南米最高峰アコンカグアを目指した理由
きっかけ
2019年1月下旬
僕は、南米最高峰アコンカグア6,962mに登るため日本を旅立ちました。
アコンカグアへ登るには2週間ほどの期間が必要で、この間いろいろな出来事があったのですが、
結果だけ先にお伝えしておくと、
1月21日に登山口から登り始め、入山13日目の2月2日に登頂することができました。
(出典:https://inkaexpediciones.com)
この生死をかけた2週間については、別の記事に分けて書いていきます。
なぜアコンカグアに登りたいと思ったのか
アコンカグアはチリとアルゼンチンの間のアンデス山脈にある山で、
標高は6,962m
日本の最高峰である富士山ですら4,000mもないのだから、その高さが際立つ。
ヒマラヤ山脈を除くと、世界でアコンカグア以上の標高の山はない。
なぜアコンカグアに登りたいと思ったのか。
元々、エベレストに登りたいという夢があった。
(なぜ、エベレストに登りたいのかは自分でもよくわからない。これまで70ヵ国くらい旅行したけど、家族旅行で飛行機はおろか、新幹線すら乗ったことがなかった中西少年、幼少期に影響を受けたものではないと思う。)
登山なんてほとんどしない僕だけど、近年の登山ウェアなど技術の進歩で、比較的簡単に(といってもエベレストの標高は8,848m)
世界最高峰エベレストに登れることを知っていた。
ちょっと前に、世界七大陸の最高峰すべてを登り、北極点と南極点に到達するグランドスラムを達成した、早稲田大学の南谷真鈴さんが話題になった。
彼女は一人で登っていたわけではないけど、もはやエベレストは遠い山ではない。お金さえあれば登れる山という認識になった。
実際に毎年、世界中から富裕層が集まり、山頂付近では行列ができている。
行列ができているため前に進むことも後ろに戻ることもできず、デスゾーンでの滞在時間が長くなり、さまざまな問題が起こっているほど。
登山家であり冒険家、厳冬期のマッキンリーで消息不明となった植村直己さんが日本人で初めてエベレストに登頂したのが、1970年5月11日
ちょうど2020年は50周年となる。
そんなエベレストという山に登るためのステップの一つとして、僕は南米最高峰アコンカグアに挑戦することにした。
旅人の登山事情
僕はこれまでに70ヵ国、250都市程度を旅行してきた。
仕事などで同じ都市に行くこともあるし、飛行機もエコノミー、ビジネス、ファーストクラスに乗り、世界中で野宿をした経験もあれば、高級ホテルに泊まるような旅行もする。
けっこう旅慣れているほうであると自負している。
そんな僕は2010年、20歳の時に世界一周を経験しており、バックパッカーの友達も多い。
バックパッカーが世界一周中に挑戦する登山で人気なのは、圧倒的にキリマンジャロだ。
アフリカ大陸の最高峰キリマンジャロはタンザニアにある山だが、国の決まりでガイドと一緒に登らないといけない。標高5,895mを5日間で登る。
もう一つ人気なのは南米ボリビアにあるワイナポトシ。
標高は6,088mで、こちらもガイドと一緒に3日間で登る。
世界一簡単に登れる6,000m級とも呼ばれていて、実際に登った友人が何人もいる。(登れない人ももちろんいる)
この情報を持っていた僕にとって、この二つの山は魅力的ではなかった。
登山経験がほとんどない、海外登山なんてやったこともない僕が言うのも
おこがましいのは百も承知なんだけど、
「登れて当たり前。」
そう思った。
自分への挑戦
僕は挑戦がしたい。山に、そして自分自身に。
自分の限界や、今の立ち位置を知りたい。
ガイドなし、ポーターなしで、山と一対一で向き合って、単独で登りたい。
ちょうど仕事も上手くいかず、熱が入らなかった時期。
新しい世界に挑戦してみたい、そんな心境だった。
アコンカグアは上記二つの山と違って、荷揚げを自分でやらないといけない。
テントも寝袋も自分で運ぶし、食料やガス、日本では使わないようなダブルブーツ、ミトングローブ、すべての荷物を自分で運ぶ。
水を作るために毎日、雪をかき集めて溶かさないといけない。
荷物の総重量は40kg以上はあっただろうか。
そのためすべての荷物を持って登ることはできず、荷物を上げるために登って、下がって、翌日また登ってテントを張って、
ということを繰り返さないといけない。
もちろん高山病になるリスクは常にあるので、高度順応をするためにも一気に登ることはできない。
10日から2週間くらい山の中での生活となる。当然ネット環境はない。
従業員とも連絡は取れないし、僕が生きているのか死んでいるのかもわからない状態が2週間続く。
新しい世界に挑戦したいという僕の申し出に、従業員は快く僕を送り出してくれた。
従業員に会社を任せて、僕はアルゼンチンに向かった。
2週間に渡るアコンカグア登山の話を1日ずつ記事にして、こちらのマガジンにまとめました!動画、写真などもあるので、ぜひ読んでみてください。
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