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アルバムレビュー

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漫然とアルバムを聴いていると印象を忘れてしまうので、アルバムを聴きながら1曲づつ感想を書き留めてみることにしました。特にジャンルレス。その日選んだアルバムを聴いてレビューしていき…
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#メタリカ

Metallica & San Francisco Symphony / S&M2(2020)

Metallica & San Francisco Symphony / S&M2(2020)

全歴史を総括しなおし、ロック(ボーカルとギターが主体の音楽)の現在の最新系たるメタルミュージックを拡張してきたメタリカが現時点での最新アルバム。映像含めたレビューは以前書きましたが、改めて音だけで聴き直してみます。

Metallicaの歴史の中で言えば、なぜいま1999に一度行ったオーケストラとの共演を再演する必要があったのか。それは、「バンドサウンドが完成した」と思ったからでしょうか。90年代

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Metallica ‎/ Helping Hands... Live & Acoustic At The Masonic(2019)

Metallica ‎/ Helping Hands... Live & Acoustic At The Masonic(2019)

チャリティのために行われたアコースティックコンサートの模様を収めたライブアルバム。アコースティックライブは結構昔から行われていたようですが(それこそブラックアルバムリリース後から)、一般向けの音源としてリリースされるのはこれが初めて。だいぶレイドバックして、歓声の大きさからそれなりの規模の会場だと思いますが、アットホームな雰囲気を感じます。こういう音像もそれなりにサマになってきたのは「ロックバンド

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Metallica / Hardwired...To Self-Destruct(2016)

Metallica / Hardwired...To Self-Destruct(2016)

2016年リリース、10作目のオリジナルアルバム。トゥルージロ加入後2枚目のアルバムにして、Lulu後、初のアルバム。前作、「Death Magnetic」が「1st~4thの集大成」だったとしたら、こちらは「ブラックアルバム~St.Angerまでのボブ・ロック期の集大成」とも言えるアルバムです。Luluを経たことによって、ようやく拡張と冒険のボブ・ロック期を総括できるだけのバンドの容量が手に入っ

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Metallica / Through The Never(2013)

Metallica / Through The Never(2013)

2013年、ライブを主体とした映画「Through The Never」のサントラという立ち位置でリリースされたライブ盤。Metallicaは今までベスト盤を公式には出しておらず、これはライブ盤ながらベスト盤としての役割も果たしています。Live音源自体はいろいろと発表していますがアルバムとして広く一般流通で販売するのはLive Shit: Binge & Purge(1993)以来、20年ぶり。

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Metallica ‎/ Beyond Magnetic(2012)

Metallica ‎/ Beyond Magnetic(2012)

Death Magneticのアウトトラック集。FC限定かな、2011年に先行発売されたようですが、一般発売は2012年、ルー・リードとのコラボ作「Lulu」の後に発売された作品です。「Lulu」は前回取り上げた通り「Metallicaが次に進むための重要な一歩」だったと思いますが、「Metallicaらしさ」が希薄だったのも事実。ある意味、今までの作品で一番急激に変化したというか、音楽性を拡張し

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Lou Reed & Metallica ‎/ Lulu(2011)

Lou Reed & Metallica ‎/ Lulu(2011)

2011年、突如リリースされたルーリードとのコラボ作。これはMetallica&Lou Reedではなく、Lou Reed&Metallicaなのがミソで、まさにルーリード主体のアルバム。セールス的にも「メタリカのアルバムとしては失敗」だが、「ルーリードのアルバムとしては成功」という立ち位置。

で、リリース当時は「よくわからないなぁ」というのが率直な印象でした。「Metallicaの作品」という

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Metallica / Death Magnetic(2008)

Metallica / Death Magnetic(2008)

2008年、5年ぶり9枚目のオリジナルアルバムにしてロバート・トゥルージロ加入後初の作品。トゥルージロの加入によって新しいバンドサウンドとなり、満を持しての作品です。90年代を通して、ブラックアルバムからSt.Angerまでタッグを組み「第5のメンバー」とも言われたプロデューサーのボブ・ロックとの共同作業を離れ、リック・ルービンと組んだ作品。リック・ルービンという人はあまり細かいプロデュースはせず

