マガジンのカバー画像

建築に込められた想い。時代をこえて受け止めたい

213
建築には、それらを作った人の思いが詰まっている。そんな思いを感じることができればと、建築を見に足を運びます。
運営しているクリエイター

2023年2月の記事一覧

アートと建築が町を変えていく

越後妻有で開催される大地の芸術祭。2018年の旅を 思い出して書いている。その3年前に訪れた旅の記憶。 豊かな自然の中、アートを楽しむ。旅がおわってからも 越後妻有はいい所やったねと、家族で話しあっていた。 十日町に新しい施設ができていく。手塚建築研究所に より設計された十日町産業文化発信館いこて。自由な アートで満たされた町に、美しい建築が増えていく。 芸術祭と共に町は姿を変え、楽しさを増し洗練される。 建物に向き合う建築家の姿に憧れる。 型にはまらず、場所とプログラ

ANDO建築を楽しもう

薄灰色の打ち放しのコンクリート。サッシは農灰色で 影と同化する。建物の中では光が充満し、そして影が 沈殿する。研ぎ澄まされた静謐さには、ぴんと背筋が 伸びるような緊張感がある。それは、けして息苦しい ものではなく、心地よく張り詰めた空気感。安藤忠雄氏 により設計された空間。この場所にもう少し留まって いたい、陰影を感じていたいと思わせる何かがある。 大地の芸術祭の旅で出会った、安藤忠雄氏による空間。 建築を感じるのは楽しい。その場にいくことで初めて 体感できる空間の質。太陽

森の学校で自然を学ぼう

農舞台を後にして、次に訪れたのは森の学校キョロロ。 名前のキョロロはアカショウビンの鳴き声にちなんで つけられている。愛着のわくネーミングだ。その全面が コールテン鋼の特徴的な外観の建物は、建築ユニット 手塚貴晴+手塚由比の設計により2003年に開館した。 冬には展望台以外、雪にすっぽりと埋まることもある。 キョロロは学術的な研究だけでなく、地域住民と協働 し、里山の生き物や風土の情報を発信する場でもある。 手塚貴晴+手塚由比は彫刻の森美術館のネットの森も 自然豊かな里山

今度は越後妻有への旅の思い出を

四角に切り取られた空を見上げる。空でないような、 何か別のものに置き換えられたような感覚となる。 福岡で見た切り取られた空に、ジェームズ・タレルの 作品を思い出す。印象的であった光の館で見た空の色。 大阪からのレンタカーの旅は、高知、箱根、長野などへ 距離を伸ばしつつ、2015年には新潟県の越後妻有へ。 それは大地の芸術祭、ジェームズ・タレルの光の館と 越後妻有に広がる自然とアートを楽しむ旅となった。 体全体で感じるアートがおもしろい。 モグラTVは開発公明氏によるアー

農舞台の空間を楽しもう

光の館で迎える静かな朝。しんとした空気。旅先での朝 は特別な時間。毎日とは違う朝のひとときが心地よい。 いつも朝はやく起き、散歩するのを楽しみにしている。 その日は、こどもたちも起き出して一緒に朝の散歩へ。 冬には建物と景色は一体となる。 棚田の風景に鮮やかなシルエットが浮かび上がる。 お土産選びは楽しい。花咲ける妻有ふろしきが欲しい 農舞台はオランダの建築家グループであるMVRDVが ヨーロッパ以外で初めて設計した建物。その佇まいや、 空間構成、内在するアート、屋上