見出し画像

危機管理意識の高め方(基本編)

前回の号で危機管理としてインテリジェンスを守ることの重要性を語りましたが

今回は危機管理意識の高め方をお伝えします。

基本編としてわかりやすいものを3つまとめました。誰でも簡単に即実践が可能で
す。

読んだこの瞬間から意識してみましょう。

と、その前に一番重要なことをお話しすると
危機管理意識は教わったからといって終わりではなく、意識ですので主体的に自分自身が常に考え、行動しなければ全く意味をなしません。


この大前提はぜひお忘れなく

では早速いきましょう。


①周辺観察をする


まず危機管理の基本中の基本となるのが周辺の観察です。
なぜかというと人間が何かコトを起こす時には必ず行動に表れるからです。

例えば我々格闘家は試合中に相手を攻撃しようとするためにゴングがなったら相手に近づいていきますよね。
その後に攻撃する手や足が動きます。
距離があれば攻撃をするためにできるだけ近づきますし、攻撃を避けたい時には距離をとります。
野生動物も同じでライオンが草食動物を狩る時には、
まずは獲物を発見し目で獲物を逃さず見つめ、ゆっくりと距離を縮めてから一気に襲い掛かりますよね。

つまり人も同じで何かを実行に移す前には相手を見たり近づいたりしてから何らかの行動に移すということです。

その行動を察知できるかどうかが肝になります。

あっ好きな子を目で追ってしまうのも同じですね。

それに関連しますが、痴漢や盗撮を行う者も、まずはターゲットとなる女性をロックオン(目で追う)してから後をつけて距離を縮め(行動)→痴漢や盗撮(実行)します。

よく大きなターミナルステーションなんかを歩きながら人間観察を
してみると駅周辺で用もなさそうなのに同じ場所を何度も行ったり来たりフラフラしていて、コイツさっきもいたけど何してるんだろうって人間もたまにいますよね。
また駅のホームでも空いているところに並ばずに何故か混んでいて、かつ女性の後ろに並んでいる方もいますよね。

もちろん、その場所が乗り換えに便利で効率的だから混んでても我慢して乗る人もいるし、たまたま女性の後ろに並んでいるだけで必ず痴漢や盗撮とは限りません。

しかし、何故そこにいるのか気づき考えることは周辺観察を
する上でとても重要になります。
そうすることで何故なんだろうと疑問が浮かび、仮説が立てられます。

②スマホや音楽をなるべく見ない・聞かないこと

年齢関係なく最近は特に外出先で見かけますがスマホを見ながら音楽を聴いている人多くないですか?

これは①で説明した周辺観察と関連してきますが視覚と聴覚を塞いでしまったら周辺観察をすることが出来ません。
周辺観察ができなければ不審な人物がいるかどうかもわかりませんし、不審人物が危険人物に変わった時の初動が遅れてしまうため、結果として命を落としてしまう危険性もあります。

なので基本的には聴覚や視覚を遮ることがないように心がけることが大事です。
もちろん、忙しい社会人は電車内でスマホでメールをチェックすることもありますし、唯一の癒しの時間かもしれません。人によって状況は異なりますが、実行するのが難しい方も出来るだけ周辺を観察するようにするだけでも変わりますので意識的に取り入れてみてください。

ただし音楽を聴くことだけはやめたほうがいいでしょう。音が聞こえないことはスマホを見る以上に危険です。通り魔には合わなくてもカバンを漁られていても音に気づけないですし、ちょっとした違和感を失いかねないので辞めることをお勧めします。
ちなみに少し古い作品にありますが『トリハダ3』という人間の恐ろしさを描いたホラーショートドラマのタイトルで「雑音と無音の因果律」というのがありますが、その話はまさに視覚と聴覚を塞いだ女性が気づかず通り魔に襲われる様を描いた作品があります。興味あればぜひ視聴してみてください。

③リスクを想定する

日常生活はあらゆる変化の連続です。
家を出る瞬間に始まり、歩いていることも車に乗っていることも電車に乗ることもオフィスに入ることも、交差点で信号待ちすることも、コンビニに入ることもありますね。

そうしたシュチュエーションにおいて意識してほしいことは

今ここで起こる可能性をシュミレーションすることです。
前の記事でも書いたことを例にあげますが、カフェやファミレスに入って荷物を置いて席を離れた時に起こる最悪の事態は何でしょうか?

