壱岐島には黒川紀章が設計した建物もある
一支国博物館は壱岐島で2010年開館の建物である。
黒川紀章により設計された。氏の幾何学図形などの
デザインモチーフが散りばめられて、緑に覆われた
なだらかな曲線の屋根には、山並みが意識されている。
壱岐島での旅では、歴史にもその建物にも圧倒された。
館内には黒川紀章によって設計された建物が紹介
されていた。いくつかの作品は訪れたこともある。
最初の寒河江市庁舎は、33歳の時の作品である。
一覧にすることで、黒川氏の幅広い設計活動と
スケールの大きさ、卓越した才能に目を見はる。
中銀カプセルタワーは惜しくも解体されたが、
その建築に込められた思いは引き継がれていく。
次は紹介されていない作品で、今までに訪れたことが
ある建物を振り返ってみる。あらためて見に行きたい。
2010年に開館の一支国博物館は、黒川紀章の遺作と
なったが、その建物には黒川氏の技術と情熱が注ぎ
こまれていると感じる。建物のスケール感や、壱岐の
山並みとの一体感へのこだわり。ビデオシアターでの
映像の上映が終わりスクリーンが上がると、それまで
映し出されていた原の辻遺跡の風景が、実際に窓の
向こうに現れる。設計による緻密な検討の跡が伺える。
黒川紀章は33歳に寒河江市役所庁舎を設計したあと、
1970年の大阪万博で、タカラ・ビューティリオンや
東芝IHI館のパビリオンも担当している。若かりし
頃から圧倒的な活動をされ、その生涯をかけぬけた。
建築以外にいろんな話題があったと思うが、多才さ
ゆえのことかと思う。そして今回の壱岐の旅で、様々な
ものが注ぎ込まれた一支国博物館という建物に出会い
設計の思いを感じとることができて、うれしく思う。
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