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Shinkansen / Shinkansen

※Discogに登録されていないようなので、検索して最初に出てきたApple Musicのリンクを張ります。

Latinaというワールドミュージックの老舗の雑誌がありまして、今はNoteに移動してwebマガジンになっています。その編集長がおススメしていたので聴いてみたアルバム。おススメされていた記事はこちら。

詳細な説明は記事を読んでいただいた方がいいのでそちらに譲るとして、坂本龍一ともかつてコラボしていたジャキス・モレレンバウム(チェロ)や、個人的に好きなブラジルの歌手レニーニとコラボしていたマルコス・スザーノ(パーカッション)も参加しているということで聴いてみました。タイトルも新幹線と興味を惹くタイトル。

2020年リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.Shinkansen
軽快なリズム、旅に出るようなイメージ
新幹線というほど早いかと言われると分からないが旅情はある
途中の弦楽器(チェロ)が絡んできて景色が変わる
ギター音も幽玄
心地よく流れていく
★★★★

2.Makoto
ボサノバのリズムで流れていく
BGMにするには質感のある音楽
適度な緊張感がある
単に流れていくのではなく情景が浮かぶ
ブラジル音楽は不思議な音楽だ
ベースが鼓動のように、少し脈打つようにビートを刻む
タンゴほどの緊張感、熱量はないが
音を研ぎ澄ましているプレイヤーの集中力は伝わる
サックスが入ってくる、チェロとサックスの絡み
少しシンセっぽくも聞こえるのはギターか
久しぶりにこういう音楽を聴くが心地よい
ピシっと終わる、気持ち良い
★★★☆

3.Firu Haikai
やや前曲に似た雰囲気
緊張感の質は似ている
鳥のさえずりのような音が入ってきて耳を惹く
やはり南米、ブラジル音楽のコードの響きは独特
息をひそめて獲物をねらうようなチェロの響き
鳥のさえずりが重なっていく
密林が浮かぶ
狩りのようにも、恋人たちが互いを誘い合うようにも聞こえる
いずれにせよ生物同士の駆け引きか
チェロ、ベース、ドラム、ギター、ピアノが織りなす音の密林
アウトロは余韻を残して去っていく
★★★☆

4.Ipanema Sunset Sound
雰囲気が変わり、少しかわいらしい雰囲気
ベースの低音が蠢きだすと雰囲気は変わる
編成はチェロ、ベース、ドラム、ギターが基本
この曲はゲストでトランペット
集中して音のつながりを追っていかないと置いて行かれる
潜って、探っていくと面白みがある音楽
唐突に跳ねて終わり
★★★☆

5.Mr.Desmond Samba
これもゲストがトランペット、口ずさみながら歩くようなメロディー
1曲目のような旅情を感じる
どんなシーンだろう
それぞれの楽器隊がモチーフを自然につないでいく
ソロを回していくがモチーフが近い感じ
昼のようにも夕方のようにも感じる、真夜中ではないな
まだ目が覚め切っていない早朝かもしれない
メロディーを吹ききって終わる
★★★★

6.Maracatuesday
水面に浮かぶ泡、あるは船を漕ぐ手か
そんなことを連想させるバッキング、一定のリズムで繰り返されるパーカッションと
水面に広がる波紋のようなベースがそれを感じさせる
その上でチェロが優雅に踊る
ギターはやや不協和音気味のコードアルペジオをパーカッションに合わせて繰り返す
ところどころ不穏な空気になりながらも船は一定の速度で進む
どこへたどり着くのだろう
やはりポーンと放されて終わる、終わり方が面白い
★★★

7.Walking On Clouds
雲を歩く、なるほど、そういうふわふわした感じをうける
天国ということだろうか、もっとたんに「不安定な状態」みたいなことだろうか
不思議、それほどスリリングな演奏でもないが、何かしら緊張感が保たれている
メロディーの展開もじっくりしているし、何かが閃いてゆっくり消えていく
花火ではなく、ゆっくり明滅しているといった方が良いか
どこかしらノスタルジックなのだが、何がノスタルジックなのだろう
こういう映画音楽があったかな、たとえばジブリとかで
いや、何か別のものだ
自然環境音を感じさせるような音楽、と言うべきか
★★★☆

8.Sayonara Em Narita
成田から旅立つのだろうか、旅情系
旅の思い出を振り返る、といった風景を思い浮かべると分かりやすい気がする
搭乗ゲートを超えて乗り込むところだろうか、離陸が始まる
だんだんと成田の風景が遠ざかっていく
飛行機よりはキャリーケースをひきながら歩いているリズムに合いそうだ
旅行者の歩幅
探索者のワクワク
少しのけだるさ、休日の弛緩
音の描き出す情感をつかむのにはこちらも集中力がいる
チェロに合わせてスキャット
ベースはけっこう動いている
一定のところまで進んで終わり
★★★☆

9.Audio Patrol
不思議な曲名だ、何を見回るのだろう
スピーカーの間?
やや緊迫感があるというか、スリリングな感じ
スパイ映画的と言うか
派手さはないのだが、ああいうダンディなモチーフだ
途中からベースの刻みが早くなる、追いかけっこか
ダンスを踊っているようだ
サンバのリズムへ、ベースがぐいぐい来る
踊りは続く
唐突にピシっと着地、終わり方が潔い
★★★★

10.Crazy Ragga Combination
うねる、ヒップホップ的とも言える低音ベース
ブーストしているようだ
ベースが曲に入れ込み始めた
ノリノリである
いびつで奇妙な生き物たちのダンスパーティだろうか
暴れている、悪い夢というより奇妙な夢
まさにCrazy、か
ちょっと不良っぽさもあるゆがんだサウンドだが、上品
こういうのはブラジル的ユーモアなのだろうか
アフリカっぽくなってきた、何かをたたいている
ドラム音と言うよりよりプリミティブな何か
★★☆

11.Funk Is In The Dirt Of The Strings
急にハキハキしたジャズロック
Funkとあるからファンクか
チェロが歌い上げる
ベースがめちゃファンクマナーに沿って弾きまくっている
なめらかなリズムを刻む
パーカッションも熱を帯びてくる
チェロが入ると面白い空気に
ベースは刻みまくり
いい感じで終わり
★★★☆

12.Afrikan Party
リズムループのような出だし、
ドラムが細かい、ビートを刻んでいたと思ったらよつ打ちになった
リズムが力強い
最後の3曲はそれまでと雰囲気がだいぶ違う
ぐいぐい躍らせに来る
不思議な声で終了、Turkeyと言っている?
★★★

全体評価
★★★☆
クオリティは高く、緊張感もある
個人的に何度も聞き返すかと言うとそうでもないが
不思議な魅力はあるので聴いているうちに好きになりそう
1曲目はポップで好き

リスニング環境
夜・家・スピーカー

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