当たり前ですが
財布を入れたバッグをそのまま一瞬でも席を空ける、または手洗いなどに行ったら財布を盗まれるかもしれないリスクは想定できますよね。

また、目を離した隙に飲み物に薬物などを混入されるなんてリスクも考えられるでしょう。
日本ではあまり意識されませんが、
海外のバーなどでは席を外す際には飲んでいたドリンクを飲み干すか、戻ってきたら飲まないのは常識です。

もっと悪質なケースでは店員と薬物を混入するバーにいる人間が共犯者というケースです。日本でも似たような事件は起こっているのでご存知の方もいると思います。
個人経営の経営者自身が客にわいせつ行為を行うなんて話も最近ありましたよね。
なので人ごとではありません。

ではどうすれば防げるのか。これは今、流行りのぼったくりバーでも同様です。
防ぐ方法はいくつかあります。
ただ究極を言ってしまえば、そもそも行ったことがない、知らないお店には足を踏み入れないというのも一つのリスクコントロールになります。
具体的にどうすれば良いは、またの機会に書くとします。


さて面白い話として
何年か前に大阪で開催されたG20の夕食会の場で各国の首脳がテーブルを囲い手元にはドリンクの類がある中、プーチン大統領だけマイカップでドリンクを持参している記事を見たことはありますか?

世界中の首脳が集い、メディアも入る公的な場と言えど他者を信用していない姿が映し出されています。
紛れもなく、毒殺を警戒してのことです。

特にロシアでは毒殺は常套手段としてよくニュースなどで同様の事件を目にすることが多いですよね。

最近で有名なのがロシアの野党指導者でプーチン氏を批判していたナワリヌイ氏が旧ソビエトで開発されたとする神経剤のノビチョクを使用され毒殺未遂に巻き込まれたニュースを目にされた方もいるでしょう。

移動中の航空機内で体調を崩し最終的にはドイツの病院に搬送されましたが幸いにして命は助かったようです。

原因は離陸前の空港で飲んだお茶に毒物が混入していたのではないかと言う情報もありますが真偽はわかりません。

そんなロシアの大統領であるプーチン氏は
言わずと知れたソ連時代の秘密警察であるKGB出身者です。冷戦当時はCIAと双璧を成すとも言われた世界屈指の情報機関です。

KGBとは簡単に言えば暗殺も含む破壊工作を始め諜報や防諜を司る共産党の独裁体制を守り抜く治安維持機関になります。

そんな彼のニュースを目にすることは多いですし、日本のメディア、また世界の資本主義国家にとっては悪名高き男ですが、
身の安全を守ることにおいては最高レベルで賢い男です。

そんな彼から学ぶことは意外にも多いです。
どんな世界の人間であれ参考になるものは取り入れ、必要なモノは真似をしていく。

パソコンも最新バージョンにアップデートしていなければ脆弱性を突かれウイルスに感染するのと同じで、人間の頭脳も常にアップデートしなければ危機を見抜けず気付いた時には狩られる側に回っている可能性があります。

訪れる危機は常に手を変え品を変えて我々に忍び寄ってきます。

しかし本質的なことは人間である以上、変わりませんので
やはり大切なことは基本を抑えることです。
基本さえ抑えておけば、後はその情報をアップデートするだけで対応は可能です。

最後に簡単なプーチン氏のお話をしましたが

危機管理意識の高め方の続きは応用編でお話ししましょう。

では











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?