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システムを導入するとは?#6

生産管理システムについて学習し、システムはどうやって導入するのか?について学習しています。
いよいよ6章。
「システム導入ステップ」と「発注者側、ベンダ側のあるべき姿勢」がだいぶ理解出来てきました。さらにあるべき姿勢を理解していきます。

参考図書

第6章 ベンダとの適切な役割分担
~発注者はどこまでワガママでいられるのか~

01_分担

第6章の読み方

・システム開発を成功させるための発注者とベンダの関係がテーマ
・システム開発においては、技術に明るく経験豊富なベンダが中心になりがち
・ここまで述べてきたように、発注者側はベンダと一緒になって発生する問題に対応し、常に正しい方向に軌道修正しながら進める必要がある
・発注者側の責任で要件を期日までに回答出来ないからといって、ベンダの見切発車を絶対に見過ごしてはいけない
・早く作業を進めたいベンダのペースに乗る事なく言うべきことは言って、待たせるものは待たせるべき
パッケージソフト導入時の発注者側の留意点は
①パッケージソフトの長所を取り入れる事
②自社の今までの業務プロセスの長所を残す事
のバランス
をどう取るか

引用:システムを「外注」するときに読む本 ISBN 978-4-478-06579-2  P274~277参照

第6章のまとめ

<ベンダとのコミュニケーションのキモ>
・期限までに要件を決め切れないことは日常茶飯事
・要件定義工程完了前に「今後どうすべきか」を改めて話し合うチェックポイント会議を開く
ベンダへの質問に遠慮は不要。技術・業務でもどんどん聞くべき。それによってベンダ側の知識が醸成される
パッケージソフトを使うときでも、こだわりたい自社の長所は捨てずに入れ込む
・発注者とベンダはお互いに「自分たちの方が損している」と思うくらいがちょうどいい

引用:システムを「外注」するときに読む本 ISBN 978-4-478-06579-2  P309参照

<6-1>ベンダが勝手に作業を進めても黙認すると合意したとみなされる

・ベンダが勝手に作業していることを知っていながら放置していると、要件合意と捉えられる事もある
・発注者はベンダが勝手に作業を進めた段階でやめるように言うか、「手戻り作業費は払わない」と明言しておく

引用:システムを「外注」するときに読む本 ISBN 978-4-478-06579-2  P279~284参照

<6-1 所感> 
ベンダは開発に対して、その大きさから先んじて孫請けやひ孫請けなど多段でリソースを確保します。
要件変更や遅れは約束したリソースを解放する事に繋がるためベンダ側のプロジェクトマネージャーはどうしても焦ります。予定通りに行かないことを前提にしてはいるもののあまりに計画と乖離が大きくなると非現実的になるため、「スコープを狭めるか」「ステップを刻むか」を早めに発注者側も意識すると良いです。

<6-2>要件定義終了時に宿題と方針を確認する「チェックポイント会議」

・チェックポイント会議を工程完了前に実施し、残った課題一つひとつに、いつまでに・誰が・何をするかを決める
チェックポイント会議は発注者が主導する
・チェックポイント会議の議題
①要件など未決事項はないか
②未決事項があれば、いつまでに誰がどのように決定するか
③未決事項への対応で、スケジュールや工数が計画時と変わるか。それは受容可能な範囲か
④未決事項の対応は技術・スキル面で可能か
⑤未決事項の対応により、影響を受けるほかの要件はないか

引用:システムを「外注」するときに読む本 ISBN 978-4-478-06579-2  P284~288参照

<6-2 所感>
なんでも言うは易し行うは難しいです。
プロジェクトは予定通り行かない。と言う前提を持って定期的にチェックポイントを設けて改善するというのはシステム導入に限らず全てのビジネスで同じですね。

<6-3>パッケージソフトを自社に適した形で導入するため

良く売れているパッケージソフトは、その対象業務のIT化に成功して効果が出ている企業のやり方=業務プロセスを参考にしている
・パッケージソフトの導入は、単にコスト削減やソフト品質だけじゃなく、「他社の良いやり方を自社に取り込む」という目的もある
・パッケージソフトにおいて、現場の意見を全ていれると結局カスタマイズし過ぎて独自システムになってしまう
・パッケージソフト導入時の要件定義は現状の問題点だけでなく、今の業務プロセスの良い点と残したいところを明記しておく
・パッケージソフトの利用には割り切りが必要。良い機能でも自分たちの業務の良い点を残せないなら使わない

引用:システムを「外注」するときに読む本 ISBN 978-4-478-06579-2  P296~304参照

<6-3 所感>
このセクションは個人的には最高の内容です。この本はほんとに凄い。
私は「日本人は業務をシステムに合わせるのではなく、システムを業務に合わせる」と長年思っています。だからパッケージソフトでなくカスタマイズソフトが多く、高額な割に結局使えない。と思っています。
まさにこの本でも同じ事を述べていて衝撃でした。「パッケージソフトが他社の良いやり方を自社に取り込む」という目的を果たすという一文は感動すらしました。
とは言え、自分たちの業務を全て壊せない現実に対しても導入前にきっちり業務プロセスで
・パッケージソフトで効率化したい業務
・残したい業務
 →カスタマイズで対応できるか
 →カスタマイズ出来ないなら、この業務では使わないと割切る
と示しています。100%納得の内容でした。


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