安居長敏|@yasuis

学校に身を置く自由人。「授業は教科の内容を教える場ではない、教科を通して人生を語る時間だ!」42歳でいったん教員を辞め、FMラジオとITサポート起業。そして再び教壇へ。周囲からは《変人=変化を楽しみ・つくる人》と呼ばれている。チャレンジし続ける人づくりを、まずは自分が実践したい。

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学校に身を置く自由人。「授業は教科の内容を教える場ではない、教科を通して人生を語る時間だ!」42歳でいったん教員を辞め、FMラジオとITサポート起業。そして再び教壇へ。周囲からは《変人=変化を楽しみ・つくる人》と呼ばれている。チャレンジし続ける人づくりを、まずは自分が実践したい。

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他者との関わりの中で顕在化する自己

自分の考え方や行動様式、人柄、性格、長所/短所、得意/不得意……。人は成長とともに「自分がどういう人間なのか」を知ろうとする。 さまざまな形でその機会を与える場が家庭や学校、地域社会であり、私たちはそこで生活を共にしながら対話を重ね、助け合い、喜怒哀楽を共有する過程で得た知見を通して他者理解と自己形成を図ってきた。 そこには、他者と自己との間で行われる、判断や意思決定の根拠となる、互いの感情や考えの丁寧かつ深いやりとり、また先人の経験や他者の体験などの情報といったものが欠

    • 新たな学びの価値を世に問う学校

      社会や市場のニーズをキャッチし、それに応えられる商品や望まれるサービスをつくり、最高の状態で提供すること。売り手の王道であり、利益を求める近道だ。 でも、それだけでやっていけるほど世の中は甘くない。 今日の延長線上に明日が見通せる時代ならともかく、現在のように加速度的に社会が変化する時代にあっては、いくら「現状」(=過去から現在に至るまでの動向)を把握したところで限界がある。 大事なことは、現在の状況から「将来を予測」すること。そう、「マーケティングリサーチ」が必要にな

      • 生徒発・テーマラボ、始動

        ドルトン東京学園では金曜日6・7限に「探究ラボ」を設定している。具体的には「テーマラボ」と「オフィスアワー」の2種類が同時に開催されていて、生徒は希望するものを選んで参加する形になっている。 <テーマラボ> 先生から「こういうものを探究するけど、一緒にやらない?!」と企画が出され、必要に応じて外部とも連携し、学年を超えて協働し、探究を楽しむもの。起業ゼミや珈琲ラボなどが代表例。今年度後期から、生徒企画の探究も開催できるようになった(後述)。 <オフィスアワー> 個人、ある

        • 2024年の年頭にあたり

          昨日、保護者向けに校長メッセージを配信しました。 2023年を振り返って「もっと、できることがあったはずだ」という心情を「力不足」という表現で伝えていいものか、けっこう悩みました。現場の長として言うべき言葉ではないだろう……と。 でも、最終的には削除しないことにしました。 信じた理念や理想の教育に向けて挑戦し続けているプロセスが、今の自分にとって最大の「人生の目的」。 だとすれば、時に完璧にはいかなかった経験も、目的に向かう人生の1ページ。その姿を見せることが「今を生

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          みんな悩んで大きくなった。

          悩みや不安があるって、自分が成長していることの証明みたいなものだ。 さまざまな経験をしたり、いろいろ学んだりすると、見える世界が広がる。 世界が広がると、これまでできていたことが通用しなくなったり、その対応に自信が持てなくなって、どうしたらいいのかと不安になる。 どんどん悩みが大きくなり、立ち止まざるを得なくなる。 思うように進めない こんな自分でいいのだろうか まわりの人がキラキラ輝いて見える一方、自分は落ち込むばかり。 ここは、ひと休みするしかない 誰も知らな

          みんな悩んで大きくなった。

          「後れを取らずに進む」ってどういうこと?

          教育って「前に進む」イメージがないだろうか。 特に学校教育では、誰もが保幼小中高大と休むことなく勉強し、階段を上がるのように1年ごとに上級学年へ、上級学校へと進むことが当たり前だと考えている。 それは、たぶん時間が先へと流れているから。 時間が経過した分だけ自分の経験が増え、学校で学ぶ以上、賢くなったり、できることが増えたり……そうなることが当然だと思っている。 そうかなぁ…… 立ち止まって疑ってみる。 進むというと「前」や「先」という単語と一緒になって語られるこ

          「後れを取らずに進む」ってどういうこと?

          ドルトン東京学園のルーツを探る

          学校名の「ドルトン東京学園」は、2つの単語が重なってできています。ひとつは「ドルトン」、もうひとつが「東京学園」です。 詳しく見ていきましょう。 まずは「ドルトン」 これはドルトンプランからきています。 ドルトンプランは1908年、アメリカのヘレン・パーカーストが提案した教育法です。パーカースト女史は当時の学校教育の弊害に対する試みとして、一人ひとりの能力、要求に応じて学習課題と場所を選び、自主的に学習を進めることのできる「ドルトン実験室案(Dalton Laborat

          ドルトン東京学園のルーツを探る

          教育は「双方向の営み」であり、「未来への先行投資」

          仕事からの帰路、ふと浮かんだことをTwitterに綴る…… 自分が選択肢を感じ取る前に、他者が決めていることへの疑問。選べずに、やらされていることに対する違和感。 誰のために学校っていう場があるんだろう。そう考えた時、強制的に「人を育てる枠組みやレール」って必要なことなのだろうか、って。 むしろ、自分という存在を意識したり、他者との関わりを感じたり、社会を俯瞰したり、未来を描いたりするような「時間」と「空間」が必要なんじゃないのか。 そんな、素朴なギモン。 とはいえ、

