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今年期待の竜戦士!① ~完全復活を目指す鈴木博志投手~

 プロ野球のキャンプが開幕してもう少しで1週間。今回は初めて連載記事に挑戦してみます。題して「今年期待の竜戦士!」です。昨年の悔しさを晴らすべく、今季の中日のカギを握る竜戦士をピックアップします。第1回目は完全復活を目指す2017年ドラフト1位右腕・鈴木博志投手です。

悔しいシーズンが続く鈴木投手

 鈴木投手は2017年のドラフト会議でヤマハから即戦力投手として中日に入団しました。そして1年目、周囲の期待をはるかに上回る活躍を見せます。1軍で53試合に登板し、4勝4セーブを記録しました。ルーキーながら50試合を超える登板を記録し、さらにはセーブを挙げるなどまさに即戦力投手として活躍しました。そんな鈴木投手の未来は誰もが輝かしいものになると信じていました。しかし、2年目以降、苦戦を強いられます。
 2年目のシーズンは守護神として14セーブを挙げる活躍をみせましたが、1年目から大きく登板数を減らし、わずか25試合の登板に終わりました。雪辱を果たしたい3年目はさらに登板数を減らし、2年連続キャリアワーストを更新する6試合の登板に終わりました。勝敗はつかず、防御率は12点台に跳ね上がるなどさらに苦しいシーズンを送りました。そして昨年、フォームをややサイド気味に変え、新たな姿で挑戦したシーズン。ルーキーイヤー以来の白星を挙げ、元・守護神の完全復活への狼煙が上がったと思いましたが、防御率は5点台、18試合の登板に終わりました。1年目以降、悔しいシーズンを送っている鈴木投手。中日の強力な中継ぎ陣に割って入ることができず、ここ数年は2軍暮らしが続いています。

もっと荒々しく

 鈴木投手の最大の武器といえば150㌔を余裕で超える直球です。適度に暴れるその直球は威力も抜群で、さすが「ドラ1」と思うほどの球を投げ込んでいます。しかし、近年は制球面を意識しすぎている影響なのか以前より球が良い意味で暴れていないように感じます。バウンドすれすれの引っかかった直球、球威の足りない直球が大きくストライクゾーンの枠を外れ、甘く来た球を痛打される場面が目立っています。ストライクとボールの差が大きく、相手打者も見極めやすくなってしまっていると感じます。カットボールでカウントを整えようとする場面もありますが、甘い所に行くことが多く、こちらも痛打される場面が多いように感じます。

レッドソックス・澤村のように

 しかし、良くも悪くも鈴木投手の最大の武器は適度に暴れ、150㌔を余裕で超える直球です。制球を気にしすぎるより、アバウトな配球で球威抜群の直球を投げ込んだ方が良いと私は考えます。巨人、ロッテで活躍し、昨年からメジャーリーグで活躍している澤村拓一投手も、制球はアバウトですが球威で打者を圧倒しています。澤村投手には落差の大きいスプリットがありますが、鈴木投手も球威のある直球を武器にしている部分は同じです。澤村投手のように、荒々しい球で相手を圧倒するスタイルが鈴木投手本来の姿だと私は思います。

中継ぎ陣のカギになる

 今季の中日も中継ぎ陣は強力です。又吉投手は抜けましたが、実績十分の岩嵜投手が加入しました。さらに絶対的守護神のR・マルティネス投手、祖父江投手、福投手など数々の投手が控えています。しかし、荒々しく球威で圧倒するスタイルの投手は少なく、鈴木投手にもチャンスが巡ってくるでしょう。祖父江投手、福投手、藤嶋投手、谷元投手らは球威より制球力と変化球で打ち取るタイプで、鈴木投手のようなタイプの投手は貴重な存在となるでしょう。かつては中日の9回のマウンドに君臨し、守護神を務めた投手です。このまま終わるわけにはいきません、必ず復活した姿を見せてくれることでしょう。

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