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読書履歴#1_スタートアップについて知る

読書期間 2021年12月3日~4日
文字数 約4,300文字

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私の勝手な4部作も終わったので、読書しながら忘れないように要旨だけまとめていきます。
インプットは当たり前な日常ですが、アウトプットも当たり前にしていきます。

22年4月から転職する先がスタートアップということもあり、スタートアップについて勉強してみようと思い手にした本です。

スタートアップに限らず、新規事業でも十分適用できる内容です。
読みやすくて思わず2回連続で読みました。

参考図書

対象の読者

・スタートアップをこれから始める人
・すでにスタートアップを始めているが、原則を確認したい人
・キャリアとしての起業に興味のある大学生や新社会人
・新規事業担当者
・スタートアップに関わることになった担当者

逆説のスタートアップ思考
ISBN978-4-12-150578-1 P8、9

第0章 スタートアップとは

・世界の複雑性と不確実性が増している(技術の陳腐化加速、新技術探索の困難)
スタートアップは「短期間で急成長を目指す一時的な組織体」、新興企業でも着実な成長を目指すものはスモールビジネス

◼️ なぜいまスタートアップか
・世界中でイノベーションが求められている
・起業コストが劇的に下がった

・MBAを取得して「プロの管理職」になるのではなく、起業して「新しい事業を興す経験」の方が役立つキャリアと認識され始めた
・良い大学→大企業で既存の仕組みを効率的に行う仕事で一生安泰ではない時代になっている

逆説のスタートアップ思考
ISBN978-4-12-150578-1 P23~35

<所感>

いわゆるVUCA(Volatility:変動性・Uncertainty:不確実性・Complexity:複雑性・Ambiguity:曖昧性)の時代においては演繹的に仮説検証を繰り返して、プロダクトを市場にフィットさせないと無理という事に感じました。

私も大企業に10年いましたが、なかなか既存の仕組みは変える事ができませんでした。
トップが変えると言っても、現場は変えたくないって感じでしたね。

第1章 アイデア

・すべてアイデアから始まる
スタートアップとして優れたアイデアは、一見そうには見えない(アイデアの反直感性)

◼️ 不合理な方が合理的
不合理なアイデア=誰も手をつけていないアイデア
・悪いように見えるアイデアは「悪い」ことが多く、悪いように見えて「実は良い」アイデアは希少

◼️ 難しい課題の方が簡単
・簡単な理由
 1、周囲からの支援を得やすい
 2、優秀な人材採用につながる
 3、競合がいない
・今はまだ面倒な仕事に着目して、それを技術やどによって劇的に改善することができれば有効なアイデアとなる

◼️ 説明しにくいアイデアを選ぶ
・スタートアップのアイデアや製品はシンプルである必要がある。しかしそれが分かりやすいかと言われればそんなことはない
・良いアイデアは最初理解され辛く、適切に当てはまるカテゴリもない
・反領域的な課題や技術にスタートアップが攻め入るメリット
 1、まだはっきりした領域ではなく市場規模は測定できず、計画性を重視する大企業は参入しにくい
 2、課題が解決されず残っているので、解決策はおもちゃのようなモック(MVP)で十分
スタートアップのアイデアは「考え出す」のではなく「気付く」もの
・イノベーションに対する最高の賛辞は「なぜ、自分には思い付かなかったか」である

◼️ Why Now?
・ピッチするときは「Why this?」「Why you?」「Why Now?」の問いに答える事が必要

◼️ 劇的に変化するテクノロジー
・単に最新でなく、急激に「性能」「コスト」「サイクルタイム」が変わりつつあるテクノロジーに着目する
・スタートアップとして成功するには進歩したテクノロジーで解決できる大きな課題とそのビジネスを維持できる優れたビジネスモデルが必要

◼️ スタートアップの成長はべき乗則
・急速な変化は徐々に始まり、数字にはなかなか表れない

◼️ ビジョン・ミッション・ストーリーが重要
・スタートアップとして良いアイデアは多くの否定を受けることになる
・スタートアップは目まぐるしく状況が変わるため、事業の重要な部分で粘り強くあるためにもビジョン・ミッション・ストーリーは起業家に必要

逆説のスタートアップ思考
ISBN978-4-12-150578-1 P39~94

<所感>

言うは易く行うは難しとはまさにこのことです。
ただ、
・考えるのでなく気付くものであること
・顧客ヒアリングしてもずばり答えは出てこないこと
・一見不連続なものをつなげてみようとすること
この意識を持っておくだけで違うと思いました。
そしてそのマインドがこれからのビジネスマンには不可欠なのでしょう。

第2章 戦略

◼️  競争でなく独占
・スタートアップが狙うべくは競争を避けて独占すること
・独占は独自の価値を提供できるから結果的に生じる
・独占するためには「素早さ」が重要
・独占の5つの条件
1、小さな市場を選ぶ
2、少数の特定の顧客が集中している
3、ライバルがほとんどいない
4、顧客に刺さり続ける仕組み
5、スケールに必要な限界利益が低い


