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第3回 マーケティング・ミックス

マーケティングについて、原点回帰で基本に立ち返って考察するマーケティングの””。第3回はマーケティングミックス=4Pです。

マーケティングミックスの意義

マーケティングマネジメントを行う目的は、事業を発展させる上で必要不可欠な顧客との関係を創造、維持させるためです。マーケティングミックスはそのために非常に重要で4つのP(製品、価格、流通、プロモーション)を統合することで顧客に一貫性のあるベネフィットをもたらすことができます。

Product (製品)

顧客が直接的に対価を払う対象のことで、製品の品質だけでなく、パッケージやネーミング、デザイン、サービスを含めたものです。Netflixであれば、視聴できるドラマ、映画、アニメなどのコンテンツのことですね。サブスクのように提供される製品の形は変化します。クルマも、所有からリース、カーシェア、サブスクリプションと時代の背景に沿って提供される方法が変わってきました。

Price(価格)

対価として支払う金額の設定に対する戦略です。価格で納得がいかないと顧客は絶対にお金を支払うことはありません。一方で、価格が製品の良さを表す物差しとなるということもあります。例えば、果物屋でいちごが並んでいてブランドごとに値段が4つに分かれていたとします。値頃感が1パック500円くらいとして、一つはすごく高いブランド品(1000円)、2番目はちょっと高め(600円)、そして3番目は平均(500円)で、4番目はすごく安いイチゴ(350円)とします。値段だけが判断基準で見た目は変わらないとすると、よく買われるのは2番目かもしれません。1番目は贅沢をしすぎ、4番目は安かろう悪かろうという心理が働きます。500円より少しプラスアルファくらいの600円に顧客が惹かれます。逆にいうと売りたい商品をそこの価格レンジに置けば売れ筋にできます。

Place (流通)

製品・サービスが顧客の手元に届けれるまでの活動のことです。欲しくても手に入らなければ顧客は購入することはできません。もちろん幅広くどこでも手に入る商品であればそれだけ購入される確率も上がります。でも、販売される場所にも戦略が必要です。わかりやすく言えば、日用品を購入するためのスーパーマーケットで高級化粧品が売るとその商品のブランド価値を下げることにもつながります。どのような流通業者と組むかによって、製品・サービスの推奨の度合いなどの水準も異なるので販売力だけで流通業者を選ぶことは危険です。

Promotion (プロモーション)

製品・サービスに関する情報を伝えることです。従来からの広告媒体から現在はネット、SNSといった双方向の媒体によって製品の情報が顧客から発信されています。顧客が経験した悪い情報ほど拡散される傾向にありますので、それらをいかに対処するのかも考慮しなくてはなりません。

結論は一貫性

マーケティング・ミックスで重要なことはつまりは一貫性です。4Pに一貫性がないと絶対に買ってもらえません。なので、それぞれを切り離してプロモーションだけ実行してもマーケティングとは言えないのです。そして、その4Pの構成を考える上で外的環境との整合性を必ず考慮に入れなくてはなりません。外的環境とは、顧客、競合、取引環境、自社組織です。

顧客:買い手にとって、魅力的な製品とは何か?

競合:競合他社に対する優位性はあるのか?

取引環境:流通業者や取引パートナーとの口座開設は可能か?

組織:自社組織は対応可能か?

顧客、競合については、マーケターは常に目を光らせなくてななりません。一方で、取引環境や組織体制はなかなか変化を加えることが難しいので、もし画期的な製品を新たに自社の製品として加えたいとしても、自社組織や取引環境の変革、投資が必要な場合があります。その場合、インターナルマーケティングを通して、経営層や他部署への巻き込みが必要となります。大方は自社でできることと外部環境を考慮してマーケティングミックスを構成させることが定石となります。逆にいうとそういう大きな投資や変革が求められる製品/アイデアに出会えたマーケターは幸運と言えるでしょう。4Pを考えるときは、定石を踏まえ一貫性を持たせつつも変革を促せるような打ち手がないか絶えず自問しなくてはいけません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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