見出し画像

セミナー受講履歴#3_DXをちゃんと説明できますか?

はじめに

2022年3月3日に、とあるセミナーに参加しました。
結論を言うと、そのセミナー自体はそんなに面白いものではありませんでしたので、ここではセミナー全体の説明はなしです。

一点だけ、言われてみれば確かにな、と思ったのが今回のタイトルにもしている

DXをちゃんと説明できますか?

という問いかけに対する回答でした。
バスワードというと語弊がありますが、

DXをかなり広義にとらえ過ぎて
何をしてよいか分からない人が多いのではないかと

思い、私見も多分に含めてまとめてみました。

文字数:約3,000

1.デジタル化とは何か

DXは端的にいうとデジタル化です。
「デジタル化が神格化され、アナログが悪」のような感じですが、私自身アナログも意外と捨てたものではないと感じています。

私はデジタルとアナログの組み合わせを私生活では実施しています。

例えば

①読書

<アナログ>
・書籍は基本、紙媒体
・週刊の経済紙の定期購読

<デジタル>
・日々のニュースはネット
・面白かった本の内容はnote
・読んだ本の履歴管理はNotion

②日記

<アナログ>
・日々の振り返りは日記(隂山手帳を愛用)

<デジタル>
・プライベートの予定はiPhoneのカレンダー
・仕事の予定はGoogle CalendarまたはOutlook

などです。他にもたくさん例はあるのですが、いったんここまでとして、要はアナログが悪で全部デジタルにすれば良い、というわけでもないことをまず伝えたかった次第です。

結局デジタル化の便益って何なのか?を自問してみました。
これは数年前に、当時勤めていた会社の社長に「デジタル化の便益はなんだ!?」と聞かれ、咄嗟に答えた内容です。
いま考えればそこまで外れてないかな?と思っています。それは

・履歴を残すことができ、検索できること
・情報をすぐに共有でき、連携できること

だと思います。
これが業務レベルになると

・過去のノウハウを残すことができる
・属人化していた業務を平準化できる
 俺の背中を10年見ておけ!というスタイルが変わる
・情報をワークフローに沿って滞りなく共有できる
・情報の重複があれば、集約することで業務負荷を下げる

など枚挙にいとまがないです。
このあたりの便益を自分ごとに落とし込んで、デジタル化に取り組むことが重要だと思っています。

2.デジタル化の3STEP

さていよいよDXについて触れていきます。
ちなみにDX = Digital Transformationなのに、なぜ「X」って思う方もいるかもしれませんが、これは「Trans」がラテン語で「超える」「変える」という意味を持っており、そこから「Cross」の意味も含んでいることから

交差する = X

ということでDXと呼ばれています。

デジタル化の3STEPについて見ていきます。(受講したセミナーの内容)

STEP1:Digitization(デジタイゼーション)

■趣旨
 ・アナログからデジタルへの変換
■何がしたいか(Why)
 ・大量の情報を扱いやすくしたい
 ・共有したい
■何をするか(What)
 ・紙の文章を電子化する
■どうやって実現するか(How)
 ・電子形式への変換
■障壁
 ・量への対応(既存文章のデジタル化)
■事例(ホテル業界)
 ・紙で記入した受付情報をスキャンする

STEP2:Digitalization(デジタライゼーション)

■趣旨
 ・ITシステム化
■何がしたいか(Why)
 ・業務効率を上げたい
 ・自動化して省人化を図りたい
■何をするか(What)
 ・デジタルな業務プロセスの作成
■どうやって実現するか(How)
 ・ITシステム、アプリケーションの構築
■障壁
 ・コスト
■事例(ホテル業界)
 ・WEBから予約し、情報を入力してもらう
 ・予約サイトと業務システムの構築

STEP3:DX(デジタルトランスフォーメーション)

■趣旨
 ・抜本的な改革
■何がしたいか(Why)
 ・新たな価値創出(ビジネスモデル、UX、差別化、企業文化など)
■何をするか(What)
 ・デジタル企業への転換
■どうやって実現するか(How)
 ・既成概念を破壊して、革新的なデジタル技術を組み合わせる
■障壁
 ・変化への抵抗感
■事例(ホテル業界)
 ・新たな価値提供
 ・ホテルでの宿泊という体験をデジタルと組み合わせて、より心地よいものとして、リテンションを高める

3.改めてDXについて考える

デジタル化を3STEPに分けて、その最終段階としてDXがあると考えると結構スッキリするな、と思いました。

さて、ここで私見たっぷりですが、

経営者がDX、DX言い過ぎ問題

があると思っています。

でもこれは全然間違っていなくて、経営者たるもの視座を高くして10年後、20年後を見据えているので最終形態を目指せというのは至極当然のことです。

大きな問題は
経営者以下がDXの意味をちゃんと理解せずにSTEPをごちゃごちゃにする

ことにあると思います。
つまりAs-Isに対してTo-Beが飛躍し過ぎているので失敗したり、頓挫してしまうのだと思っています。

大事なのは以下の2つの側面からの視点だとおもいます

視点①経営者から指示を受けた人

・経営者の目指す姿をどの時間軸で目指すのか
・その時間軸に対して実現するレベル(STEP)の定義

視点②DX推進プロジェクトの委託を受けたベンダー(および社内IT)

・DXをよく知っているからと言って、「それDXなくて、Digitalizationですよ?」なんて意識は捨てる
・例えば
 +STEP1のDigitization実現の段階でも、DXに向けた大切な一歩です
 +STEP2のDigitilization実現の段階でも、ここまでくればDXについて本気で検討できます!
と前向きに提案してあげる

まさにDX勅命を先日受けたばかり、という人もAs-Isを冷静に調査し、いまどのステージかを考えれば良いと思います。

いきなりDX領域の「新しい顧客体験」「新しいビジネスモデル」って考えるよりも

STEP2のDigitalizationを実現すれば、
いろんなアイデアが必然的に浮かんでくると思います

もちろん、経営者の決裁を取るためには最終ゴールとして「それらしいUX定義」「それらしいビジネスモデル」は含めておいた方がよいですが、それは一つのバクっとした姿程度に捉えて、確実なSTEP論を説明する方がみんなハッピーだと思います。

4.最後に(デジタル化は金属バット)

最後に私が良くいう例え話を一つ、

「デジタル化は金属バット」

つまり、木製バット(アナログ)は球種やピッチャーによって有益であることは変わりません。
ただ巷で
「金属バットってのがあるみたいで、よく飛ぶらしいぞ。これでいきなり主力打者になれるかも?」
って噂が流れています。

一生懸命お小遣い貯めて買った金属バットもたくさん種類があったので、どれが良いか吟味して、意を決して購入

いざ使ってみると重くて、全然打てない・・・・
筋トレと基礎体力作りがいるな、と痛感

頑張ってトレーニングして、金属バットで打てるようになり、ある日木製バットで売ってみると、これまたよく飛ぶ

結局、自分の身体が未熟だったと気付く

ってのがデジタル化の実態として多い気がしています。

提案する側はパーソナルトレーナーであるべきです

だからこそカスタマーサクセスが必要です。

以上、長文でしたが読んでいただきありがとうございます。
カスタマーサクセスについても以下にまとめています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?