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ブランディングとはファンを作るということ【イベントレポ】#ノミナー

12月17日に開催された第5回「ノミナー」(”呑みながらSNSマーケティングを学ぶセミナー” の略)に行ってきました。

今回のテーマは「SNS×ブランディング」ということで、牧野圭太氏、みる兄さん、飯高さんがブランディングの定義であったり、事業側の考えや提案側がみるべきところなど、かなり深い話を聞くことができました。

今回はその中から、イベント中に書きなぐった内容をレポートします。

公にできない話も多く飛び交っていたので、全てを公開することはできませんが、当日の雰囲気も交えてご紹介していきます。

登壇者の自己紹介

登壇者の自己紹介の前に、まずは、アイスブレイクからスタート。同じテーブルの方と自己紹介をし、ノミナーに参加した理由、そして自身が抱えているSNSマーケティングについての課題について1分だけお話するおしゃべりタイムです。1分なのでサクッと終わりました。

続いて、牧野さんの自己紹介がスタート。

株式会社カラス代表/株式会社エードット取締役副社長
牧野 圭太
2009年博報堂入社(2015年退職)株式会社カラス代表/エードット取締役副社長。#ブランドジャーナリズム という「ブランドと社会を結びつける」クリエイティブ・コミュニケーションを標榜し、啓蒙している。「広告がなくなる日」を執筆中(2月発売予定)。ときたま文鳥文庫の店長やってます。

牧野さん自身の声で自己紹介が行われ、ブランドをどうやってつくっていくか?ブランドをどう育てていくか?をひとつの念頭に置いて、ブランドと社会文脈とか社会課題をきちんと結びつけることで、社会の課題を解決したいとおっしゃっていました。

また、日本の広告予算は6兆円あると言われているが、できるだけ社会をよくするために使っていきたいとも。

自己紹介から熱量あるトーク!そして、思考の深さが素晴らしく、この辺りはやはり志の高さと比例するなと、しょっぱなからガツンとやられました。

牧野さんの自己紹介が終わると、みる兄さんの自己紹介が始まるわけですが、顔出しNGということで、自己紹介の前に写真撮影タイムが行われました。

みる兄さん
2018年夏Twitterを始めた匿名アカウントなマーケター 。コスメ系SNSの中の人とオウンドメディアの責任者。経営戦略部門で、デジタルマーケティングとブランディングを繋ぐため疾走してます。マーケはTwitter、映画コラムは街角のクリエイティブに淡々と熱量を書く人。広義の意味でモテたい。

昨年の6月1日にTwitterをスタートして、客観的なひとつのアカウントとして、個人の発信も併せて運用し、約500日で10,000フォロワー達成されたそうです。

ちなみにTwitterを始めた理由は、「自社のアカウント運用を外部に任せていたようで、その際に明らかにおかしいと違和感を感じたので、自分が運用して、中の空気感を知らないとおかしい部分を言語化できない」と思って始めたそうです。

「好き」が最も強いというのはこのことで、やはり違和感を言語化するためには自分で実際にやってみるのが一番なんですよね。ただ、500日で10,000フォロワー達成ってすごすぎる。。。

最後は飯高さんの自己紹介でしたが、この日は14時~16時でイベント喋っていて、すでにビールは5本目だったようで、少々酔っ払いモード。

牧野さんとみる兄さんとの関係を説明されたあとは、今日は2人に任せて「空気になってお酒だけを飲む人になる!」という自己紹介でした。

メインパート「ブランディングの定義」

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今回のテーマはこの9つのテーマでしたが、まずは飯高さんがブランディングの定義について、どういうところがブランディングなのか?という点をお二人に質問。

牧野さんのブランディングの定義は「ファンを作ること」だそうです。

牧野さんは、できるだけ物事をシンプルにとらえるようで、ブランディングってなに?っ言われたら、ファンを作ることしかないなと思ってて、あまりややこしい概念とかは必要ないとのこと。

