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成功の鍵はオムニチャネルにあり!?〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

マーケティング・マネジメント 第15章 流通チャネルの2回目はオムニチャネルについてです。ちなみに本書ではマルチチャネルという言葉を使っています。マルチとオムニは意味合いが少し違います。オムニチャネルはマルチチャネルの先にある顧客との接点までを意味していると理解しています。言葉の定義の違いにそれほど大きな意義はないと考えてますので、ここではオムニチャネルを使います。

オムニチャネルとは?

オムニチャネルとは、複数の販売チャネルを持つことを言います。
オフライン(店舗)とオンライン(ECサイト)での販売が最もイメージがしやすいでしょう。

最近ではいろんなオムニチャネルの事例が見られます。スポーツブランドのナイキは2022年の売上シェアの実に24%が自社のデジタルサイトでの販売になっているそうです。

私もナイキアプリをスマホに入れていますが、アプリ限定のシューズの限定抽選販売とか思わず買いたくなるようなアイテムが出てきます。実際に、ファンのコレクションアイテムとなって、ものによってはプレミア価値がつくようです。

また、オムニチャネルを活用する顧客は、単一のチャネルだけを使う顧客よりも4倍も多く支払っているというデータがあります。

オフラインからオンラインという流れだけでなく、オンラインからオフラインへの流れも珍しくはなくなってきました。
Amazonがアメリカで高級食材スーパーのWholefoodsを買収してリアル店舗とブランド力を手中に収めたことが有名な例です。

最近はマルチチャネルを利用したBOPIS(ボピス)を導入する企業も増えています。BOPISとはBuy Online Pick up in Storeの略で、ネットで注文しておいて店舗で商品を受け取るシステムです。事業者としては、顧客の来店促進とついで購入が期待できますし。消費者は在庫切れの心配がなく送料節約もできるといったメリットがあります。

マルチチャネルのベネフィット

マルチチャネルを構築することのメリットは何か?というと、本書では3つ上げています。

1つ目は、市場カバレッジの拡大です。今まで到達できなかった顧客に製品が渡ることになりますし、また、マルチで購入しようという顧客は多く買い物する傾向にあります。2つ目は、チャネル・コストの削減です。人的販売にかかるコストよりもデジタルを使った方が効率性は高まりますし、相乗効果も期待できます。3つ目は顧客ニーズに直接触れることでカスタム対応が可能になることです。

そして、本書では記載ないですがカスタマロイヤルティの向上は大きなベネフィットになります。様々なチャネルでの購入経験がブランドへの愛着を増させますし、両方のチャネルを活用してプロモーションが仕掛けられます。

まとめ

オムニチャネルの意味とベネフィットについて説明しました。
この記事では省略しましたが複数のチャネルを持とうとすると問題も発生します。
チャネルコンフリクトです。既存のチャネルにとっては面白くないと感じられることもあるかもしれません。
やはりその場合、顧客との接点を複数持つことの意義と相乗効果をどれだけ納得してもらうかでしょう。当然、利益が損なわれないようにすることも大切です。

最後までお読みいただき有難うございます。


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