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浮世の太平

木々の囀り、鳥の鳴き声が広がる丘の上の古い家。

スキンヘッドの黒服が、ガンくれながら一家の批判と、知人の悪評をひたすら声を荒げ捲し立てるのだけれど、いまいち何を伝えたいかわからないので、一旦小指を掴み椅子に座らせ話を聞くことにした。よくよく問いただしてみるとその者は入社希望の男だった。
我々は代々この土地で夜の秩序保ち混沌とした平和を守ってきた一族だ。

結果我々は採用し暫く共に同じ屋根の下、この場を仕切り時を過ごした。

しかし、暫く日が経った頃、地下室の奥に代々開けるなと伝えられてきていた扉があるのだが、大昔に大吸血鬼が封印されていたようで、どうしたわけかそれが解かれ彼は目覚め「俺の縄張りで随分好き勝手してくれるな。とりあえず家から出ていけ。」と罵られ、抵抗するものの我々は多くの犠牲を払い追放され、丘を降り湖を越えて新しい縄張りを探す旅に出た。
どんなに武装していようとも抗えぬものがある。

果たして安住の地、我々の新境地は見つかるのか。

そんな夢から目覚め迎える朝。実に穏やかな空気だ。

この世界もこの体も意思も全て。
私達が独占し切れるものなど無いのであろう。
麗しき闇の使者よ安らかに眠れ。

夢で浮世で踊らされ、また今日が始まる。

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