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衝撃トレード!中日の思惑とは【中・阿部選手⇔楽・涌井投手】

 衝撃的なトレードが成立しました。中日の阿部寿樹選手と楽天の涌井秀章投手です。互いにプロの世界で実績の残すビッグネーム。まるで予想もつかなかったこのトレードに、中日はどのような思惑があるのでしょうか。

得点力不足に追い打ち

 中日の課題は得点力不足。12球団最下位の414得点に62本塁打。ここさえ解消すれば、自慢の投手陣が勝利へ導いてくれると考えていました。

 今オフの補強は当然野手陣。ドラフト会議では4名の内野手を獲得しましたが、ドラフト7位の福永裕基選手以外は俊足巧打タイプ。長打力不足解消には、まだまだ補強が必要でした。

 しかし、チーム3位の8本塁打を放ったA・マルティネス選手が退団。得点力不足に追い打ちをかけ、新外国人等の補強が注目されました。

 そんな中で、チーム2位の9本塁打を記録した阿部選手が楽天にトレードされるという衝撃的なニュース。一体、来季の打線はどうなってしまうのだろうという不安が襲いました。

 阿部選手は反対方向にも強い打球を飛ばし、しぶとい打撃で竜打線に欠かせない存在でした。今季は133試合に出場し、打率2割7分。中日野手陣の中ではトップクラスの成績を残しました。

完全復活する可能性あり

 その阿部選手を放出してまで、獲得したのは楽天の涌井投手。今季は10試合に登板して4勝3敗、防御率3.54の成績を残しました。

 涌井投手は誰もが知る名投手で、実績は申し分ありません。36歳と年齢は重ねていますが、ベテランらしい味のある投球を魅せている印象でした。

 楽天に移籍した初年度こそ2桁勝利を達成しましたが、昨季は6勝、今季は4勝と数字は下がってきています。しかし、投手有利と言われるバンテリンドームのマウンドに立てば、完全復活する可能性は十分あります。

先発ローテが強力に

 松葉貴大投手もそうでした。オリックスで伸び悩み、2019年シーズン途中に中日に加入。すぐには結果を残せませんでしたが、昨年と今年はともに6勝をマーク。今や先発ローテに欠かせない存在となっています。

 涌井投手が加入することで、不安材料だった先発ローテの枠が埋まることになります。大野雄大投手、柳裕也投手、小笠原慎之介投手の3本柱に、松葉投手、侍ジャパンに選出された高橋宏斗投手が加わり、先発ローテが完成します。

 高橋宏投手が今季同様、登板間隔を空けたとしても、残る枠は1枠。期待の若手投手はいますが、すぐに結果を求めるなら安定した投球が持ち味の投手が必要でした。涌井投手はまさに補強ポイントに合致した選手といえます。

立浪監督が目指す野球

 しかし、最大の課題である野手陣の補強は進んでいません。むしろ、大打撃を受けている状態です。このままでは得点がさらに奪えなくなり、いくら良い投手を揃えても、今季のように白星をつけることができない状態となってしまいます。

 今回のトレードは衝撃ですが、ドラフト会議の指名状況も考えると、立浪監督は守備からリズムを作り、守り勝つ野球を目指しているように思います。

 そこに足を絡め、セ・リーグ3連覇を達成した時の広島カープのような野球を目指しているように感じます。ただ、その時の広島でも鈴木誠也選手や丸佳浩選手など、中軸選手がどっしり構えていました。

 いずれにしても、中軸を担える長距離砲の獲得は必須です。投手陣は完璧な布陣に1歩近づきました。ドラフトで投手の指名が足りないと感じていましたが、涌井投手の加入で層がグッと厚くなりました。

 あとは長距離砲獲得のニュースが待たれます。A・マルティネス選手、阿部選手が退団した今、1人と言わず、複数人長距離砲を獲得しても良いかもしれません。

【参考サイト】


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