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沖縄で宿泊税が議論に

沖縄県が、県内の自治体と宿泊税について議論をしています。

琉球新報の報道では、以下の通りです。

  1. 背景


県は2026年度に観光目的税(宿泊税)を導入する計画を立てています。2023年5月15日と17日に、導入予定の自治体や観光事業者との意見交換が行われました。これにより、コロナ禍で止まっていた議論が再開され、9月までに県条例案を取りまとめる予定です。

  1. 税率の種類

県の検討委員会は2019年に税率を定額制と定めましたが、石垣市、宮古島市、本部町、恩納村、北谷町の5市町村と観光事業者は定率制を求めています。観光事業者は「段階別の定額制で宿泊額が段階の狭間に当たると不公平感がある」として、定率制を支持しています。

  1. 試算結果

定額制の3段階別では81億8千万円、5段階別では74億3千万円の税収が見込まれています。一方、定率制の場合、2%で77億8千万円、3%で116億8千万円の税収が見込まれます(いずれも課税免除なしの場合)。

  1. 定額制と定率制のメリット・デメリット


定額制は税率の計算が簡単で予見可能です。一方、定率制は物価高騰や円安の影響で宿泊単価が上がると税収が増えるメリットがあります。ただし、国内では北海道倶知安町のみが定率制を導入しており、大人数で宿泊すれば税負担が軽くなる課題があるとされています。

  1. 税の使い道

県は観光税の使途として四つの区分を設けています。これらは、観光客の受け入れ体制の充実強化、観光地の環境と景観の保全、文化芸術の継承と発展、スポーツの振興、地域社会の持続可能な発展を促進するものです。1月に県の各部局と全市町村に実施した調査で、県全体で約78億円が必要とされ、その内訳は県分が約41億円、市町村分が約37億円となっています。

  1. 県と市町村の配分割合

県は宿泊税の配分を県と市町村で1対1が妥当と考えていますが、福岡県と福岡市では県が50円、市が150円の事例があるため、市町村側からは市町村が3、県が1の割合を求める声が上がっています。

沖縄県の観光目的税の導入には、公平性や観光振興のための適切な制度設計が求められています。県が目指す観光の「量から質」への転換や持続可能性の実現に向けて、広く理解を得られる制度設計が必要です。

コメント

沖縄にとって観光は極めて重要な産業であり、宿泊税の導入は必然かと思いますが、県内自治体の公平性や県との配分については、どのような貢献が各地方自治体ができるのか、してきたのについて十分に話し合いをして意思決定をする必要があります。