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Metallica ‎/ Some Kind Of Monster(2004)

Metallica ‎/ Some Kind Of Monster(2004)

映画「Some Kind Of Monster(真実のメタリカ)」の公開に合わせてリリースされたEP、表題曲は「St.Anger」からの曲ですが2曲目以降はライブ音源、ロバート・トゥルージロ加入後のライブ音源としては初リリースです。なお、2004年、トゥルージロ加入後のMetallicaは自分たちのサイトですべてのライブ音源をダウンロード販売、CD販売するようになっており、そういう意味ではあらゆる

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Metallica ‎/ St. Anger(2003)

Metallica ‎/ St. Anger(2003)

2003年リリース、21世紀最初のMetallicaの作品にして「Load」に匹敵する賛否両論を呼んだ問題作です。まず、ジェイソン・ニューステッドの脱退。再びベーシストを失ってしまいます。改めて聞き直すと、バンドメンバーの変化はサウンドに大きな影響を与えます。Metallicaは各メンバーがそれぞれのグルーヴをぶつけ合って生まれる音の渦、ポリリズム的な酩酊感が本質的な快楽構造であり、メンバーの変化

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Metallica With Michael Kamen Conducting The San Francisco Symphony Orchestra ‎/ S&M(1999)

Metallica With Michael Kamen Conducting The San Francisco Symphony Orchestra ‎/ S&M(1999)

サンフランシスコ交響楽団(S)とMetallica(M)のコラボ、S&M。アルバムクレジットはマイケル・ケイメン指揮サンフランシスコ交響楽団、と、指揮者の名前が入っています。マイケル・ケイメンは映画音楽やロック系のアーティストとコラボが多く、メタリカ以外にもエアロスミス、エリック・クラプトン、デヴィッド・ボウイ、ケイト・ブッシュ、布袋寅泰などとコラボしています。そうしたバックグランドも合ってオーケ

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Metallica ‎/ Garage Inc.(1998)

Metallica ‎/ Garage Inc.(1998)

今までのGarage Daysシリーズの総まとめとしてリリースされた「Garage Inc.」、2枚組で、1枚目が97年時点での新録音、2枚目に今までのGarage Daysはじめ、発表してきたカバー曲を収録したアルバムです。「Load」「Reload」で音楽性を拡張し、デビュー当時とはかなり異なる音像を探索してきたMetallicaですが、ここではガレージシリーズの趣旨の通り原点(Garage

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Metallica ‎/ Reload(1997)

Metallica ‎/ Reload(1997)

1997年リリース、前作「Load」と同時期に作られた曲集ということで、当初は2枚組にするアイデアもあったとか。確かにLoadに通じるところもありますが、大きな差はプロダクションがこなれているというか、明らかに「こうした曲調」に合う音像になっています。全作は「新しいサウンド」を模索する印象がありましたが、今作は「こうした曲調に合うサウンド」をしっかり標準を合わせてきた印象。改めて聴くと、Metal

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Metallica ‎/ Load(1996)

Metallica ‎/ Load(1996)

Metallica6枚目のオリジナルアルバム、1996年リリース。問題作その3にして、衝撃度は一番だったかもしれない作品。「メタリカ学習帳」のとんでもなさも含めてなんとなくリアルタイムでは闇歴史扱いされることもあるアルバムですが、改めて聞き直すと良い曲は良いですね。メタルの枠を外して、もっと普遍的な「ロック」を追求した感じ。80年代のメタルバンド以外に、70年代、60年代のロックバンドもMetal

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Metallica / Motorheadache '95(1996)

Metallica / Motorheadache '95(1996)

Loadからのシングル「Hero Of The Day」のB面に収録されたMotörheadだけのカバー曲4曲。リリースは1996年ですが、のちにGarage Inc.の2枚目に収録される際に表題の「Motorheadache '95」というタイトルがついています。録音が95年だったということ。ちょっとソースが見つけられなかったのですが、これおそらくLoadのスタジオセッションに入る前、あるいはか

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