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セット売りの価格戦術とは?〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

価格戦略の第4回は、価格設定戦術についてです。

一つだけの商品を販売する場合を除いて、企業が提供する製品の組み合わせ(製品ミックス)で販売することが期待できる場合は、製品ミックスで一番大きな収益を期待できそうな値付けを行います。
これから6つの具体的戦術を紹介します。
普段、消費者の視点でも目にしたような価格戦術もあると思います。どのような狙いがあるのかを考えながら見ていきましょう。

ロスリーダーの価格設定

小売店などで顧客に足を運ばせるためにブランドものを値下げする戦術です。
「客寄せ」のために値段を下げられてしまうブランド品はイメージダウンのリスクがあるので製造業者は注意が必要です。
また、ロスリーダーは赤字覚悟で価格設定することがありますが、顧客が期待したように他の商品も買ってくれるかはわかりません。

オプション価格設定

本体とオプションの価格設定のことです。本体の価格を高めに設定してオプションは割安にして追加購入のハードルを低くします。
例えば、車や住宅などの大きな買い物ですとついつい気も大きくなってせっかくなのでとオプションをつけてしまいがちです。

キャプティブ価格設定

オプションと似ていますが値付けの基準が逆です。本体を低めにして、付属品や追加部品を高めに設定します。カミソリ(替え刃)やプリンター(インクカートリッジ)に代表される値付け方法です。

2段階価格設定

固定費と変動する使用料に応じた価格設定です。スマホの基本料金とデータ通信量に応じた価格設定に代表されます。

副産物の価格設定

メインの製品を製造する際に生み出される副産物(バイプロダクト)の価格設定です。副産物が少しでも利益を生み出すことができれば主製品の価格競争力も増すことになります。

製品バンドル価格設定

製品を組み合わせて販売する方法です。バンドル価格には純粋バンドリングとミックスバンドリングの2種類があります。
純粋バンドリングは、3つ買えばもうひとつ同じのがもらえるというような設定です。衣料品売り場で靴下などがよく売られているスタイルです。
ミックスバンドリングは、違うもの同士で一緒に買うと割安になる設定です。マクドのセットのイメージです。

まとめ

6つの価格戦術を紹介しました。ある価格戦術を1社が採用すると競合他社も真似てくるということがよくあります。
一方で、業界が違うと全く採用されないものもあります。そういったところに目を向けてみると新たなビジネスモデルを見つけるきっかけになるかもしれませんね。

最後までお読みいただき有難うございました。


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