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仲間意識をマーケティングに活かすコツ 内集団バイアス-行動経済学の理解と実践14

スポーツ観戦が好きでよくスタジアムに応援に行きます。当然、贔屓のチームの応援席側で応援をするのですが、熱狂的なファンの方は本当に全体力を振り絞って応援しています。

サッカーではゴール裏と言われる席から応援するサポーターは時折エキサイトして相手側サポーターに攻撃的になってたりします。一人ひとりは善良な市民だと思うのですが群衆心理もあって気が大きくなってしまうんでしょうね。一方で、全然知らない人でも味方チームがゴールすると周りの席の人たちとハイタッチをしたりして一体感に溢れます。

この記事は、共通点のある人たち同士で好意的な態度を取る内集団バイアスについてです。

内集団バイアスとは?

人は共通点のある人たち同士で集まって、その集団の内と外に線引きをしたがる傾向があります。

日本人はムラ社会意識が強いなんて言われ方もしますが、集団の帰属意識を持つ傾向は日本人だけではないです。ある意味では、世界の様々な紛争の火種は内集団バイアスによる部分が多いと言っても過言ではないでしょう。

共通点のあるグループ(同じ会社、出身大学、地域、趣味など)で集まると安心感もありますし、逆に、これまで帰属していないグループに入るのに壁を感じることもあります。

Diversityという言葉に代表されるようにいろいろな垣根が取り払われていますが人には潜在的に所属集団への帰属志向があり、その外側にいるグループに対抗意識を持つ傾向にあることは事実です。

マーケターとしてどのように内集団バイアスと取り組むのかについて3つ上げたいと思います。

その1.客観視できる目を持つ
集団に帰属していると安心感が生じてそこでの価値観につかってしまいたくなります。ただし、集団の中からだけでは外の世界(市場)の価値観とずれてしまう恐れがあります。マーケターは外側から見つめる目を持つ必要があります。

その2.グループを形成する
顧客同士のコミュニティを作るように努めてみましょう。仲間意識ができれば重要なファンの基盤ができます。SNSなどの手段を使ってファンのグループを作って上がることです。

その3.垣根を取り払い、入りやすくする
その1で述べたように客観視した上で外側の人たちに中に入ってもらえるようにすることです。常連さんばかりのお店にはなかなか入りづらいものです。ですから、マーケターは集団の中心におらずに客観的にグループを見つめて、外にいる人たちとの壁を低くしてあげる必要があります。

まとめ

内集団バイアスをいかにマーケターとして活用できるかを検討してみました。人も動物である以上、本能的に群れに属していたいと思うのは当然のことです。マーケターは、少し離れた視野で外と内の両方の価値観を理解することができるように務めることが大切です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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