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画面の向こうに思いを届ける


Zoomでの打ち合わせやオンライン授業が日常になってきた。

画面を通して、限られた情報でのやり取りに最初は戸惑っていた教員や生徒にもしだいに余裕が見え始め、ずいぶん自然な反応が出てくるようになった。

リアルに対面できない以上、肌感覚でお互いの感情を推し量り、コミュニケーションを進めることができない。でも、それは決してマイナスではなく、むしろそれを埋めようと、自然と相手に対する思いやりが出てくるという点で、貴重な経験だと思う。

事実、SlackやTeams、メールでのやり取りに、ふだんとは違う 《プラスアルファのキモチ》が乗るようになり、雰囲気が変わってきた。

許容範囲が広くなったような、表現が優しくなったような・・・

そう、読み手である相手が「どう感じるか」に思いを馳せ、相手の立場を常に考えるようになった感じがする。

それとよく似た感覚が、かつてラジオパーソナリティーをやっていた時にもあった。

マイクに向かって話しかける相手は、目の前にいない。車で移動しながら、家で料理を作ったり掃除機をかけたり、ゆっくりお茶を飲みながら・・・。さまざまな時間の過ごし方をする中で、ラジオに耳を傾けてくれている。

そんなリスナーのココロに寄り添うためには、いかに「見えない相手、遠くにいる相手」にコトバを届けるかということが大事だと、幾度も思い知らされた。

それは、どれだけ相手の立場になれたか、キモチに寄り添えたか、その一点に尽きる。

コトバは「言霊」

発した自分が「どう思い」「何を考えていた」かは、恐ろしいほどクリアに相手に突き刺さる。だから、嘘はつけない。

休校になり、面と向かってコトバを通い合わせることができない今、「キモチを届ける」ことの意味を再認識するまたとないチャンスだ。

自分のコトバが相手に届いているか・・・

画面を通して見える限られた表情やスピーカーから聞こえてくる声に写る自分を、ぜひ感じ取ってほしい。

きっと、誰もが持っている「ともに善くなりたい」感情を、改めて深く知ることができると思う。

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