詩 「郡上温泉」(2022)
雨霽(は)れた日にひっそりと
サウナの中で立ち上がり
じっと坐って腕を組む
白い煙が颺(あが)ってく
ぬれ手拭いを脇に置き
キョロリキョロリと見廻して
首を湯船に引っこめる
酒飲まぬのに赤い顔
小さく円い美しい
きれいなあわを眺めてる
うすぼんやりと思い出す
柳ゆらめく露天風呂
ある少年が言葉なく
親爺と共に湯につかる
息子の髪は濡れ光り
莞爾々々(にこにこ)顔を浮かべてる
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