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日々と小さな旅を繰り返して

小さな旅に出て日常に戻り、また旅へと出る繰り返し。
単純に繰り返すのではなく螺旋を描くように。ほんの
少しでも目に映るものの変化を意識しつつ、いつもの
ように自転車で京都や奈良の後は、大阪のとある街へ。


4月初旬の週末に、また小さな旅へ
自転車に乗って風景を楽しみながら
郵便屋の渡し跡。昔、淀川は渡し船で
そして訪れたのは宿場町。昔ながらの街並みに面した建物へ
袖うだつに描かれているのは鍵の図柄で
建物の名は鍵屋。ここは江戸時代には船宿として、
大正、昭和期には料亭鍵屋として名をはせた場所
暖簾にも鍵屋の文字と図柄が並ぶ
ぐるりとまわって鍵屋の主屋へ
建物は1811年の頃の姿に復元されて、今は鍵屋資料館として
参勤交代の従者が運ぶ挟箱には三つ葉葵紋

三つ葉葵紋も藩によって異なる形に

通り庭から表を見通して。右手の台所の
階段状の箪笥は細かな遊び心のあるデザインで
表にかかる暖簾を内部からも
当時は通り庭の裏手には船着き場に
主屋を出て東棟と西棟からなる別棟へ
東棟にある入口へ。よく見ると鬼瓦にも鍵の図柄
昭和初期に建てられた別棟内も資料館となっている
矢羽根天井や鍵屋の字体にも目を留めつつ内部へと
枚方宿は京都を越えて五十六番目の宿場町

京都の旅先のミュージアムで東海道五十三次にふれて

資料館に残された電話室
鍵屋は高槻キリシタン文書に鍵屋志門の名があり
マリア観音像も所蔵され、キリシタンとのつながりも

キリシタンやマリア観音像には島原の旅にて

資料館の内部の吹き抜けの空間には
くらわんか船の展示も。それは淀川を往来する大型船に近寄り
くらわんかとの掛け声で、飲食物を
売っていた枚方地方の小舟のこと
展示には五百旗頭欣一(いおきべきんいち)による器の版画
その器はくらわんか茶碗と呼ばれ
遠く九州の波佐見からも運ばれた

今もその名は受け継がれて無印良品の商品にも

波佐見といえば陶磁器の里。九州の旅がなつかしい


1階の展示を楽しんだ後は2階へと
2階には格天井にレトロモダンな照明が設置された大広間
床の間の上部には龍の飾り

龍のモチーフも引き続き集めていこう

2階の縁側の先には淀川の景色が広がって
照明のシェードは八角形。多角形にも目を留めて
63畳もある大広間。戦時中には壮行会にも使用されたという
隣には笹の間という別室。障子のデザインも楽しんで
階段の手すりにも鍵の図柄
ぐるりと資料館を楽しんで、建物を出て表へと
主屋と別館で構成され枚方宿鍵屋資料館を後にして

動画でもその風景を振り返って

もっと遠くへ行きたいけれど、今は週末に小さな旅を。
そして近くを見渡せば、気になる所はたくさんあって。
少しずつでもまだ見ぬ風景を訪ねよう。そこにいけば、
必ず新たな発見がある。今回はかつて宿場町があった
枚方への旅。昔ながらの風景をのんびりと楽しんで。


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