見出し画像

さよなら二人のリズ

もはや言い訳のしようもないぐらい間が空いてしまった。もっとも誰に言い訳する必要もないので、自分に言い訳してるのかもしれない。
イギリスではコロナは終わったことになり、誰もマスクせず、日本・中華圏を除く各国との往来もほぼ自由になり、毎日が充実?してくるとNote書いてるどころではなくなってしまった。

コロナが終わった(ことになった)のは良いのだが、その間にジョンソンは辞めるは、エリザベス女王は亡くなるは、果ては今日トラスまで爆速で辞任してしまった。
気づけば円は1ドル=150円まで下落し、あれだけ叩かれたポンドに対してですら168円と170円目前。
金利も上がりまくり、半年前とは見まがうばかりの状況だ。

思えばリズ・トラス「元」首相(まだ辞めてないが)も結構な厳しいタイミングで首相になってしまった。財政の裏打ちのない減税策が金融市場を混乱させたというのが辞任の主因だが、「だって選挙戦の公約なんだし。就任前から分かってたでしょ」と彼女は思っているだろう。
公約を掲げ、議員の信任を得て首相の座に就き、公約を実行したんだから、すぐ公約破る某国政治家より余程誠実じゃないかと。

まぁ世界各国で昔からある話だ。有名なのは"It’s the economy, stupid."だろう。結局は景気良くしないと政権は持たない。安倍首相だって第二次政権が長期化したのは曲りなりにもフローは良かったからだ(財政は酷いことになったが)。
トラスはそこを見誤った、というか経済悪くするつもりはなかったのだろう。ただ経済センスは無かったし、可哀想に周囲も経済音痴だらけだったということだろう。

年明けは1%未満だった10年英国債は、トラス就任直前は3%を超え、これだけ国債が下落してるなかで、ばら撒き政策実行すると宣言してしまえば、国債追加発行だと誰もが連想し、となれば国債の価格は下がらざるを得ない。
悪いことにコロナでじゃぶじゃぶ金をばら撒いて、しかし使う先が無いから株にボチボチ回るぐらいで、多くは国債の形で投資家は保有している。
そんな中で国債が下落すれば皆含み損だ。
しかも急に国債が下落(=金利上昇)したもんだから、そんなに急に金利は動かない前提でポジション組んでた年金基金が枕を並べて討ち死にしそうになり、強制損切り(国債強制売却と同等の効果をもたらす)を迫られたもんだから、更に国債が下落するという負の連鎖が発生し、英中銀は国債売却を止めて一転買い支えせざるを得ず、大混乱を招いたというわけだ。

ま、そんな年金の投資ポジションなんて知らんがな、ということだと思うが、当然金融のプロが事前にご注進しないはずはなく、年金ほど極端な例は理解できなくても、殆どの投資家の傷口に塩を塗ることは甘く見るべきではなかった。
結果論だが、素直にスナクを首相にしときゃよかったと保守党員は全員思っただろうが、時すでに遅し。

何かの拍子にこの駄文に目をとめた読者の方、金融市場はいつも急に心変わりする、しかしその予兆はいつもあることは覚えておかれると良い。
私も自戒を込めつつ、改めてその想いを強くした。

しかし短期間で女王と首相の2人のリズを失ったイギリスはどうなるのだろう。やはり女王の支えは大きかったのか。そしてチャールズ3世は何を思うのか(なんも思わなさそうだが)。
しかし、若いリズは可哀想だった。最後はほぼいじめだったし同情する。
再起して欲しいと思うものの、良い人っぽいけど無能との烙印が押されてしまったも同然で、まぁないだろうなぁ、、、

とここまで書くと、岸田首相は何であんなにボケっとしてられるのか不思議だなぁ。どう考えても日本も近々ヤバいことになるだろう。
皆さんシートベルトを着用ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?