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第6回 ターゲティング・ポジショニング

こんにちは。前回はセグメンテーション(市場細分化)についてでした。

今回は、市場細分化の後に設定する標的市場(ターゲティング)とターゲット顧客が自社製品をどのように位置づけるのかを決めるポジショニングについてです。

ターゲティングとは?

セグメンテーション(市場細分化)を行ったあと、どのセグメントを標的にするかを決定することがターゲティングです。セグメントの評価、選択の基準としては以下の3つとなります。

① 規模と成長性

② 競合の状態

③ 自社のビジョンと経営資源との関連性

普通は誰でもできるだけ大きな市場で成長余地のあるセグメントがたくさん売れると思うでしょう。でも、当然、そこは競合がひしめくレッドオーシャンである可能性が高いです。もし仮にその時、ブルーオーシャンであった市場でも、自社が成功することによって次々と競合が参入したり、またはリーダー企業の同質化戦略によって差別化の意味がなくなるということも考えられます。

最初にSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)を考える際には自社の市場における位置付けを明確にする必要があります。市場地位別戦略で言うところの、リーダー(トップ企業)、チャレンジャー(市場第2ー3位)、フォロワー(4位以下)、ニッチャー(特定市場のリーダー)の4つです。

リーダー企業であれば、一番市場規模の大きなセグメントや製品ラインを増やして各セグメントに対応できるよう製品戦略を実行することが可能です。マーケ的には市場のニーズにマッチした製品を効率的に市場展開できるかが力の見せ所でしょう。また、製品ラインをセグメント毎に持ったつもりでも自社製品が同じセグメントでシェアを奪い合うカニバリゼーションのリスクをどうマネジメントするのかがマーケティングの仕事です。

どのセグメントをターゲットとするかには大きく分けて3つのタイプがあります。

無差別型マーケティング

セグメント間の違いを無視して、市場全体に対応しようとするものです。全体を標準化していますので大規模に低コストで提供できるというメリットがあります。一品で全市場というのは余程のコモディティでない限り最近では見かけないでしょうね。コカコーラなんかはそう言えるかもしれませんが、それでもコカコーラゼロとか健康志向にも対応したラインを展開しています。

差別型マーケティング

複数のセグメントを対象にしてそれぞれの違いに応じた製品を提供します。製品ラインが増えるのでその分コストはかかります。一方で製品ラインをセグメントごと持つことによりシナジーはあります。顧客は年月の経過に伴ってセグメントを移動することがあります。例えば、トヨタなどの総合自動車メーカーですと、若い時に乗りたい車と年齢も収入も上がって乗りたい車があるので、トヨタへのブランドロイヤルティを築くことができれば、ライフサイクルに応じた車を選択できます。上で述べたようにカニバリゼーションを回避するためのポジショニング戦略が重要となります。

集中型マーケティング

特定のニッチ市場でリーダーとなる戦略です。新規参入企業であったり、既存プレーヤーでもトップ企業ではないフォロワー企業は戦略を見直して、特定のセグメントでのリーダー企業となって経営資源を集中投下して、他企業が参入できない障壁を築きたいと思うのが当然です。それだけにいかにセグメントを切り分けて、選んだセグメントのターゲット顧客に刺さる製品を提供しなくてはならないです。顧客に刺さるためには、ポジショニングを明確にさせなくてはなりません。

ポジショニングとは?

顧客の立場から見た自社や自社製品の位置付けのことがポジショニングです。

自分たちがこうだと思っても顧客が納得しなくてはそのポジショニングは無意味ということになります。

ポジショニングの切り口としては、3つの条件があります。

1 重要性 顧客にとって重要な切り口か?

2 独自性 ユニークなものか?

3 優越性 競合と比べて常に優位性を保てるか

ポジショニングを検討する上で視覚的に示したものがポジショニングマップです。2軸の切り口で競合製品がどのように位置付けられるかを表し、自社のユニークなポジショニングを見つけ出すものです。

「ワークマンはなぜ2倍売れたのか」にポジショニングマップの好例がありました。

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価格と機能性ーデザイン性の2軸で捉えて、ワークマンが空白の4000億円の市場でポジションを構築できると考えたそうです。

ワークマンは作業着というニッチ市場からアパレル市場へ標的市場を拡大させたわけですが、拡大の中でも自社のポジションを守ることでユニクロなどの大手との競争を避けて成長させています。このように新規参入企業だけでなく、自社の位置付けを再認識して、そのポジションと本当にマッチした顧客へリーチできているのかや見過ごしているセグメントがないのかを再検証することも非常に有効です。

次回はポートフォリオ管理について書きたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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