ファンを作る活動がブランディングと置き換えていて、どこにファンを作るか?どういうやりかたでファンを作るか?っていうのはそれぞれ違うとおっしゃっていました。

ブランド力は吸引力

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その後、オイシックスさんとの一緒に取り組んだ「クレヨンしんちゃん お母さん、夏休みありがとう」という企画についてもお話されて、オイシックスさんのサービスはお母さんの味方になっているので、お母さんのファンを増やすためのブランド作りを提案したそうです。

三部作の最後で夏休みバージョンを作って、Twitterでトレンドに取り上げられたことで、メディアでも取り上げられ、ブランド高感度も上がったとおっしゃっていました。

牧野さんはブランド提案をする際、誰が作ったか分からないような企業理念が絶対に正しいとは思わないようで、世の中に出ているサービスの実態がなにを体現しているか?というところを考え、あくまでもサービス視点で考えいるそうです。

また、ブランド力については「吸引力」とお話されていました。

ブランドがない企業は採用活動もプッシュしなきゃいけない、メディアに取り上げられてもらえない時に、メディアにもプッシュしなきゃいけない、そもそも、お客さんに届かなければ、広告をめちゃくちゃ出さなきゃいけない、という感じで、こっちからめちゃくちゃプッシュする必要があると。

ただし、ブランド力(吸引力)があれば、何もしなくてもモノが売れて、人が集まるので、ブランド力=吸引力だそうです。

ブランディングをアカデミックな観点で

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続いて、みる兄さんのブランディングの定義なんですが、色々と表に出せない話も混じっていたので、あまり公開できないんですが、ガチ目なアカデミックな話をされていました。

ご用意されていたスライドもノーソーシャルということで、参加されている方の特典ってことで、さすがにここで公開するわけにもいかないので。

ひとつ学んだことは、ブランドの定義の話をする時は、ケラーかアーカーの話をすると炎上はしないとのことでした。

みなさん、覚えておきましょう!

また、○○は安いからコスパいいよねっていう第一想起もブランドにもなるけど、やっぱり「好き、愛している!」「品質が高い」ってことがブランドなんじゃないかなと。

そんな二人のブランディングに対する暑い座談会を真ん中でただお酒を飲みながら聞いている飯高さんのツイートがこれ。

ブランドは簡単に壊れない

牧野さんは博報堂時代の話もしてくれて、某大手メーカーを担当していた時、常に新しいことに挑戦してブランドをアップデートし、顧客を広げてブランドも広げるという取り組みを行なっていたそうです。

新しい顧客にアプローチするためには、やっぱり新しいことにチャレンジする必要があって、保守で守りに入っていては、新しいことはできないと。当時の牧野さんの上司は「ブランドって簡単に壊れない」とおっしゃって、常に攻める提案をしていたそうです。

「ブランドって攻め続けるからできるんだ」

上司が言ったこの言葉をリスペクトして、常に新しいことにチャレンジしているとのこと。

今の時代、ブランドを作っていくためには話題を作っていかなければいけないので、何か新しいことをやっていかなければいけなくて、その新しさの中に、企業理念というか、芯があるってことが大事なんですね。

この話は学びしかなかった。

マーケティング担当はこじつけ力が必要

みる兄さんは、こじつけ力についてお話をされていて、やはり企業には文句ばかり言って、本質を見ていないおじさんたちがいると。

そういう人たちを回避するためには、こじつけ力が大事とおっしゃっていて、全ての施策に「こういう理由」で「こういう理念」をもとにした、「こういう施策」ということを、きちんと説明する度量があれば、筋がとおるので文句言うおじさんたちを回避できるそうです。

これはまさにそうで、やはりそこに理念が入るか入らないかで大きく変わってきて、施策に芯があって、数字でものを言えるようになれば、大半のことは回避できると私自身も思っています。

やっぱり世の中のトレンドだからという理由で実施する施策は失敗することが多いですし、ブランドに寄与しないんですよね。

まぁ、これはビジネス全てに言えることですが、何のために実施するのか?を答えられないで、新しいことをやっているようでは、ブランドのアップデートにはつながらないと思いました。

