私の好きな映画
こんにちは、
すきな映画を白状するのは自分の本質を覗かれるようで、少し恥ずかしいですが。
私の心を揺さぶった映画を紹介させてください。
『サーミの血 / SAMI BLOOD』
監督・脚本:アマンダ・シェーネ
上映:2016年、スウェーデン・ノルウェー・デンマークの映画
“サーミ”というのはノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの北部に分布し、トナカイと共に生活する遊牧民族のこと。
分布図下記参照:https://www.uplink.co.jp/sami/#vod
この映画は、サーミとして生まれた1人の少女の物語。
主人公である少女は多くを語りません。本作では淡々と彼女の行動が映像に収まっています。
その中で少女が日々の生活から感じとる違和感がやがて絶望となり、最後には決意へと至ります。
初主演とは思えないレーネ=セシリア・スパルロク(Lene Cecilia Sparrok)の好演で、胸が痛いほど打たれました。
そして、本作で流れる唄(ヨイク)が純粋に美しい、是非劇中でも流れるので聞いてほしい。
更に、驚いたのが出演者に実際のサーミ人を起用しているということ。主人公も実際にサーミ人であり、共に登場する妹は、実の妹なのだそう。
鑑賞後に知ってびっくり。姉妹話に弱い私、やられました。
また、後日アイヌ民族のドキュメンタリーを観たのですが、境遇がとても似通っていて…決してどこか遠い場所の話ではないのだと感じました。
感想(ネタバレ少々注意)
教育先進国のスウェーデンにこういった話があるとは全く知らなかった。少女の自由への決意。ただ結果的に、自分の民族(サーミ)を卑下することで自分の心を保っていたのではないかと思うと、彼女が心から自由になることは出来なかったのではないかなという切なさが押し寄せた。
本編を見た後、改めて初めのおばあさんの表情(かつての少女)を観ると、作中では描かれなかった、自分の所在を隠して生きてきた長く険しい道のりがひしひしと伝わってくるようで…マイ=ドリス・リンピ(Maj Doris Rimpi)圧巻の存在感でした。
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新卒入社の会社を4年勤めた後、 バックパッカー時代に見た南米の景色が忘れられずペルーへ。 今はスペイン語に異文化に四苦八苦しながら日々楽しんでいます。 日々の発見・驚き・思いは私の宝物、忘れたくないのでここに綴っていきます。