要注意 バンドワゴン効果の功罪-行動経済学の理解と実践62
ランチの時間帯、街で見かけた2軒のラーメン屋。1軒はお客さんはまばら。もう1軒は満員で行列ができています。あんたはどちらのラーメンが食べたいですか?
答えはほとんどの人がよっぽど忙しい時じゃない限り後者と答えるでしょう。
今回は、行列の及ぼす心理効果であるバンドワゴン効果について解説します。
バンドワゴン効果とは?
音楽隊の行進を走る先頭の車のことをバンドワゴンといいます。その後に、音楽隊の行列が続いて行進するわけですが、ここから、人が流行に乗って次から次へと行列を成す現象のことをバンドワゴン効果といいます。
バンドワゴン効果という言葉は知らなくても感覚的によく理解されており昔から「サクラ」と言われる人を使って繁盛しているように見せる行為が行われてきました。
WEBでも口コミ件数の多さやイイねの数が人気の尺度になることもバンドワゴン効果の活用と言えます。
人が人を呼ぶという点からも、店舗であれば人、WEBであれば評価が集まるように努力することは正しい活動と言えます(ステマになってはいけませんが)。
一方でただただ行列を作ればいいというわけではない点に注意が必要です。
行列が顧客の期待を爆上げ?
たとえば、前述のラーメン屋さんの例です。行列を並んでようやく食べることができたラーメン。さそざかし美味しいに違いないと思ったのですが、、
「??」
そんなに、美味しくはありませんでした。
「せっかくならんだのに・・・」
やっぱりすごくがっかりすると思います。そして、2度とそのお店には行かない、と思うでしょう。
リピーターのつかないラーメン屋の末路は想像に難くないでしょう。
この事例における問題点は、「そんなに」にあります。
つまり、お客さんは大きな期待を膨らませていたことになります。
期待を膨らませる原因となっているものが「行列」なのです。
マーケティングの目的は、顧客満足を高めることにあります。
顧客満足とは、顧客の期待を上回る商品・サービスを提供してリピート購買や口コミにつながることです。
行列によって顧客の期待が高まりマーケティングの目的が達成できなくなっているのです。
では、こういった失敗を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
事前調査の重要性
過剰な行列効果の失敗は店舗であればオープン当初によくおきます。開店時、いろいろと客寄せのためのPRもしますし、開店準備の段階で通りすがりの人が勝手に期待を膨らませることだってあります。
オープン時から閑古鳥が鳴くようなことは誰も起きてほしくないですし、賑わった方がいいに決まっています。
ただし、それは提供するモノが顧客の期待に沿っていることが前提条件です。
開店前にしっかりと事前に顧客の声を聞く場面を設けること、そして、その店にふさわしい顧客像が具体的にイメージできるまで落とし込みましょう。そうすることで適正な価格帯や意識すべき近隣競合も明確になってくるはずです。
これは、実店舗でもWEBでも同じです。事前調査とターゲットとなる顧客のイメージができ、その顧客のニーズに合う製品を販売することが顧客満足の獲得し長く売れる商品となるためには必須となるからです。
まとめ
バンドワゴン効果という行列が生まれる心理効果と、それによる顧客の期待向上のリスクについて説明しました。
最後に、最近私が行列に並んで期待以上の味に満足したラーメンの写真を貼っておきます( ◠‿◠ )
最後までお読みいただきありがとうございます。