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コトラーのB2Bブランドマネジメント-第4回B2Bブランディングの次元 Part3 ブランドコミュニケーション

こんにちは。今回は、第3章のブランドの次元のパート3として、ブランドコミュニケーションを中心に解説したいと思います。

ブランドの要素

ブランドを構成するものとしては以下のものがあります。

名前(ブランド名)

ロゴ

キャッチフレーズ(スローガン)

ブランドストーリー

これらを会社の企業文化等を反映したビジュアル・アイデンティティというガイドラインに基づいて選択されます。その際の選択基準には以下のものがあります。

利用可能性 商品を展開する上ですべての市場で利用できるのか?

有意性 ブランドの本質をとられているか

記憶可能性 覚えやすいか

保護可能性 商標はもちろんのこと、グローバルに展開する場合は発音が別の国でネガティブな意味にならないかなど注意が必要です。

未来志向 企業の成長・変化・成功へと導く

肯定性 肯定的な連想を生むか

移転可能性 ブランド要素を活用して新製品を展開することが可能か

4つの要素のうちのブランド名とロゴは、法的保護要素と言語的・文化的意味合いを十分に検討した上で利用できるものを選択するということが多いと思います。スローガンとブランドストーリーは、企業、開発者、創業者の思いを伝える上で非常に重要だと思います。B2Bでも営業担当者がその思いを信じて顧客に伝えることができるかどうかで、成功の鍵を握っているといえるでしょう。最近では、特にSDGといった企業の社会的目標への貢献が求められていますので、そのような点でブランドのストーリーを持つことが求められています。

ブランドコミュニケーション

さて、この構築されたブランド要素を顧客へどのように伝えるかですが、製品やサービスの利点とそれが満たす事のできるニーズにフォーカスをあてることが理想です。その際には顧客のニーズが何なのか?その点をもう一度問い直す必要があります。なぜなら、投資家にとって重要な要素と顧客の求めているものは一緒でないからです。このメッセージは誰に向けてのものなのか一度見直して整理する必要があります。

B2Bブランディング インターフェース

上の図は、コミュニーションのツールと顧客との接点となるインターフェースを示しています。これらのコミュニケーションの中で重要となってくるのがブランドのエッセンスや価値感を従業員が理解するための社内コミュニケーションです。特に、B2Bの市場においては顧客数が限定されており人的販売が主要要素となる中ではセールスのインターフェースは重要です。一方で、B2B企業はセールスの報告で顧客の心理を理解していると誤解することも多いため注意が必要です。自社のブランディングが顧客の心をしっかりと掴むことができているのかの調査への努力が必要です。

ブランドの評価

ブランドを構築する際に課題となるのは、ROIの測定です。ブランド構築の投資意思決定をする段階で、しっかりと評価基準を定める必要があります。

調査的手法 顧客の行動や態度を測定するものです。知覚的な指標として、認知(純粋想起、助成想起、第一想起)、知識、親密性、関連性、満足度及び推奨などがあります。最近は、推奨(あなたはこのブランドを友人・同僚にすすめますか?)が多いですね。いづれにしろ、バイアスのリスクは伴います。

財務的手法 有識者の主観的判断でブランド・エクティティを推定します。財務的数値に落とし込むことでより評価が明確になる反面、算出の基準の設定が複雑になります。

上記の両方を取り入れたも測定法を構築の際に決定しブレないことが重要です。

インブランディング

イングレディエント・ブランディングは、B2B企業にとっては理想的なブランディング活動でしょう。イングレディエントとは、成分・材料・構成要素のことです。

代表例としては、インテル・インサイド(インテル入ってる)です。部品業者であったインテルが「安全性」「最先端テクノロジー」「信頼性」といったキャンペーンで世界でも最も価値のあるブランドを構築しました。私もたいして技術力もないくせに家のノートパソコン買い替えの問いには、CPUのブランドだけは見ていたのを思い出します。

B2Bブランディング プッシュ

こういった川下への活動がうまくいくには、その部材が最終製品にとって必要不可欠であること、そして、最終製品に独自のロゴが明記されていることが重要です(ノートバソコンにインテルのシールが貼ってありましたよね)。

B2Bブランディング インブランディング

以前でもフライパンのテフロン加工だとか、衣料品のゴアテックスとか、インブランディングで成功しているブランドは思い起こすとわりとありますね。

食品なんかでも、新潟産コシヒカリ使用のおにぎりとか、神戸牛のハンバーグなんかも、インブランディングと言えるでしょう。そういう場面で信頼性を持たせるために、100%使用品には認証ロゴの利用を認めるなどの活動がブランド資産の構築につながるのでしょう。

次回からは第4章ブランディングによる加速化に入っていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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