時代背景に合わせたブランディング

飯高さんがおっしゃってたことで、印象に残っているのが、「今のブランドの在り方と数年後のブランドの在り方が違うということを常に考えて、ブランディングを設計する必要がある」と、静かにお酒を飲んでいたかと思うと、さらっと話に入って、いいことを言ってトイレに駆け込んでました。

みる兄さんの大人のマーケターの話も印象に残っていて、「中の人たちがちゃんと賞賛して、共感して外にちゃんと説明できることが大事。ここをマーケの人は、どうせ社内は分からないからと思いがちになるんです。そこを調整するのが大人のマーケター」とおっしゃっていました。

いや、これは私自身大反省会ですね。どうせ分からないと思って、コミュニケーションを疎かにしていたので。気持ちを改めないと。

この社内に対するコミュニケーションが大事と言う話をされた時に、牧野さんも同じく、ブランディングで一番意味のあることは、インナーコミュニケーションとお話されていました。

自分が所属する企業を自分たちが好きってことが、一番のブランド作りとは私自身も思っていたので、やっぱりインナーコミュニケーションって大事なんだなと改めて再確認することができました。

企業に対して、社員も何かしら誇らしく思っていることがあるはずなんです。それを言語化して外に発信できることもブランディングですからね。

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最後にブランド運用体制のお話がありました。「ブランド」を中心に据えた体制・施策一覧を見て驚愕!みる兄さんのチームは、2人プラス1人の3人で運用してて、大手の代理店などは入れていないそうです。

す、すごい....これを3人で行なっているなんて。

今までもっと良かったブランドアクション

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最後は質疑応答でしたが、その中で御三方が良かったと思われるブランドアクションを教えて欲しいという質問がありました。

その質問に対して、みる兄さんは、ダヴ:リアルビューティーの動画コンテンツ。

ダヴが10年くらい続けている施策で、既存のファンと新規の人たちがブランドの理念と行動を動画できちんと表していて、モノが売れる事例として、プロダクトとメッセージの親和性が高くてブランデットコンテンツを作る時に一番参考にしているそうです。

牧野さんは、3年前の国際女性デーの日に、アメリカのウォール街にある牛の銅像の前に、立ち向かうように女性の銅像が立った「フェアレスガール」というコミュニケーションで人生が変わったとか。

男女平等はまだまだだということで、社会課題に対してある企業がそれに向き合ったコミュニケーションを作って、Twitterでは2億回くらい登場。SNSでもテレビでも拡散して世界中に広がったキャンペーンになって、期間限定で2週間の予定だったが、結局2年間置かれて、観光スポットになったそうです。

銅像1個置くだけで、社会文脈を全部捉えて、言いたいことをきちんとメッセージで伝えて、それがシェアされて拡散させる....それが銅像1個でされているということに衝撃を受けて、自分は何をやっているんだ...と反省したし、併せて希望も持てるようになったおっしゃっていました。

飯高さんはALLYOURS。

ALLYOURSさんは池尻大橋に店舗がありますよね。私も試着したことあるんですが、あの着心地の良さたるや....。パンツは何度も購入しよう思い、結果購入できていないんですが、私も好きなブランドですね。

飯高さん曰く、あれだけのレパートリー(サイズ感)を用意していて、試着という最高の体験をした後に気に入った商品が家に届く、これが素晴らしいとお話されていました。

この試着体験が他アパレルブランドとは異なるので、ぜひ、みなさんも体験してみてください。

まとめ

アッという間の1時間30分でしたが、学びしかなくて、1,000円では安すぎるのではないかというほど。そして、今回、牧野さんとみる兄さんの二人のトークセッションになっていましたが、たまに登場する飯高さんの発言がめちゃくちゃいいこと言っているんですよね。

2019年のセミナーはホットリンクさんに始まって、締めもホットリンクさんという、SNSマーケティングを1年間でしっかりと学ばせていただきました。

ありがとうございました。また、来年もノミナーは開催されるので、時間を見つけては参加しようと思います。

もしサポートいただければ、今後のnoteに生かしたり、他のライターさんへのサポートに回したいと思います。