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木々の向こうのただならぬ気配


昨夏のある日の午後、博多の街を自転車で
のんびりと走っていると、木々の向こうに
ただならぬ気配を感じた。巨大な石の塊の
ような建物は、最近の美術館建築にも見える。
その六角形の建物は、県庁の議会棟であった。


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福岡県庁舎の議会棟 1981 黒川紀章


その姿を、悠々と水面に映していた面影は今はない。
干上がった池に建つ建物は、砂漠のピラミッドを彷彿
とさせる。ガラスに越しに庭園を眺めることができた
レストランは、昨年3月末に閉店しひっそりしている。


六角形であることで、内からパノラマのように見渡す
ことができた空間に興味が湧く。贅沢で自由な建物の
質感や形状は、40年経った今も古びることなく斬新
なもので、過去の遺産とするには惜しい空間である。
建物がレストランも含め活用されることを期待して。

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