったが何事かと思い、左側を向くと、そこにどういうわけか女性が座っている。
驚いて二度見をするが、やはり女性だ。
胸からバスタオルを巻き、左右から押し寄せられた乳房が谷間を作っていた。
グラマラスなボディラインに長い髪はタオルでまとめられ、爪には綺麗なラメがキラキラと眩しいぐらいに光っている。

僕は雑に股間をタオルで隠していただけの姿で隣に座っていたことに気が付き、とても恥ずかしく感じた。

ゲイであることと関係があるのか、スパ銭で女性の従業員が男風呂に入ってくるのも少し抵抗がある。なのに隣には女性性の塊のような人が座っていたのだ。
そのことに気が付きとても恥ずかった。
でもおかしい。ここは男風呂。
なぜここに叶姉妹の妹のようなグラマラスな女性が?
と不思議に思っていると、彼女が組んでいた脚を組み替えた。
そのとき見るつもりはなかったが、見てはいけないものが目に飛び込んできた。

彼女は性転換をする前のMtF(身体は男性だが性自認が女性)だったのだろう。

不思議な状況について納得はしたが、彼女は男湯に入るべきだったのだろうか。

LGBT理解増進法をめぐる“男湯”“女湯”問題

昨今、LGBT理解増進法が話題となり、少し前SNS上で
「わいせつな目的で男性が“私の性自認は女だ”と訴え女湯や女性トイレに入ってくる可能性がある」
と訴える人たちがこの法案に反対の意を唱えた。
とある有名女優もこの法案についての懸念に近いことをツイートし、炎上。その後謝罪する自体となる出来事があった。

僕はこの“男が女湯に”問題については賛同しかねる。
仮にLGBT理解増進法が可決されたからと言って、性自認という目に見えないものを理由に、スケベ男が女湯に入って来ることは有り得ないからだ。

性自認と性別は別だ。
性自認がどうであれ、周りから男性に見えたら男湯、女性に見えたら女湯で良いのではないだろうか。

例えば男性から女性に移行中の人で、望む性として扱ってもらえない可能性のあるMtFの場合、多くはそもそも銭湯に行かないだろう。

僕には何人かMtFの友人がいたが、性別を移行している段階では、トイレすらも男性用に入るか女性用に入るか迷うらしく、障害者用トイレに入ったりすることもしばしばだと話していた。

とにかく、MtFのほとんどの人が、周りの目を気にしながら、迷惑にならないように、配慮しながら日々を過ごしている。

だから、例えば青髭の男が「私は女だ」と言って女性用トイレや女湯に入って来ることはほぼないだろう。
もしそういう人がいれば、つまみ出して差支えないし、ほかの女性に対してあまりに配慮がないだろう。

多分、ほとんどのMtFの人が同意してくれると思うのだが、服を着た状態で女性にしか見えないのであれば、女性用トイレを使うべきだろう。
もしそんな人が男性用トイレに入ってきたら、僕はぎょっとしてしまうだろう。

中性的でどちらとも言えないのであれば、元の性別のトイレを使うべきなのではないだろうか。

銭湯に関してMtFの人で身体の性を移行中の場合は、性器が男性で、乳房があるなどその他の部分については女性的な時期もあるだろう。
僕のMtFの友達は死ぬ気で股間を隠して女湯に入っていたらしいが、そこまでして銭湯に行かなくてはならない事情がないのであれば、行かない方が無難なのかもしれない。

僕自身、トランスジェンダーの当事者でもないのに、こんなことを書くのはおこがましい気もする。
が、今の世の中の状況や以前お付き合いのあった、MtFの友達の意見などを総合すると、上記のような形になるかと思う。

LGBT理解増進法について、青髭の男性が「私は女だ」と言って女湯や女性用トイレに入って来るかもしれないという説は、僕にはどうも腑に落ちない。
ただ単に身近にいないから、関わりたくないし恐ろしいというイメージが先行しているだけのような気がするのだ。

でももうこの社会の中で僕たちは彼ら彼女たちと一緒に暮らしてる。
当事者の人がもっと住みやすくなる社会になることを切に願っている。

結局

結局、あのスパ銭にいたMtFの彼女がなぜ男湯に入る事態に至ったのか?
分からないままであるが、きっと彼女も不本意だったろうし、周りの男性も気まずさを感じていたのではないだろうか。

かと言って、女湯に入り、もし仮に男性器がほかの女性客に見えてしまったら、それはそれで問題なのだろうか。
そこは僕が女性ではないので何とも言い難い。
もし逆にFtMで性器以外男性の客が男湯に入ってきたとして、僕自身さして抵抗はない。

ブログに書いておいて今さら何を言うんだと突っ込まれそうだが、何となく気が引けて周りの人たちにあまりこの話はしたことがないが、皆様はどう考えるだろうか。

最後に

トランスジェンダー当事者の声をYouTubeなどで観ることもできます。
もし興味があったらご覧ください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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それでは、また。

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