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建築に込められた想い。時代をこえて受け止めたい

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建築には、それらを作った人の思いが詰まっている。そんな思いを感じることができればと、建築を見に足を運びます。
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#黒川紀章

大きな吹き抜けの下でコーヒーを

天神駅で降りてまずはこちらへ 箱崎宮前駅で地下鉄に乗り、博多の商業の中心の天神 までやってきた。今日は自転車ではなく博多を徒歩で のんびりとめぐる一日。筥崎宮の花めぐりでしっかり 歩いたので、まずはひと休み。黒川紀章が手がけた 大きな吹き抜けのある屋外空間でコーヒーを頂こう。 福岡銀行本店の大きな吹き抜け。ここは奇跡的な空間 だと思う。黒川紀章が40歳の頃に設計した空間には 緑があふれ、ゆったりとBGMが流れる。コーヒーも 安くておいしい。私にとっての都会のオアシス。日本

壱岐島には黒川紀章が設計した建物もある

一支国博物館は壱岐島で2010年開館の建物である。 黒川紀章により設計された。氏の幾何学図形などの デザインモチーフが散りばめられて、緑に覆われた なだらかな曲線の屋根には、山並みが意識されている。 壱岐島での旅では、歴史にもその建物にも圧倒された。 館内には黒川紀章によって設計された建物が紹介 されていた。いくつかの作品は訪れたこともある。 最初の寒河江市庁舎は、33歳の時の作品である。 一覧にすることで、黒川氏の幅広い設計活動と スケールの大きさ、卓越した才能に目を見は

一支国の王都の風景に思いを馳せて

原の辻ガイダンスでは、焼酎の壱岐七蔵の展示を見る のに時間をかけすぎた。以前、壱岐に12の蔵があった そうだが、その内の6つが1つに合併して7つになった などの話を聞くうちに時間が過ぎていく。魏志倭人伝 には、壱岐は「一支(いき)国」の名で登場しており、 原の辻は、その王都と考えられているということだけ は頭に入れて、ひとまず体感してみようと外にでる。 わかりやすい動画で弥生時代の風景がよみがえる。 最後に面白い動画を紹介。壱岐のことがよくわかる。 弥生時代の風景と、それ

木々の向こうのただならぬ気配

昨夏のある日の午後、博多の街を自転車で のんびりと走っていると、木々の向こうに ただならぬ気配を感じた。巨大な石の塊の ような建物は、最近の美術館建築にも見える。 その六角形の建物は、県庁の議会棟であった。 福岡県庁舎の議会棟 1981 黒川紀章 その姿を、悠々と水面に映していた面影は今はない。 干上がった池に建つ建物は、砂漠のピラミッドを彷彿 とさせる。ガラスに越しに庭園を眺めることができた レストランは、昨年3月末に閉店しひっそりしている。 六角形であることで、内か