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凄いぞ大坂!

このところ忙しくて間が空いてしまった。というか仕事は山積みだが、ちょっとやる気にならない(苦笑)

で気になってるのが大坂なおみの全仏オープン記者会見拒否問題である。
2021年5月26日にツイッターで記者会見を拒否する意向を表明、大騒ぎになり5月31日には全仏オープンの棄権表明と共に2018年以来うつ病を抱えていることを明かした。
これらの表明以降、テニス関係者・マスコミはじめ物凄い騒ぎになり、ウェブ上でも賛否両論かまびすしい。

私の第一印象は、これはなかなか難しい問題を提起したなぁだった。
もともと大坂はBLM(Black Lives Matter)問題の際も、犠牲者の名前を記載したマスクを着用して試合に臨んだりするなど、テニス以外での振る舞いであれこれ議論を巻き起こしてきたが、今回の騒動はメガトン級だろう。

大坂の振る舞いは我が儘と言う意見、うつだから可哀想という見方、最初から鬱だと言えば良かったのにという批判、諸々あるが、私も賛同する部分とどうかと思う部分がある。
そもそもプロテニス界なるものが存在し、ここまで盛り上がっているのは勿論ファンが多い故だが、そのファンを開拓するのに会見は必要不可欠だろうから、会見したくない、SMSで自分で情報発信するから良いというのは、我が儘と言われても仕方ないだろう。
一方で、会見の場で心無い質問、不勉強な問い、単なる興味本位の詮索などがあるのも事実で、単なる我が儘とも言い切れない。
更にうつ病と闘病していると公表した途端に、一部関係者が急に矛を収めたのも面白かったが、本格的なうつ病(という言い方も変だが)だったら、とてもテニスどころではないはずで、これまたうつ病への見方や実情を誤解させる可能性もあり、しかし問題意識を広げるという観点では良くぞ公表したともいえる(うつ病の実態についてはこの本が非常に参考になる)。

兎も角論点が多すぎるし、自分でも考えがとてもまとまらない、また長くなるし仕事もある(笑)。なので、これだけ書いておきたい。

まず大坂の知名度・影響度の高さである。イギリスの主要紙では「女子のプロスポーツ選手で世界で最も稼いでいる選手」という枕詞を大坂に冠して、FTなどの経済紙ですら取り上げている。これだけの評価・扱いを受けられる日本人が過去・現在どれだけいるだろう?
(因みに英国主要紙では何らか記者の意見が記載されているのに対して、日本のマスコミのチキン丸出しな報道は噴飯ものだった。批判すべきか(マスコミなら当然だろう)、人気者だから批判しない方が良いと迷ってるのか分からないが、自紙の意見はほぼ無く、有名人や海外マスコミの賛否を記事にするだけという情けなさが際立った。会見拒否なんてある意味マスコミへの挑戦なのに、正面から向かい合う気概ある報道は皆無。)
一方で、そもそも日本人なのか?という、これまた論点盛り沢山の取り扱われ方をされた過去もあり、存在自体が論争を巻き起こす、それに本人はホトホト嫌気がさしており(当然だ)、辛い思いもし、しかし論争を巻き起こす行動も取る。

なんだか矛盾の塊みたいで、もの凄く人間味を感じさせる(多くの人に感動を与えらえれるように頑張ります(棒読み)的コメントしかできないスポーツ選手と大違い)。
加えて、才能あるごく一部の人に富が集中し、それ以外の大多数は貧困層という今の世を体現している(年収は66億円らしい!)、なのに恐らく本人はお金にさほど執着してないというか、贅沢とか興味なさそうに見えるのもまた矛盾。

私なんて多分大坂のマネージャーだったらBLMのマスクをする大坂を「気持ちは分かるけど、今着けなくても良いし、心を痛めてますとか応援してますくらいのコメントをツイートすれば良いんじゃね」と言って止めてたと思う(挙句にそんな話じゃないと軽く押し切られてただろう(笑))。

そんなしょうもない世の中への小市民的忖度とは一切無縁に、自分の思うところを(しかも結構深く考えてる!)ぶつけてゆこうとする彼女は本当にカッコ良い。見てて爽快な気分になる。
テニスラケットなんて握ったこともないし試合も見ないが、大坂、凄いぞ、頑張れ!



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