          教育は「双方向の営み」であり、「未来への先行投資」

          一年先は、どうなっているのだろうか……

          来年8月8日、講演してください。 思わず今年と思い込み、8月のカレンダーを確認する。 ん? 違う違う、来年や…… リアルタイムで何度かのやりとりがあって、改めて来年だってことに気づく。 仕事柄さまざまな依頼案件が毎日のように届くが、一年以上も先のことでピンポイントの日程、かつ中身も含めてイメージできる形でお伝えいただくことは珍しい。 で、ふと思う。果たして、来年は元気でいられるのだろうか……って。 還暦を過ぎて年数が経つと、改めて自分の肉体的老化とともに気力の低下

          一年先は、どうなっているのだろうか……

          生徒自らが「学びの探究」を行うキャンパス

          最近、本校の校舎環境についての問い合わせや視察の依頼が目立つようになってきた。同時に、外部で行われる建築関係の会合での事例紹介の話も舞い込んできている。 ありがたいことだと思う。それ以上に、改めて学校という場における教室や空間、什器備品など「校舎環境」の果たす役割。それによって「学びに向かう姿勢」や「生徒の行動」が大きく左右されることを、みなさんにしっかりとお伝えしなければと感じている。 単に新しいとかキレイだとか、そういった見た目のことではなく、生徒の「どんな学び」を実

          生徒自らが「学びの探究」を行うキャンパス

          ドルトン東京学園って「どんな学校」ですか?

          よく聞かれる質問だ。 今日もある方から、そんな質問を受けた(^_^;) 思いつくままに特色を挙げてみた。 《学びの環境》 1クラス25〜27人の生徒数 教員1人あたりの生徒数8.6人(生徒数534人/常勤教員62人) 外国人教員比率19.4%(13人) 教科教室(教科センター)方式 ノーチャイム制 シームレスネットワークを意識した空間構成 環境配慮型(ZEB Ready 認証済)校舎 STEAM教育を実践するクリエイティブな専用棟 BYODに最適化されたICT環境 社会

          ドルトン東京学園って「どんな学校」ですか?

          画一化、規格化からの脱却

          学校が指導やルールを画一化し、その価値や判断基準を規格化することで、教育の効率化を図ろうとする時代は終わっている。 もちろん、過去には必要だった時期があり、それによって生活が豊かになり、国の繁栄がもたらされたことは間違いない。 でも、だからといって、それを未来永劫続けていくことに果たして意味があるのか。私にはどう考えても、そうは思えない。 いまに続く学校制度は、産業革命を経て高度経済成長を生み出す過程で形作られたものであり、新たな仕事を生み出した。いわゆる「ベルトコンベ

          画一化、規格化からの脱却

          やりたい!を実現するために

          今度の土日、ドルトン東京学園にとって「初」の公開学園祭(事前予約・招待制)を2日間実施します。 今年の4月、生徒有志から「私たちだけで大きなイベントを成功させたい」という声が上がりました。その実現に向けて、教員のワーキング・グループが組織され、生徒の企画を実現するための下支えをしながら、いよいよ本番を迎えます。 コンセプトは「つながる」。学内だけに留まらない、オープンな学園祭をつくりたいという生徒たちの願いが込められています。 実際、地域のお店とのコラボ企画や在校生保護

          やりたい!を実現するために

          ドルトン東京学園の日常

          とにかく「楽しい!」、そして誰もが「ホンネで過ごせる」場所。生徒も教職員も、「おもしろい」「もっと知りたい」のアンテナを立てながら、それを広げ、深めることを最優先で考えています。 教員は、授業を通して教科の内容を生徒に覚え込ませ、その成果を一面的なテストで測ってお尻をたたいたり、生活指導の名の下に大人の都合にあわせて動く生徒をつくることをめざしていません。 授業や行事など、さまざまな学校生活を通して、生き方や考え方を生徒に学んでもらうことを一番に考えています。教職員は生徒

          ドルトン東京学園の日常

          人生の棚卸し

          いろんなところで書いたり話したりしているので、「あっ、聞いたことある!」って感じる人も多いかもしれません。 10年以上前のことになるでしょうか、歳を重ねるごとに「頑な」になっていくココロや「衰え」ていくカラダを思い、40歳を過ぎてからは誕生日が来るごとに1歳ずつ若くなっていく自分を自覚していこうと、我が身に誓いました。 ひとまず人生を80年とするなら、その折り返しは40歳。41歳になったら「39歳」、42歳になったら「38歳」だと考えようってことです。 歳をとっていくと

          ココロノツバサ

          2017年4月、縁あって沖縄に移住し、インターナショナル(英語イマージョン)校で何もかもが初めての体験をしました。 ワクワクと不安が交錯する中、OISTで開催した保護者向けの学校説明会。たくさんの皆さまの視線を浴びながらも、入学式で対面した小中の新入生保護者を除けば、この日が初めての出会いでした。 直接、言葉を届けられる場ということで、「AMICUS Direction」と題し、今の子どもたちを取り巻く世界の状況や今後の教育の変化、アミークスでめざす学びについて、私の思い

          ココロノツバサ