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「女子大生、オナホを売る。」を読んで

最初、本屋のビジネス書コーナーで見かけた時は、昔流行した「もしドラ(もしも高校野球のマネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら)」の類似のエロバージョンかな、と思ったのですが帯のコメントを見るとそうでもなさそうだったので一度読んでみました。

読んだ感想としては、確かに実践的なマーケティングを知るにはすごくいい本です。特に、これから新規ビジネスを考えようとしている人や中小企業で新たな事業拡大を考えている人に特に役立つ内容だと思いました。

「女子大生」、「オナホ」という特に刺激的な要素を取り除いて読んでも、ビジネスチャンス(事業領域)の見つけ方、インサイトを深掘りするためのインタビューの実行、商品コンセプトの作り方、検証、販路(D2C)まで極めて実践的で、ゼロから1を作るために必要な要素が盛り込まれており面白いです。

なぜ、「オナホ」だったのか、という点について、

「クリエイティブ」で勝負が決まる領域なのに、コンセプト力で参入できる余地があったから。

つまり、パッケージのデザインなど印象で買われていて「アタリ、ハズレ」が大きい領域では購入理由が明確になる「コンセプト」で勝負すれば勝てる。と読んだからです。

そして、インサイトを発掘するために「n=1」のインタビューにこだわります。

徹底的に「たった1人に刺さるコンセプト」を突き詰めた結果、独自性の高いアイデアが生まれて、結果的に多くの人から支持されます。

インサイトの発掘とは、簡単にいえば「顧客の気持ちを、顧客以上に理解して、彼らすらも気づいていない悩みを代わりに見つけてあげること」です。

インタビューにおいては、自分の「思い込み」を徹底的に排除することから始めることを強調しています。

「これは間違いないだろう」と思い込んでいるインサイトが、実際は全くの的外れだったということは多々あります。インサイトは決め打ちせず、絶対に検証してください。

本書を読みながら著者がご自身で描く人物像と、実際のヒアリングの様子の姿がつながらず、「これはフィクションなのか?」と、なんども疑ってしまったのですが、人も商品も実在するリアルな話です。そしてこの方、はちゃめちゃと思うような驚くような経験を自分からどんどん飛び込んでいるのが、ほんとうにスゴイです。

自分ももっと挑戦しないといけないなと、あらためて思いました。(それでも、マグロ漁船には乗りたいと思いません。)

数時間で読めますが中身は濃いです。

よかったら読んでみてください。

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