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建築に込められた想い。時代をこえて受け止めたい

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建築には、それらを作った人の思いが詰まっている。そんな思いを感じることができればと、建築を見に足を運びます。
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2022年6月の記事一覧

Yの形がつながって風景が作られている

嬉野市の塩田町で訪れた二つの酒蔵。たとえ閉まって いても構わない。東洋随一を目指している東長と東一。 酒蔵の風景を思い浮かべながら、美味しいお酒を頂こう。 そのお酒が醸される風景と、その名前にも惹かれている。 ※saga plus オリジナル Re:discovery SAGA参照 塩田町といえば、江戸時代には長崎街道の宿場町として 栄え、明治から大正にかけては川港(塩田津)として、 肥前国南西部の交通の中心として繁栄したという。そんな 観光地である塩田宿を知らないままに

TAKEOには楽しい図書館がある

いろいろと寄り道しつつも、ようやく武雄市図書館に 到着。気持ちのよい景色が広がっている。ロケーション に合わせ建てられた、風景と一体となった建物である。 緩やかな勾配のアプローチを上りつつ期待が膨らむ。 建物の屋根は片勾配になっていて、圧迫感を抑え風景 に広がりを持たせている。建物の構成はシンプルだが、 大きなトップライト、建物から突出した丸みを帯びた 壁面がデザインに変化を持たせている。駐輪場は使い やすい位置にありつつ、目立たない工夫がされている。 片勾配の屋根により

みんなでつくるみんなの市役所

武雄温泉を後にして次の目的地を目指す。武雄といえば やはり、図書館が好きな方であればぴんとくるかと思う。 こども図書館も併設されていて、私にとって有数の図書館 スポットである。自転車ではあっという間の距離にある。 でも、まだ旅は始まったばかりである。ついつい時間を 気にせず、目に止まるものがある度に自転車を降りたり 乗ったりを繰り返す。気になるものは仕方ない。ついつい せっかくなのでと欲張ってしまうのがよくない癖である。 そして、ゆく手に現れた建物。湾曲した庇に目をみはる

佐賀に残る辰野金吾氏の木造建築

今年の3月の週末は、福岡に比較的近い所をいろいろと 訪れることができた。今回の目的地は佐賀県の武雄市で ある。博多駅からJRに乗り込みいざ武雄へ。武雄温泉駅 で降りると、曲線と煉瓦に白いラインのモチーフがある。 かなり強引ではあるが、うっすらと共通点がみえる。 もしかしたら武雄温泉駅は辰野金吾氏へのささやかな オマージュかもしれないと勝手に妄想し、辰野金吾氏 により設計された武雄温泉楼門・新館を目指して進む。 建築家の辰野金吾氏は唐津の出身である。前回の唐津へ の小旅行で

時代を映す図書館建築とは

図書館という建物が好きである。書棚を眺め、気になる 書籍を手に取りソファに座りページをめくる。中庭に 柔らかな光が差し、穏やかな休日をのんびりと過ごす。 ということができたら、どんなによいだろうかと思う。 大体が旅の途中なので、図書館を訪れる時はゆっくり したくても、なんとなく駆け足気味である。幸い家族も 絵本が好きなので、なぜ旅行で図書館という押し問答 にもならず、いろいろな図書館を訪れることができた。 というわけで、そんな素敵な図書館が、家から自転車で 行ける距離に欲