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外部との協働は「三角関係」が望ましい?

学校が外部とつながり、協働して学びを進めていく事例が増えてきた。

企業やNPOはじめ、文科省や経産省、内閣府などの支援を受ける形で教育コンテンツを提供するところがどんどん出てきて、群雄割拠の様相さえ呈している。

受け入れてくれる学校との事例をコマーシャリズムの波に乗せ、広げていくことは、業者にとっての一丁目一番地。自信を持って世に問うコンテンツであればあるほど、その意識が強くなる。

もちろん、それで学校での学びが良くなるのであれば大歓迎。昔から、学校が「出入り業者さん」や「教材屋さん」に支えられてきた部分は大きいし、それによって授業改善ができたことも事実だ。

ただ、これまでいろいろな協働事業をやってきて思うことは、1つの外部関係者とコラボするだけ、1対1の総括だけでは、閉鎖的な結果しか生まないってこと。

自分たちはその成果に酔いしれているかもしれないが、それが第三者にどう映っているか、歓迎され、応援される事例になっているかってことに、殆ど意識が向いていない。

これじゃ、広がるどころか、最初は外部だった相手が身内になり、互いに馴れ合いの中で物事が進むような関係になってしまうだけ。

だから、外部との協働事業をする時は、2つ以上の外部関係者が同時に関われる形をつくることをオススメしたい。

1対1なら「線」の関係しか生まないが、3つ以上が関わると「面」ができ、4つ以上なら「立体」となる。ここに内包され、蓄積される成果は、それぞれが見る方向や角度が異なり、何のために今日どうしているかを検証する「厳しさ」(=チェック機能)を持つ。

情報を関係者だけで回すのではなく、共有することの意味と同様、多くの関係者を巻き込みながら進めていくことこそ、「自分(たち)だけ」ではできない物事の進め方の極意だ。

特に、閉鎖的で身内びいきの強い学校現場では、異質な相手をどれだけ交えて協働できるかが、改革を進め、大きく飛躍する鍵となる。

複数の学校、複数の事業者、複数の地域・・・。歩んできた環境が違えば違うほど、価値観のぶつかり合いは大きい。逆に考えれば、それが新たな形を生み出す原動力であり、エネルギーなのだ。

とことんぶつかり合い、苦しみの中から生み出した共通項こそ、協働の鎹、信頼の証だ。それがあれば、強い絆がお互いを結んでくれる。

外部と協働する際には、
「もう1つ、一緒にやるところを見つけませんか」・・・

まずはその言葉から始めてほしいと思う。

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