002 こってり胡麻冷や麦

蒸し蒸しする。
あまり冷たい食べ物を好まないわたしでも、ツルッと冷たい麺に想いをはせてしまう。

実家では冷や麦よりはそうめんで、そうめんは常に単品で食べる夏のさっぱり手抜き料理だった。
大人になってからそうめんに天ぷらを合わせるご家庭が多くあると知り、恐怖でしかない。
グラグラと大鍋でお湯を沸かすのでさえ暑くてうんざりなのに、その横で揚げ物をするなんて…！
そんな甲斐性はないです、と思ってしまうが甲斐性ってなんだ。

そうめん＆めんつゆ一辺倒の実家時代から、麺は夫の好みで冷や麦になった。
めんつゆに少しメープルシロップで甘味を足した濃いめの汁に、練りわさびを内側にくるっと巻き込んだ麺を浸して、きりっとしょっぱく、スーッとわさびの香りが鼻に抜けるのが好き。

ここ数年は、豆乳胡麻だれも気に入っている。
濃縮めんつゆを豆乳で割って、ごま油を気持ち多めに入れ、すりごまとミョウガをたっぷり。
ごま油のこってり感がいい。

麺は、水で締めながら細かくちぎったシソをたっぷり混ぜる。
最後までシソが配分良く行き渡るのでお気に入り。
ひとすくい分ずつ、半分に折って盛り付ける。

最近は高タンパク食に目覚めているため、付け合わせも添える。
炒めて塩コショウだけで味付けた豚ロース（冷凍肉をむりやり炒めて細切れになった）、3個分の炒り卵に、さっぱりきゅうりの細切り。
卵3個をひとりで食べるのが最近の日課。

（多いけど、一人前）

炒めた豚肉に粗めの塩とコショウをガリガリするだけで食べるのにはまっている。
シンプルでおいしい。
塩がおいしくて、夏だ。