スタートアップは、「合理的な判断が必要とされる大企業が踏み込めない領域」に踏み込むことで競争を避ける事ができる
・小さな市場は競合も少なく、大企業が参入しづらい
・「今は小さいが今後急成長する市場」を独占した後は長く独占する事が重要であり、以下の要素のいずれかが必要
①プロプライエタリテクノロジー(専売的な技術)
→知的所有権を持つなどの技術的な優位性
②ネットワーク効果
→利用者が増えれば増えるほど利便性や価値が高まる性質
③規模の経済
→生産量が増えるほどコストが下がり収益率が上がる
④ブランド
→企業や製品固有のイメージ
⑤ディストリビューション
⑥政府(規制)
⑦複雑な組み合わせと調整
→既存のものを特殊な方法で組み合わせて新しい価値を生むこと

・競争優位を保つための大前提は「独自の価値」を「独自のやり方」で作る、この二つの条件を同時に満たすことが重要

◼️「何をしないか」決める
・戦略にはメリハリが必要で、とりわけスタートアップにとっては競合他社が見つけきれなかった新しい軸を見つけ、そこにリソースを集中する事が一つの戦略

逆説のスタートアップ思考
ISBN978-4-12-150578-1 P98~132

<所感>

⑦複雑な組み合わせと調整。これが大企業だとなかなかできないな。と思いました。
いまある商品・サービス・仕組みで十分な利益が出ている。
多少のピークアウト感はあっても「今はまだ大丈夫」
この余裕な気持ちが変化を遅くしてしまっているのかもしれません。

第3章 プロダクト

・会社が潰れる原因は、お金の残っている間に顧客の欲しい製品を作れなかったこと

・スタートアップが成長するための2つの条件
1、大勢の人が欲しがるものを作る
2、それをすべての人に届ける

・多くのスタートアップにとって「現在の市場にニーズがあるかどうかが」最も大きなリスクになる
作るべきプロダクト体験の要素を、まずはすべて「仮説」として捉えることから始める
スタートアップは素早く仮説と検証を繰り返して学ぶことが重要

◼️ 顧客自身も分かっていない
・顧客自身も本当に欲しいものが何かよく分かっていないため、顧客のニーズを理解するのが難しい
プロダクト体験設計時には、顧客の声を聞きつつも、言われた通りに作るのではなく、本当の欲求が何かを捉える必要がある

◼️ 多数の好きより少数の愛
・現段階で自身のニーズに気づいている人はわずか
とにかくシンプルなものを早くローンチする事が重要(Minimum Viable Product:MVP)
初期段階の製品で重要なのは「継続率」と「離脱率(チャーンレート)」
・愛されているかどうかを測る指標として、自然発生的な口コミもある(ただしこれは愛された結果)
・継続率を高めるには製品がもたらす最も価値のある体験「マジックモーメント」を早い段階で顧客に提供すること

◼️ メトリクス(Metrics:測定基準)を追跡する
・メトリクスを設定することで人はそれに沿った行動をする
追跡するメトリクスは「遅行指標」(行動してしばらくして現れる売上などの数字)ではなく「先行指標」(遅行よりも先に変化が現れ、その変化から遅行指標や結果を予測できる数字)を設定する
・メトリクスの設定は製品のビジョンによって異なり、製品がいずれ辿り着きたいビジョンに従って設計する
・スタートアップが追跡するメトリクスは一つに絞るべき

◼️ ディストリビューションがボトルネック
・直接の営業活動だけでなく、代理店経由の販売活動、広告、ビジネス開発、口コミなど全てがディストリビューション
・有効なチャネルを見つけるなど、ディストリビューションに優れれば独占に一歩近づける(逆はスタートアップの死を意味する)

逆説のスタートアップ思考
ISBN978-4-12-150578-1 P141~198

<所感>

ほんとに欲しいものは顧客自身も気づいていない。
有名なワードです。ここにどうやってリーチするか・・・
これはジョブ理論、デザインシンキングなど既存のフレームワークでアイデアが発散しないよう共通に整理していくことが重要です。

第4章 運

・スタートアップがコントロールできる要素として「アイデア」「戦略」「プロダクト」に加えて、「卓越した行動力」と「優れたチーム」が必要
・さらに「運」もなければスタートアップは成功しない
・運は要素に分解すれば、ある程度コントロール可能

<運の要素① リスクのポートフォリオ管理>
・ある分野でリスクをとりながら、別の分野で慎重な行動をする事で全体のリスクを相殺する

<運の要素② タイミングを待つ>
・一番乗りを目指さず適切なタイミングを待つ

<運の要素③ リスクの相対的な評価>
・今あるお金を失うリスクより将来の可能性を逃すリスクを嫌う

・運はコントロールできないが、挑戦する「回数」と挑戦の「速度」はコントロールできる
・挑戦を重ねることで「量が質を生む」

逆説のスタートアップ思考
ISBN978-4-12-150578-1 P205~228

<所感>

この本の面白いところは、まさにこの運に言及していることだと思います。
つまり誰にも成功のチャンスはある。
日本ではベンチャーが少ないと言われて久しいですが、多くの失敗の裏にある大成功はあまりに有名人が多く、「自分には縁遠いし、なれっこない」とあきらめなくと良いと勇気づけられます。

もちろんいわゆる成功者と言われる人は並大抵でない努力や苦労を越えてきているので尊敬はすべきです。

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