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イチローの「全力の中で形を作る」がなぜ人の心に刺さるのか

先日、テレビで「イチローと3人の高校生」を観ました。去年12月放送された再放送です。

イチロー選手といえば、私の世代でもっとも輝かしい活躍を見せた日本人の1人です。

番組の全体の感想として、イチローさんの冷めることない熱を感じることができ、少しでも見習える部分があれば取り入れていきたいと思いました。

一番印象に残ったのは「全力の中で形を作る」という言葉です。

巨人の浅野選手が高松商2年の時に同校で指導した際に残した言葉です。

キャッチボールから手を抜くことなく全力で投げて、バッティング練習の見本になってホームランをたくさん打ち選手たちからも注目をされます。でも、本当に伝えたいことはその練習も終盤になってのことだったそうです。

疲れてきても一切手を抜かずバットを振りぬいている姿を見せて「全力で取り組むことで形が作れる」ということを身をもって教えていました。

この教えはスポーツだけでなくて、仕事や生活においても大事なことだと思います。

疲れてきたり慣れてきたりすると惰性でこなしてしまうようなことってどんな場面でもあると思うのですが、本当の意味での自分の形はそこから作られているんだということを意識する必要があります。例えば、簡単な仕事のやり取りのメールでも手を抜くとその人の本質というものがあらわれてしまいます。

この言葉は浅野選手がプロ生活を生きる上での支えとなり、また、高松商業の野球部でも代々受け継がれるべき言葉なのだそうです。

なぜここまでこの言葉が人の心に深く刺さるのか?それはもちろんイチローがこれまで積み上げられた実績があるからこその説得力と言えるでしょう。

でも、本当にすごいのは彼はいまもそれを継続していることだと、思います。

遠投にしても、引退してしばらくたっているのに「あ、これが自分の軌道だ。」というのを追い求めて投げ続け、バッティングも目の前で実践して見せています。

これがもし、「俺は現役の時はこんな努力してたよ」って言葉で伝えるだけでは、若い選手の心には響かないかもしれません。場合によって、そんなことを強いようとするとパワハラ呼ばわりされるかもしれません。

これは、組織における管理者、リーダーにも必要な姿勢だと思います。自分自身がプレーヤー目線で取り組むこと、その姿を見せることでこそ説得力がつくのだと思います。

イチローさんは、「やさしい方と困難な方の2つの選択肢があるとすると、常に困難な方を選んできた」と話していました。

イチローさんは、もしかしたら、今もその難しい方を選んでいるのかもしれません。たぶん、プロ野球の指導者とかは簡単な選択の方で、それよりもっと難しい高校生たちに野球を通して人生を教えようとしているのかな、と思いました。

同世代の自分もすごく刺激を受けました。毎日、全力でやり切って充実した毎日を送ることがとんでもなく大きな山へ到達するための唯一の手段であることを心に銘じて取り組んでいこうと思います。

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